OPERATION6 大学入試~inportant trial~●
高校3年生、それは人生の分岐点に差し掛かる学年だ。ある人は大学や専門学校に進学し、またある人は高卒で就職する。私は前者だ。私の名前は伍代 紫音。大学への進学を目指している高校3年生。すなわち受験生だ。任務の合間に受験勉強をする日々を送っているため睡眠時間は1日あたり5時間、毎日のコーヒーは欠かせない。大学入試前日になり、特急で志望校がある祇園へ行き、予約しておいた旅館へと向かう。客室で受験勉強を行い、担任に言われたとおり早く寝た。
翌日、南祇園大学の受験会場に私の姿はあった。最初は比較的苦手とする国語で、これさえ乗り切れば次の科目からは余裕だろうが油断してはならない。それが受験だからだ。その後も私は問題を次々と解いていき、その日の夕方、全科目が終了した。入試は2日間に分けて行われる。2日目は小論文と面接があり、2時間かけて小論文を書き上げ、20分後に面接での私の番になった。面接を行っている部屋に入ると、試験官が3人座っていて受験する生徒用の椅子が一つ置かれていた。生徒用の椅子に座り、試験官のうちの一人が「それでは、あなたの受験番号、出身高校、名前を教えてください。」と最初の質問をして来て、私は「受験番号41番、私立一谷高校出身の伍代 紫音です。」と自己紹介をして次の質問に移る。「あなたの志望理由を教えてください。」と聞かれ、「将来、理系の仕事に就こうと思っているので少しでもスキルを身に付けたくてこの大学を志望しました。」と答えた。そんな感じで面接は続き、私の番は終わった。その後、旅館へ荷物を取りに戻り、チェックアウトを済ませて帰りの特急に乗った。
数日後、合格発表の日が来た。大学のサイトで合否を確認する。結果は合格だった。私は思わず嬉し泣きしていた。母さんに電話で「私、南祇園大受かったわ。」と報告した。母さんは喜んでくれた。父さんに報告の電話を掛けようとした瞬間にフューチャーギアの着信音が鳴った。応対すると零子さんが「伍代、怪人が出現したぞ。時間と場所は2035年1月18日午前2時17分、場所は旅館時雨から500m離れた地点だ。お前にとって一大事だろうからもちろん出撃するだろ。行って来い。」と言ってきたのでもちろん私は了解した。紫色の機体に黄色の単眼、そしてローマ数字の『Ⅴ』が青緑色に光っているフリートメイル「シー・デー・アイ」を装着し、時空艦「CDI・パープル・05」に搭乗してその地点へと向かった。なぜ潜水艦が空を飛んでるのか私は疑問に思っている。多分未来の技術だが現代でも通じるのだろうか気にしていると目的地に到着した。時空艦から降りて辺りを探索してると旅館の方から物騒な物音がした。駆けつけると怪人が中で暴れていた。私は中へ乗り込み「あなた、こんな所で暴れてどうするつもりなのかしら?」と問い詰めると、「はぁ、あんた確かフリート5ね。またあたしらの邪魔をする気?行くよ、子分達。この女を葬るよ。」と戦闘兵に合図をして一斉に襲い掛かってきた。すかさず鎌形のウェボン「ローマ」を装着し、敵を切り裂くが数が多い。このままではきりがないと思いつつ戦闘を続けると「お待たせしました、フリート5。」と、若草さんの声がした。「ええ、こちらは大丈夫よ。それより今はあの暴れ馬をどうにかするわよ。」と音頭を取る。だが相手はそれが気に入らなかったのか「誰が暴れ馬だって、カラフル集団。もうあんたらは生かして帰さない。ここがお前らの墓場だ時空保安庁の犬達ぃ!!」と返してきた。「特に紫の奴はあたしをこんなことにする原因を作ったからその苦しみを味わいながらあの世へ行きなぁ。」この言葉で私は最近の怪人たちの事を思い出し、事情を察した。「あなたが今のようになってしまった原因は理解してるわ。だけど私たちはあなたを倒さなければならないの。残念だけどあなたはここでおしまいよ。」と言葉を怪人に残した。だが怪人の方は「そんな、許してよお願い、あたしは一谷高校3年の沢木 美月。あなたが受かって私が受からなかったから妬いていたらこうなったって感じだよ。もうこんな力に支配されるのは嫌だ、頼むからその釜であたしの心臓を抉り出して殺してよ。」と涙した。本当は生かしてやりたいがこれは任務だ、殺すしかない。「今更なんだけど私の人生を狂わせようとしてたわね、そんな人には止めを刺すしかないわ。喰らいなさい、パープル・ブラッド・サイズ。」と技名を発して止めを刺した。これまで同様怪人は断末魔を挙げて爆散した。
帰ろうとしたその時、「見させてもらいましたよ、フューチャーフリートの皆さん。」と謎の女が現れ、続けざまに「私は大罪艦隊マリンギャング・嫉妬小隊 小隊長のジェラシアと申します。以後お見知りおきを。あなた達はなかなかやりますね。おまけにチームワークも良い。うちの小隊も見習いたいぐらいですよ。それでは今日はここで失礼しますね。次に会うときはそれなりに覚悟してくださいね。」と言い残し、去って行った。今のは何だったんだろうか、気にしつつ私たちは元の時代に戻った。
作者の湊です。現在2作品作っているんですが両立させるのは大変ですね。さて今回はいよいよ中ボスが登場しました。倒すのはいつになるんでしょうかね。次回は龍二の一人称視点です。