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異能力バトルもの  作者: 藤雅
25/58

異能力バトル25


 戦略は大きく分けて三種類ある。

 逃げは基本なので言うまでもない。それなので攻撃の話をしよう。

 攻撃、つまり危害を加える時は弱い所を攻める事。と、強い所を攻める事。

 以上の三項目が戦略の基本三種だ。

 弱い所というのは群れていない所を指す場合が多い。はぐれている部隊を虱潰しに襲い掛かるのがそれだ。

 そして、強い所とは、武装し、群れており、尚且つ統制の効く状況を攻撃するというのがそれと言える。戦事と言えばこれを指す場合が多い。

 更に言うなら、今、松本の追いやられている状況が、三つ目だと言う事になる。

 式で群れた状況を和えて攻撃するというのだから、最低でも同等か、あるいはそれ以上の戦力を持って攻撃されている。と、言う事になる。

 打開の案は、乗るか、反るか。それしかなく、どちらを行っても読まれているという事。

「全面戦争だ。」

 松本は冷静ではない一言を放つ。が、状況はそれを許さない。

「阿呆め、こやつを捉えて交渉。もしくは降伏が適当だろう。」

 こやつとは、目の前で舞北晴天と戦う空知の事だ。

「秘策でもあるのか。」

「無い。」

「じゃあ。」

「だからこそ、勝って貰わねば、晴天に。」

「勝ったからって何が出来る。」

「少なくとも」と、口を挟むは播磨蜜柑。

「少なくとも、こちらは術や能力を出していないというアドバンテージは保持される訳だが、それでも何も変わらないと思うのか、少年。」

「それ程変わらないと思うが。」

「勝率という面では、なるほどあまり変わらないかもしれない。しかしだ、交渉とはそう言った確立を変動させるためのツールではないのか。」

「交渉をうまくすればと言われてもここには敵の陣を仕切る人間がいないじゃないか。」

「いや、どうだろうね。鬼人と化した空知を暴走させるだけの目的ならば、居ないのかもしれない。」

「鬼と化した空知を回収するというような事か、回収のために敵将が乗り出して来ると、そういう事か。」

「そこまでの事じゃない。生きている空知を回収するというのなら術を解きに来るかも知れないと、そういう事だ。」

「しかしだ、術を解くというのが、そもそも難しい。」

 舞北言霊がそういって会話に入る。

「そうさね、それが成功するようだったらカラの座は既に芦屋の物かも知れない。」

「成功の暁にカラの座を射止めるのかもしれん。」

 二人の陰陽師がそんな事を言い合うが目は一度たりとも合わせはしない。戦況を窺うために。


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