表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
わがまま王女と駆けだし騎士の純愛譚  作者: 遥風 かずら
外伝ストーリー①:プリンセッサの脅威
41/151

41.アスティンの胸騒ぎ①


 女性騎士のアリーさんに案内されて、騎士の国レイバキアにたどり着いた。アリーさんは、ルプルを手当てすると言って、どこかに行ってしまった。ここに残されたのは、俺たち男騎士だけ。気のせいなんかじゃないけど、どこからか常に見張られている感じがする。それなのに一人だけ嬉しそうにしていた。


「アスティン、ここは素晴らしい国だぜ! お前もそう思うだろ?」


「そんな事言っていいの? ドゥシャンには彼女がいるじゃないか~」


「かてぇこと言うなよ。別に何かするわけじゃねえんだ。お前も、たまには羽伸ばせよ! 王女様を愛してるのは承知だけどよ」


「い、いや俺は別にいいよ。ドゥシャンだけ楽しんでくればいいじゃないか。俺はルプルの様子を見て来るよ」


「お前、王女様がいながら、あの弱っちい見習い騎士を気に掛けてんのか? ったく、お前は気を回しすぎなんだよな。俺やハヴェルを見習えよ。なぁ、ハヴェル……ん? あいつ、どこに消えた?」


 ハヴィは女騎士たちに囲まれた時から、様子がおかしかった。誰か知り合いがいたのかもしれない。だけど、そうだとしても、険しい表情をしていた。思えば、ミストゥーニから出た辺りからおかしい気がする。


「ハヴィはここに来たことがあるのかな?」


「あるわけねえだろ。俺もお前も、ハヴェルも王女様がいなければミストゥーニには入れなかったんだぜ? 霧の国にまともに入れねえのに、そこから先のこの国にどうやって来るってんだよ?」


「そ、そうだよね。じゃあ、俺、ルプルの所に行ってくるよ。ドゥシャンも気を付けてよ?」


「へっ、いらねえ心配すんなよ。俺はとりあえず、女騎士の宿舎にでも顔出して来るぜ! お前も後で来いよ」


 全く、ドゥシャンも仕方ないなぁ。ルカニネが一緒じゃないからって、調子に乗りすぎだよ。ルフィーナ、俺は心配ないからね。俺にはキミしかいないんだ。


「あの、怪我をした騎士はどちらにいますか?」


「……失せろ」


「ええ? 参ったなぁ。話しかけてもダメなのかなぁ」


 軽い傷とは言え、矢傷を負ったルプル。彼女を手当てしてくれるということで、どこかに連れて行ってくれているはずなんだけど、それがどこなのか分からない。見渡す限り、女性しか見当たらないこの国で単独になってしまったのは、結構寂しく感じていた。


 昔、シャンタルと女人の町に行ったときは散々な目にあってるだけに、ドゥシャンのような浮かれ気分にはなれなかった。ハヴィも近くにいないし、ドゥシャンもそうだし。こういう時、カンラートがいればきちんと統率が取れていたんだろうなぁ。そんなことばかり考えてしまう。


「そこのお前! 何をきょろきょろしている? 何故ここにいる……」


「え? いえ、見習い騎士の女の子の行方を知りたいのですが、場所が分からないのです」


「見習い騎士? では、お前が外から来た騎士の男か。ふ、そうか……ジュリアートが好きそうな男だ。いいだろう、案内してやる。お前一人か?」


「今はそうですね。なにか?」


「ならば、問題なさそうだ」


「……え?」


「気にするな。こちらのことだ」


「あの、アリーさんはどちらに?」


 そもそもルプルに手傷を負わせたのも、あちらの勘違いから始まったことなんだよな。本来なら、失礼な行為にあたるのに。それなのに、丁重に迎えられるどころか周り中敵だらけのような感じがする。


「アリーは、多忙だ。お前、名は?」


「アスティンですが……」


「では、アスティン。お前は騎士の宿舎で休ませてやる。そこでなら、街中のように視線に困ることは無いだろう」


「あの、我が見習い騎士の所へ行きたいのですが……」


「心配するな。後で会わせてやる。黙って付いてくればよい」


「は、はぁ。分かりました」


 騎士の宿舎なら、ドゥシャンもいるかな? 何にしても黙って付いて行くしかないよね。


「……」


 なにか嫌な予感しかしないけど、何かが起こる前に、俺は俺の部下を守らないと駄目だ。男の姿が無い所は油断しちゃダメなんだ。シャンタルに教わったことを、今こそ俺はきちんと守ってみせる。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ