異能力バトル51
どうしたら桜八長重老に勝てるのかを問う。
回答は、勝ち目なんて物はない。との事だった。
では、どうするのか。と尋ねた所、答えはこうだ。
「知らん。そもそも我は我の為に、つまりこれ以上我に攻撃の目を向けぬようにと、忠告しに来ただけだ。更に言って置くと、六腑は恐らく桜八長重老の手下のままだ。気を付ける事だな。」との事だった。
つまり、阿倍の六腑は最初から色即是虚無子を暗殺する為だけに松本と手を組んだと言う事になる。
最初から、松本をカラの座に就かせる気なんかは無かったのだと、色即是虚無子は言う。
「絶望的ね。」一ノ瀬が言う。
確かにその通りだ。色即是虚無子が帰った今、ここに居るのは松本、一ノ瀬、空知と阿倍の六腑だ。
六腑はいつもの様に薄ら笑いを浮かべてこちらを見ている。傍観してる。憎たらしい限りだが、手を切る事は出来ない。そもそも松本は親に売られ、里親に売られ、今の屋敷に流れ着いた流木だ。
今、手を切るだとか怒りの感情をぶつけた所で、阿倍の六腑は屁とも思わないだろうけど、色即是虚無子を殺せなかった一点を強調して、それこそ怒りに任せた反撃に出るかもしれない。
暴走陰陽師。次は、どんな規模で犠牲者を出すか分からない。
人質があると言う点で勝ち目がない。
「六腑と手を切っても、出来るかもしれない。」空知が口を開く。
何をだ。
「カラの座を狙う事。」
「それはできるだろう。そもそも六腑が味方になった事なんて只の一度もない。これまであいつは敵ではないと言う一点だけが行動を共にしてきた理由だ。しかし、今回敵の手下だと分かったんだ。いやそれすらも色即是虚無子の思い込みか、戦略の一つだろうが、思いもよらない所で繋がった一本の糸は、思いのほか俺たちを翻弄している。」
「では、どうする。」
「それが分からないからこうして考えている。」
「答えは無いか。しかし、だけど、それでも、カラの座に就かねばならないのだろ。」
「お前に手が在るのか。」
あるよ。そう答えて薄く笑う。




