月の綺麗なとある夜の話
初投稿です。
「ふざけんなッ!」
夜深く月が綺麗な草原のなかで静寂を切り裂くような男の声が響く。
「静かにしろよ、唯でさえこんなただっ広いところで野営してるんだお前の唯でさえ大きな声が野獣に聞こえでもしたらどうする」
焚火の灯りに照らされた黒い髪の男がそれと反して静かに潜めるような声で言う。
「じゃぁナニカッ!俺の夜食はこんな具材の無いスープだけかレン!」
俺の正面に座る金髪の男、ウーサーが声を荒げる。
「お前だけじゃない俺もこれだけだウーサー」
「たったこれだけじゃ空腹で眠れもしないぞ、なんかないのか少しでも胃が膨れそうなモノはない・・・のか」
「無いよ、少なくとも次の街につかない限り暫くはこれだけだ」
白濁色のスープを木で出来たお玉で軽く混ぜながら、味付けに塩を二つまみほど入れ味見する。
「うん、味は薄いがまぁまぁ飲めるぞ、ほら飲んでみろ」
お玉をウーサーに差し出す。
「あぁさぞ素材を生かしたあ”ゴクッ”・・・味薄いていうか無いだろこれ」
荷物入れから分け皿を出しスープを注ぐ。
「お前の舌が死んでるんだろう要らないんなら俺が全部飲み干すが?」
もう一つ皿を取り差し出す、不満げな顔をして受け取る。
「いや飲むけどよもうちっと味がな~・・・レンよもう少し塩を「明日から唯の野菜の根をすりつぶして入れた白湯を飲みたいならそうしろ」・・・なんでもないです、はい」
この世のものとは思えない低い声に恐縮しながらスープを注ぐ。
「だいだいなこんなことになったのはウーサーお前が「ワォォーーーーーン」
荒々しい鳴き声が響く、うるさい声に誘われたかはたまたスープの香りに引き寄せられた狼たちがいつの間にか闇の中から月明かりに反射した眼光がうかがえる。
ジッと原因であろう男を見る。
「ウーサーどうにかしろ自分で蒔いた種だろ」
「はいはいヤればいいんだろヤれば」
イヤイヤ参ったと言わんばかりの顔しながらゆっくり立ち上がる
「ところでレンよ・・・狼の肉は喰えるよな」
口から出る涎を手の甲で拭いながら言う
「あぁお前の働きようで飯が増えるかもな」
興味なさそうな声で答えながらスープを啜る。
「喜べレン!! 今夜は狼鍋だ!」
月明かりに照らされ黄金が草原を駆けた。
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