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83.ルフィーナ王女のいたずら計画②

「ヴァルキリー、シャンタル・ヴァルティア。あなた、お嫁さんになりなさい!」


「な、何を――!? 何を言われるかと思えば、私が嫁に……? ルフィーナ、私はすでにアレの妻なのだぞ? わ、分かって言っているのか?」


「ええ、間違いではないわ。勿論、冗談でもないわ。心配しないでも、お嫁さんになって頂くのはあなただけではなくってよ? ふふっ」


「えっ?」


 本当は壮大な冗談……いえ、いたずらになる予定なのだけれど、疑ってやってもらうわけには行かないのよ。一国の王ですら、それに付き合って頂くのですもの。これくらいはやらないとわたしの気が済まないわ。


「そうね、セラはもちろんのこと、ルヴィニーアとマフレナにもお嫁さん候補に加わって頂こうかしら」


「ひ、姫さん、あんた……」

「わ、わたくしは王女様のご命令であれば従わせて頂く所存ではございますが、し、しかし……」

「あの、ルフィーナ様。この件については一応、カンラート様にも……」


 いい時に追加で集まってくれたものね。これは利用……本当は彼女たちをこんなことに付き合わせたくないのだけれど、後には引けないわ。許してちょうだいね。


「ルフィーナ様。それでは、わたくしとハズナは?」


「そうね、あなたたちには偽国王の衛兵にでもなってもらおうかしら。もちろん、本気でね」


「か、かしこまりました。わたくしテリディアはルフィーナ様の仰ることに従うのみにございます」


「ええ、頼りにしているわ」


「王女さま……?」


「ハズナ、あなたのこの役目は遊びではないの。どうかお願いね?」


「はい、王女さまに従います」


 さて、これでいいわ。そろそろ部屋に戻らないと怒りで駆けつけて来そうだわ。早いところ彼女たちを向かわせないと駄目ね。


「セラ、あなたはヴァルティアお姉さまと、マフレナに詳しく説明して実行に移りなさい。ルヴィニーアも引き続き頼むわね」


「姫さん、こんなこと……やりたくもないしやらせたくもないだろうけど、企んでいるんだろ? 偽アスティンにやられっぱなしなんておかしいとは思っていたが、まさかシャンタルまで巻き込むとは」


「もちろん、カンラートも巻き込むわ。とにかく、お姉さまをお願いね! さぁ、行ってちょうだい」


「分かったよ」


「ルフィーナ! きちんと説明を!!」


「すまないな、シャンタル。姫さんのご命令だ。さっさと、部屋に行くぜ。ルヴィニーアもマフレナも付いて来な」


 セラは本当に頼りになるわ。お姉様の配下だっただけあって、扱いには長けているわね。面白くなりそうだわ。


「ところで、ハズナ。カンラートはどこにいるのかしら?」


「門に……置いたまま、です」


 どうりでお姉さまたちだけが先に来たわけだわ。今頃は城門の外でブツブツと文句を言いまくっているはずね。うふふっ、わたしが迎えに行ってあげなくては駄目ね。カンラートがいないと、そもそも始まらないことですもの。

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