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時空艦隊 フューチャーフリート  作者: 湊 蓮
FILE2 嫉妬小隊の精神侵略~mind breakers~
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OPERATION5 聖地巡礼~hobby travel~●

 旅行には様々な楽しみ方がある。旅行先の料理を楽しむのもよし、観光地を巡るのもよし。僕は後者に当てはまるが他の人とは少し違っている。僕の名前は漆原うるしばら 蒼輔そうすけ。高校1年生だ。漫画が大好きな両親の影響もあってか自然とサブカルチャーを好むようになった。お盆と年末は都市部へ遠征に行く。目的はもちろんコミフェスだ。そのため普段はブログや動画投稿で遠征代を稼いでいる。そして長期休業を利用して聖地巡礼を2泊3日で行う。今回は前期のアニメの舞台となったところを回って行く。前期は舞台が冷帯州のアニメが過去と比べて比較的多かった。数的にも2泊で回るのに丁度良い。出発は1月4日、新年早々準備に追われる。趣味用の口座から必要な額を引き出し、着替えやら日用品やらを準備して4日の朝9時に家を出発した。特急と新幹線を乗り継ぎ、5時間かけて冷帯州に到着した。正直言って季節が冬であり、僕が住んでいる地域が寺藩倶の中では比較的温暖であるせいかかなり寒い。時刻は午後3時、昼食は駅弁で済ませ、第一の目的地である氷靈ひょうれい神社へと向かう。そこは「雪国の巫女」というアニメのモデルとなった神社だ。レンタサイクルで20分かけて神社へ向かい、参拝をした。三が日を過ぎているためか人は殆どいなかった。次に香瑠こうる商店街まで自転車で向かった。この商店街は「極寒ベースボール」という野球を題材としたアニメの主人公の実家があるという設定の商店街だ。シャッター通りだったらどうしようかと思ったがいろんな店が繁盛してて安心した。土産物を購入し、商店街の中にある宅配サービスで自宅に送った。

 今日の目的地は一通り回り終え、レンタサイクルを返却し、宿泊先のホテルへ向かった。到着後すぐに夕食を食べに近くの飲食店へ行き、その後は持参のスマートフォンでゲームをし、日記をつけた後風呂に入って、冷帯州の独立局でアニメの特番を見てから明日の予定を確認して眠りに就いた。

 翌日、朝食をとるため他の宿泊客と共に朝食会場へ向かった。朝食はバイキングで、少食の僕がこの場に居ても良いのだろうかと思ったが途中で抜け出せばいいだけだ。僕は自分のものを完食し、会場を抜けて自分の部屋に戻った。今日行く予定の場所はどれも鉄道を使わなければ行く事が出来ない。アニメキャラの缶バッジやキーホルダーがついたリュックを背負い、ホテル内のパソコンで時刻表を調べてから時間を見てホテルを出た。最寄りの駅に到着し、「エスケープ・ハイスクール」という高校生がゾンビと戦いながら脱出を目指すアニメの舞台のモデルである私立白夜びゃくや学園の辺りを散策するため電車に乗る。白夜学園前駅に到着し、いざ散策を始めようとしたらフューチャーギアから着信音が鳴った。応答すると、零子さんが「大変だ、怪人が出現した。出現時間は2029年8月13日午前11時21分、出現場所は目濠洲めほりすフォースクエアだ。漆原、出撃できるか?」と出撃命令を下し、僕は了解した。怪人の出現時間は僕が初めてコミフェスに行った日だ。思い出を破壊されてたまるかと思い、青い機体に桃色の単眼、ローマ数字の「Ⅶ」が赤く光っているフリートメイル「加賀かが」を装着し、時空艦「カガ・ブルー・07」に搭乗して目的地を2029年8月13日午前11時21分の目濠洲フォースクエアに設定して出撃した。目的地に到着し、怪人を探すがなかなか見つからず屋内で探していると突然ガスが放出される音がしてコミフェスの参加者が次々と倒れたり気分を悪くしたりしている。僕も気分が悪くなり確信した。これは毒ガスが放出されてるのだと。僕が悶えてると「ざまあねえな、フリート7セブン。これでフューチャーフリートは戦力が落ちる。お前の最期、見届けてやろう。」と外道な悪役の言う台詞と共に怪人とガスマスクを装着した戦闘兵が出て来た。「お前・・・何が目的だ・・・」と尋ねると、「それはなあ、お前のようなやつがお盆にこんな所にいるのに嫉妬しているからだよ。だからここで皆殺しにしてやるのさ。」と答えた。それを聞いて僕は「お前・・・もしかして誰かに・・・唆されたのか。」と聞いて、「ああそうだよ、俺は毎年お袋の実家に親子で行っているんだが退屈でな・・・目濠洲へ毎年コミフェスに行っている奴らが羨ましかったんだ。そうしたらいつの間にかそいつらを妬むようになってなあ。それでこうなったってわけだ。」と自分の想いを吐き出した。戦闘員を薙ぎ倒そうにも今の僕ではとても戦えそうにない。何としてでも戦おうと思い、立ち上がると、三田の時空艦「アタゴ・ピンク・03」が現れ、中から「蒼輔君、良かった、無事みたいで。」と僕の安否を確認して、フリート3スリーが出て来た。僕は「ああ、無事なんだが今の状態では戦えそうにない。」と返したが、怪人は「そのピンクの機体に茶色い単眼、それに青いローマ数字・・・さてはお前正月の未明バスを襲撃した奴に止めを刺した女か!」と3に怒鳴りつけてきた。「そうですけど、それで?」と3が聞き返して僕は時空艦に乗った。外から「おい、逃げるなこの野郎!」と怪人が喚き散らしているが無視して退却した。

 戦いの様子を知るために僕はライブモニターを作動させ、戦ってるところを映す。今の状況は3が手甲型のウェボン「猫又」で怪人を馬乗りになって殴りつけたり形状を鉤爪に変え内臓を抉り出すように引っかいたりしている。見てるだけで僕は蒼くなった。もしあの場に居たら「蒼輔君、怪人の内臓串刺しにして。」と言われ、僕の武器である槍型のウェボン「能登」でああいう残酷な事をせざるを得ない。それだけは避けたかった。吐きそうになりながらもモニターを見ていると左下の方から7人の人影が映りだした。こちらの仲間達だった。スピーカーからは「お前は相変わらず非道だな、フリート3。」やら「7は今撤退しています。どうやら毒にやられたようです。」やら「それでは皆さん、後始末を開始しましょう。」と聞こえていて、画面に怪人と戦闘兵に攻撃を仕掛ける8人とそれに応戦する敵軍団の姿が映っており、戦闘員は全滅、怪人は3のやり過ぎとしか言いようのない攻撃で衰弱している。そして9が止めを刺し、怪人は遺言を残して消え去った。

 僕は特効薬を飲み、回復した。その後2035年1月5日の冷帯州へ戻って旅行の続きを楽しもうと思ったら「俺らも今日だけ一緒に居させろよ」と龍二先輩に呼び止められみんな付いていくことになった。本当は一人で見て回りたかったがどうしてもと言うので仕方なく付いて来させた。ホテルで別れた後はスケジュール通りに行動できた。これからこういう事が毎回起こる可能性があると考えると気味が悪い。一体どうなるのだろうか・・・

作者の湊です。今回は殆どのアニメオタクが一度は経験しているであろう聖地巡礼のエピソードです。次回は紫音の一人称視点です。

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