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いたずら王女とわがまま王子⑤


「アルヴォネン様」


「む? その声はルフィーナ様か。して、姿を隠してどうされた?」


「キヴィサーク国王様は、アルヴォネン様から見てカンラートに似ていると思われます?」


「カンラートに? ふむ……言われてみれば似ているかもしれませぬな。それがどうされた?」


 ウフフ……お墨付きを頂けたわ。これなら国王様を巻き込んでのいたずらを決行出来るってものね。わがまま王子は末王子。ということは、普段からまともに国王のお顔なんて見ていないに決まっているわ。国王様にも事情を話して協力してもらわなければ駄目ね。


「アルヴォネン様、国王様をわたくしの所へお呼びして頂けますか?」


「……何か企みのある楽しげな表情をされておりますな。では、ジュルツ城に我は急ぎ戻って、二人……いや、三人を代わりに遣わせましょうぞ」


「よろしくお願い致しますわ。それではアルヴォネン様、しばらくのお別れですわね」


「ルフィーナ王女殿下。くれぐれもご自重くだされ」


「ええ、もちろん」


 フフッ、カンラートとシャンタルお姉さま。そして御子……旅に出るとは言ったけれど、会えなくなるわけじゃ無いのよ。特にカンラート。あなたがいなくてはいたずらは仕掛けられないもの。楽しみね。


「ジュルツのルフィーナ王女。アルから聞いたが、それはまことか? いくら滅多に会わぬとは言え、そなたの騎士と余では違いすぎるのではないか?」


「ご心配には及びませんわ。こう言っては失礼かと思われますけど、トビアス王子は女性の顔しか見ていませんわ。国王陛下のお顔もまともにご覧になってはいないのでは?」


「ふむ……確かにそうかもしれぬな。あい、わかった。ルフィーナ王女の企みとやらを、側近たちに伝えるとしよう。そして王女の騎士が来次第、余はそなたの兄となろう。それでよいのであろう?」


「ええ、問題ありませんわ。わたくしの大いなるいたずらにお付き合い頂けるなんて、光栄ですわ」


「なに、末王子が素直になれるかもしれぬのだ。余は協力を惜しまぬよ」


 やはりカンラートに似ているだけのことはあるわ。それでも彼は小言が増えて来ているから、わたしの言うことを聞いてくれるかどうかは不明だけれど。後は、セラたちに王子を任せてわたしは国内の方々に話をしてこなくてはいけないわね。フフッ、何て楽しいのかしら。

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