異能力バトル42
どうしようもないのが普通。確かにそう言ったが、実際どうにか出来ると言う事は、対応してしまうと言う事は、どうかしてしまっている。
災害と人の関係は慣れ合ってしまったらいけないんだ。と、思う。
いつまでも災害に苦しむのが人でなくてはならないとさえ、思う。
だから、魂使人という災害に慣れてしまった人は、化け物染みているのだ。化け物に負けず劣らずの人はやはり化け物なんだ。
だから、だから、そういう人を量産したなら、きっと魂使人はスタンダードになる。
災害に対応出来てしまえる化け物が普通になる。
それが、松本の答えだ。そう、俺の、答えだ。
改めて言う、松本の能力とは、魂使人ではない人に魂使人としての能力を与えると言う能力。
松本にとって、全ての人が魂使人であるから、魂使人と人間の垣根が無い。
認知が出来ないのではなく、認知の意味が無い。
そういう訳だから、松本は空知を魂使人にした。
そういう訳だから、松本はこの大災害で困窮する人間を助けるのではなく、更なる試練を与えた。
それは、まさに奇跡。まさに神の御業。
そして、松本は王となった。
増殖された魂使人の王。
そして、王は言う。
「試練は乗り越える物では無い、試練は避ける物では無い。何故なら試練とは生き甲斐であるからだ。」
手を叩く。
六腑がそこに居た。
「素晴らしいじゃないか、助かる命を助けずに、助かった命を無下に扱うなんて、並みの高校生は考えもつかないだろうね。私はてっきり、出来るだけの命を救った暁に隷従し我々陰陽集と一戦交えるのかと思っていたよ。只違ったね、君は。どうせ苦しむならみんなみんな苦しいだから否が応でも苦しい選択を強いる。それが君だったのだね。」
「さて、一戦交えると言うのも、預言かな。」
空知は六腑に向かって氷のつぶてを放つとこれを言う。
難なく避ける六腑は防御に陰陽のものと思われる術を使ってからこれを言う。
「いいね、好戦的だ。やってみようじゃないか。我々陰陽集も又部族。只、ペンが剣より強いと本気で思っている分、厄介な質だよ。」
「ペンが剣より強いだなんて随分古い考えを持っているのね。今の時代、文武両道が常じゃないカシラ。」 一ノ瀬は言って笑う。
「止そう。」
松本が静止する。




