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異能力バトルもの  作者: 藤雅
10/58

異能力バトル10


 その眼光は鷹の如くに鋭く、嗤った口元は虎の如くに猛々しい。

 男は舞北晴天と名乗った。

 歳は40前後に見える事から会長と呼ぶのも躊躇われるほどに若い。

「遅かったじゃないか。」と晴天。

「観光がてら参ったものですから。」と一葉。

 豪と柔、互いに譲らない強さが垣間見える。

「というより会いたいならそちらから来たらいいんじゃないデスカ?」と一ノ瀬も割って入る。

 もう何が何だか分からない。正直立ち去りたいくらいの空気になる。

「会いたがってるのはこの人じゃなくて前会長なの。」と優しく言い放つ一葉。

「あ、ちなみに前会長は私のおじいちゃん。」と付け足すが、やはりこの場の空気はどうかしてる。冷や汗しか出てこない。

「まあ、事のついでだ。」と晴天。

「魂使人とは、平たく言えば異能力を持つ者であり、その特性は二つ。一つは相手に能力を譲渡出来るという事ともう一つはその相手を探し出すことが出来るという事。つまりは只異能力を持つのに飽き足らず、殺した相手の異能力を奪う事が出来、更に相手が異能力者である事を特定できるという事になる。」

「長々と説明して頂かなくてもそれくらい皆存じ上げています。叔父様。」一葉は笑顔で受け答える。

「では、半魂使という状態を聞かせようか。」

「それも聞いてます。」一ノ瀬もなぜ今日に限って共闘してるのかは分からないが、その笑顔がまた怖い。

 だが、晴天は臆さない。堂々たる振る舞いで「では。」と更に話を広げようとさえするが、これに一葉は「結構です。」と笑顔だ。

 これが効いたという訳ではないのだろうが、晴天は一つ肯いて引き下がった。

 そして、次に登場したのが舞北言霊である。

「お初にお目にかかる。」とそう言うとにたりと笑う。

 目が鋭く鷹の様であるのは親子故だろうが、どこか蛇を思わせるその口元は頂けない物があった。

 一ノ瀬もあまり好きなタイプのご老人ではない様でどこかよそよそしくなっている。

「なにゆえ私達は、叔父様と会わされたのでしょうか。」一葉も終始笑顔だが、目は笑っていない。

「いやなに、元会長やら相談役やらでは会いたいという時に少し拍が足らんでな。それで晴天を使ったまでだ。」

「拍を付けたいが為に好きでもない人に会わないといけない私としてはその考えに賛同しかねます。」

「物事をはっきり言う様になった。しかし好きな人とばかり会って、嫌いな人には一切会いたくないというのは聊か勝手が過ぎる。親にその辺、教わらなんだか。」

「親は関係ありません。」

「親が関係ないという事は、独り立ちの準備でも、できたのか。」と言霊は驚いて見せる。わざとらしい演技で、嫌気が差した。なので言ってやる。

「あの、家庭の事情は分かりませんし関与したいとも思っていません。なので本題と言いますか、要件と言いますか、早めにお聞かせいただけないでしょうか。」

「松本の子倅か。いい面だ。」と言霊は蛇の様に話を曲げる。もう帰りたいとか言う気持ちよりもこの人を一思いに何とかしたい、何とかしないといけない様な気がしてくる。

「どこまで、お察しか分かりませんが僕もあまり家族の事に触れられたくありません。」と、はっきり言った。しかし、言霊はその辺の事をまるで聞いていない様だった。

「父は不明、母手一つで育てられたにしては利発、利口という物。関心関心。とは言ってもその母もすでに他界しているのだから口八丁は、当然か。」

「家族構成や諸事情は必要なのでしょうか。」と一葉が言う。やはり笑顔を絶やさない強かさが彼女にはある。

「必要かどうかよりも有るか無いかだよ。まずはその辺からお勉強するといいだろう。」

 お勉強、という言葉に若干、一葉も苛立ちを覚えた。しかし、言い返す事が出来ないで黙ってしまう。それなので、言霊は悠々と話し出す。

「親に聞けというのは酷だろうな。親は無し、しかしその能力は引き継いだという、その事実がやはり、重要なのだから。」

「親が無いなんて珍しくもなんともない。当たり前とまでは言わないしても、通う学校が公立なら誰もがそんな感じでしょう。」

「そう、その通りだよ。松本の子倅。珍しくもなんともないからこそ、そこにいる。しかしな、やはり貴重なのだ。治癒の能力というのはな。医学がどんなに進歩しようとも触れば忽ち傷が癒えるという能力は貴重としか言いようがない。そして、隠さねば狙われて然り。」

「話が、見えたわ。」と一ノ瀬。「守れ、と云うのでしょう?」



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