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Title.1 使命  作者: エス
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朝の中で

 朝6時手前、この時間に起きるということは駅に向かうためか、否、今日はドライブのためである。しかし、ドライブのためにこんな朝早く起きる必要もなかった。。


 特段(人生における大きな意味を持った)理由があるわけではないと思うが、気づくとこの文字を打っていた。私は、という一人称を打った瞬間、個がコミュニティに溶け込もうとしているのを感じる。これは孤独ゆえに感じるのか、私が私故に感じるのかは分からない。


 私の使命はなんだろうか。人は何か使命をもって生まれてくるものというセリフを聞いたことがある。人には生を受けた瞬間果たすべき役割が発生すると聞いたことがある。- そう、聞いたことがあるというだけで、自分は感じたことがない。だが考えたことはある。自分の使命はなんだろうと。- このわけの分からないセリフから、人は自分に期待する生き物だと理解できる。自分には何かあるはずだ、役に立てるはずだなどと考えるわけである。私からするとこのセリフは嘘であるし、間違っている。このセリフは悟ったものが悟っていることを誇示するためのものであり、悟っていない側が受け取った時点でセリフは偽になる。そして、重要なのは言わんとすることが本質的に間違っているということである。私たちは何か大きな希望に満ちた使命を持った状態で生まれてくるのではない。生を受けたが故に使命を必要とする生き物なのだ。使命とは与えられるのではなく、己の孤独感との闘いを経て自己中心的考えを究極的に発展させた末の生成物である。この生成物こそが己が己であるための檻であり、使命である。しかし、近代人にはこの檻がない。溶けている。個々人の檻が溶けた時代を近代といってよいかもしれない。いや、これまでの歴史をみても檻はずっと溶けていたのかもしれない。


私は大きな流れの中にいる。誰が読むのかは知り得ないがあなたもその内のひとり。宇宙の晴れ上がりを経て、宇宙は膨張。銀河団、銀河系を構成し、太陽系の地球は数えきれないほどある星の中のひとつ。何千年、何億年の時の流れに私はいる。この流れがどんな理論に従っているのかの説明は物理学者に任せるとして、私は意味を考えたいと思う。否、私が考えた私の存在の意味を、あるいはあなたの存在の意味を書き留めたいと思う。わくわくしてくれる気のいい奴もいるかもしれない。が、残念ながらこの大きな流れの中で私たちの存在意味など皆無である。私たちはどんな流れかを理解し、新たな流れを創ろうなどと考える、ただそれだけの存在である。私たちの存在意味を思考する際に意味が存在する時空間領域を調節しよう。私は家族を持ち、友人もいる。彼らにとっては私は意味のある存在になり得る。しかし、時間を調節してみよう。100年の時を経ると親は死に、友人も死ぬ。そうすると途端に存在意味が失われる。空間をもっと広くとってみよう。地球という星、太陽系、銀河、広げれば広げるほど存在意味は薄まることに気が付く。ここで我に返り、手を止めたいと思うー

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