異能力バトル41
絶望を用意すると、確かにそう言った。言ってはいたが、人為でこれを成すと言うのは信じられない。
「こんな、こんな未曽有の天変地異をどうやって、いや、ここまで、する必要があったのか。」松本は問う。
「ここまでと言われても、この程度で何を狼狽えているのかな。」六腑はにやけながらにそう言った。
「ああ、そうか。絶望を知らないという狼狽だね、これは。」続けてそんな事を言っている気がする。
「絶望とは、普通はどうしようもない災害の事だ。時に自然的災害で在ったり、人災で在ったり、様々だが、共通して人は逃げ出したい衝動に駆られる、だけど逃げ出せないという事が言えるだろうね。
そして、希望とはこんな状況を何とかしてくれるかもしれないと言う思い込みだ。
それでは諸君、皆々様によろしく頼むよ。」そう言うと六腑は消えた。
取り残された松本等は、その光景を双眸に焼き付けるしか出来ない。が、それは松本だけだったのかもしれない。
「これが、彼女の言う絶望か。割と、大したことないね。」
「さっすが陰陽師の端くれの残りカス。これを絶望とは言えないだなんて大した法螺吹くのね。」
「でも、聞いてみなよ、この人たちの言う事を。」
みんな、助けを求めていた。当たり前だ。突然に町が倒壊したのだ。助けてくれと言いたくもなる。
「みんな、助けて貰って、その後の事を何も言わない。それじゃあ願望が無いのと一緒だ。助けてほしいとドラゴンボールに願ったって仕方ないだろ。大事なのは助かった後に何をして欲しいか。」
「アンパンマンマーチじゃあるまいし、そこまで考えられる人はいないわよ。だから普通なの。」
「その通りだ。無限に願いを言い続ける事は願いが無いのと同じ。現実を見ようとしない人たちをいくら守っても、いくら夢を守っても、それだけじゃ意味が無い。それで、どうするのさ、僕らのアンパンマンは。」言って松本を見る空知。
「俺の中では、アンパンマンが皆を守る事を楽しんでいると言った物語だったが、どうしたいんだろう、俺は。」
「迷う事が在るのか、君にも。」
「空知の中ではどういう誤変換がされているのか分からないけど、松本は昔から肝心なところではいつも迷っていたわ。その結果が今なのだから今まで見たいに適当に流されればいいんじゃないかな。」
「助けた後に、いっそ殺してくれと言われたら僕ならそうする。君はどうする。」




