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異世界に咲く青い薔薇  作者: 走れロマン
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2.喧嘩勃発

 目を覚ますとそこには見知らぬ天井があった。

 滲む視界をクリアにし、ベッドから身を起こす。


 簡素であるが清潔にされている部屋だ。

 木々で出来た家具に部屋の端っこにはキッチンがあり、

 今寝ているベットがある。


 少し前の記憶が蘇る。

 世界とともに朽ち果てるしかない状況だった。

 それがどうしてこんなところに。

 あの世界から出ることが出来たのか?

 それともこれは夢で現実ではもう死んでいるんだろうか。


 ベットの向かい側に鏡があった。

 ベットから身を下ろし鏡の方に向かう。


 鏡にはあの時魔法を使って見た姿、黒髪の少年がそこには映る。

 ただ一つ違うところがある。

 何故か服を着ている。

 あの時は全裸だったのに、誰かが僕を介抱してくれたのだろうか。


 耳と身体が熱に犯されるように熱くなる。


 もし介抱してくれたのが女性だったらどうしよう。

 僕のエクスカリバーはまだ鞘を被ったままだというのに。


「うぅぅぅ」


 羞恥心のあまりに声が漏れる。

 ん? 声?

 羞恥心がスッと何処かに消え今度は高揚感で満たされた。

 そう、今僕は声を発した。

 あの世界で魔法を使わないと発せなかった言葉を。


「僕の名はノア!」


 ーーっ!!

 あまりの嬉しさに顔を歪め悶える。


 今度は身体を遍く物色する。

 感覚がある。手が動く。

 次に腹部をつねる。

 ……おぉぉ。

 痛みがある。


 そこでやっと実感する。

 夢じゃなく、これは本当に現実であの世界を出れたのだと。


「よし、次は魔法を使えるか試さないと」


 鏡の前に座り魔力を込める。

 魔力を魔力操作で調整し魔力回路に通す。


 砂を収縮させ、ヒトの形に生成する。


「踊れ」


 ヒトの形を成した七人の砂が踊り出す。


「おぉぉぉぉ。魔法も難なく使える」


 砂を消し、今度は火でヒトを生成しようとしたときに

 部屋の扉からノックが鳴る。


 ……。

 これは返事したほうがいいのかなと考えてると

 扉が開いた。


「ピギャ!」


 その扉を風の魔法で閉め返す。


 変な声が聞こえたが気にしない。

 だって急に扉を開く方が悪い。

 僕は小心者だから人と会うには心の準備が必要なんだ。

 だから僕は悪くない。


 心にそう言い聞かせる。


 今度は勢いよく扉が開かれるがこれも阻止。

 また変な声が聞こえる。

 二度目になるが人と会うには心の準備が必要だ。

 だからまだその扉を開けないでくれ。


 扉の向こうから怒気のこもった声が聞こえる。


「ねぇ、目が覚めてるのよね? 早くこの扉開けてくれないかしら。

 怒りのあまりに壊してしまいそうなんだけど」

「あと五秒だけ待って。心の準備が……ーーっ!!」


 言葉を遮るように扉が蹴破られる。


「壊してしまいそうとか言いながら壊してるんですけど」


 蹴破られた扉を足場に立つのは獅子が如く怒りに満ちた年若い女性だった。


 突進してくるように僕の方に駆け寄り胸ぐらを掴む。


「ちょっとこれ見て、鼻血出たんだけど」


 鼻血の出た鼻に手を向け強調してくる。

 ただその鼻に意識が行くことはなかった。

 だって近いもの。

 こんな近くに人が、女性が近くにいれば男性なら違うことに意識してしまう。

 心臓が破裂しそうなほど鳴り響き衝動的に、


「ち、ち、ちか〜い」


 風の魔法と共に彼女を吹き飛ばす。

 荒れた心臓の音と共に言葉を紡ぐ。


「近い近いちかーい。さっきも言っただろ。

 心の準備がいるんだよっ! 馬鹿が!!」


 吹き飛ばされた彼女を見下ろしながら必死に今の気持ちを伝える。


 吹き飛ばされた身体を起こし静かに彼女は笑う。


「上等。その喧嘩買ったわ」

「アホか。喧嘩したいわけじゃなくて、ただ心のーーっ!!」


 言葉を遮るように鋭い拳が飛んでくる。

 風を切り、摩擦によって火が燃え上がる。

 避けることもできず、拳が放たれたと同時に回避不可能と

 判断させられる拳を正面から受け止め部屋に大穴を作り外に吹き飛ばされる。


 鼻血が滴り、口の中も切り血の味がする。


 殴られたところが腫れ上がり焼ける。

 視界が揺れ、自然と身体も震える。


 これが恐怖?

 違う。

 この血が荒れ狂うくらい煮えわたる感情は恐怖なんかじゃない。

 これは怒りだ。


「クソッタレめ」


 地に横になってる身体を無理やり起こす。

 頬に火傷を負い鼻と口から血を流しながら彼女のいる方に視線を射る。


 大穴から不敵な笑みを浮かべながら彼女が出てきくる。

 背後に禍々しいほど黒く、不意にも見惚れてしまうほど綺麗な炎の矢を

 生成しながらゆっくりとこちらに歩み寄る。


 目で追うのが限界な速度それに濃度の高い魔法ときた。

 ほんと人外だよこの女。

 

 鼻と口から滴る血を拭い地面に手を置く。

 でも対処できないわけではない。

 まずは足元を崩してあの圧倒的速さを抑える。


 彼女の足元にある土を悟る時間の間も無く泥沼に変える。

 泥沼が彼女の体制を崩していく。

 沈んでいく足に気を取られつつも反撃が飛んでくる。


「ーーっクソガキ!」


 彼女の背後に生成された黒炎の矢が放出される。

 それを同じくらいの魔力濃度で作り上げた水の矢でレジストし、

 蒸発した煙にガスを含め彼女の周りに纏わす。


 視界を奪い足元は泥沼によっておぼつかない状況のはず。

 勝負を決めるならここしかない。


「今度は僕の番だクソ女」


 ニヤリと笑みを浮かべ身の丈くらいの火球を生成し彼女に向け飛ばす。

 煙に含まれたガスに火球が反応しあたり一面を吹き飛ばす大爆発を起こした。


 大爆発の反動で吹き飛ばされるも、風を背後に集め身体を支える。

 煙で喉が焼け肌も焼けるがそんなもの関係ない。

 ただ今は理不尽極まりない彼女を懲らしめたい。


 そう思ってたとき大爆発が、煙が突如消える。


「ーーえ?」


 何が起こった?


 そう思っていた矢先、音もなく目の前に彼女が姿を現す。

 満面の笑みを白い歯と共に見せながら彼女は言う。


「この喧嘩私の勝ちね」


 言葉の次の瞬間意識が遠くなる。


「クソッ…タレ…が」

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何卒、よろしくお願いいたします!

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