OPERATION2 時空艦~future ship~
四葉の口から発せられた言葉を聞いて俺は「なあ四葉、その『大罪艦隊マリンギャング』っていうのはどんな組織なんだ?」と尋ねた。すると、零子さんが「知りたいのか?」と聞き、俺が「はい。」と頷くと説明に入った。「お前が今知りたがってた『大罪艦隊マリンギャング』とは、未来から侵略してきたならず者軍隊の事だ。7つの小隊に分かれていて、それぞれ『七つの大罪』を意味している。あと、忘れていたがお前の装備についての説明に入る。フリートメイルの個体名は『吹雪』。ウェボンの名前は『雪原壱式』。他にも軍艦型のタイムマシーンがあるんだが、放課後に時間が空いているのならばここに来い。格納庫まで案内する。」と言い残したところで予鈴が鳴った。
午後の授業を受け終わり、放課後に部室へ行くと零子さんが居た。「来たか玖城、今から格納庫へ行くぞ。付いて来い。」と言い、俺を格納庫へ向かわせた。「うわーこれは明日噂になるだろうなー俺が白衣を着た女性の跡をつけていたって。」と俺は道中で悟った。そして歩くこと15分、格納庫に到着した俺を待っていたのはメイルと同じ白色の機体を持つ軍艦だった。「これが未来のテクノロジーで作られた時空艦『フブキ・ホワイト・09』だ。出番が無ければ良いんだがな。と言った瞬間、昨日の警告音が鳴った。
「また出現しやがったのか!?時間はいつなんですか!?」と言うと、零子さんは「出現時間は2018年2月8日午前6時49分14秒、出現場所は凪浦総合病院より8㎞程東に離れた地点だ。」出現時間と場所を聞いて俺は驚愕した。なんせ俺が生まれた病院は母さん曰くその病院だったからだ、しかもその日は俺が生まれた日の前日だ。このままでは俺が生まれたという事実が無くなってしまう。そう思った俺は「零子さん、俺、出撃します!!」と言い、メイルを装着し、時空艦に乗り込んだ。船室へ入ると、そこには座席と舵がぽつんと置かれていた。舵の中央部分にはテンキーとタッチパネルがあった。おそらくこれで行き先を指定するのだと確信した俺は操作をした。そしたら、予想は的中し、時空艦が前進した。それと同時にシートベルトが自動で装着された。トンネルらしき空間に入ると時空艦がものすごい速度にまで加速し、光に包まれた。光を抜けると、そこには地上13階建てぐらいの建物とその近くに学校やら警察署やらが見えていた。多分あの地上13階建てぐらいの建物が凪浦総合病院だろう。俺は時空艦を降りて病院内に入ると中は荒れ果てていた。観葉植物は倒れ、ガラスは割れ、消火器は壊れている。「おいおい、これは酷いな・・・」と呟きながら俺は先を急いだ。エレベーターはこの緊急時なので使えなかったから階段を駆け上がっていると、6階で男の看護師が患者に対して「急いでください、非常階段まで誘導します。」と呼びかけている。その様子に安心した俺は、看護師に対して「あのー、玖城 雪乃さんの病室はどこでしょうか?避難させたいんですけど。」と母さんの病室の場所を尋ねた。すると、階段から怪人と戦闘兵の集団が降りてきた。俺を見つけた怪人は驚いたかのように「アッ、オマエハ!!」と言った後、「ヨクモオレノアイボウヲ、ヤッテクレタナァ!!」と俺に恨みをぶつけるかのような発言をした。俺も「はあ、わざわざ返り討ちに遭いに来たっていうのか?」と嫌味っぽく言った。それが起爆剤となったのか「オマエーーーゼッタイマッショウシテヤルーーー!!」と怒り狂ったかのように叫んだが俺の背後から足音が聞こえ、病室の扉の開閉音が聞こえた。すると、怪人の右肩に向かって光の銃弾が放たれた。その直後にフューチャーフリート隊員が全員飛び出してきた。「遅れてすまねえ、フリート9。」と龍二が声を掛けた。「こっちこそ心配かけてすまない、フリート2。」と返した。誰がどのコードネームかは昨日の歓迎パーティーの時に教えてもらった。法則性があったから覚えるのは簡単だった。9人全員そろったことでやっとあの集団とまともに戦えるようになった。けど俺は怪人どもに対して怒りを覚えている。あいつらの所為で俺は生まれたことが無かったことになってたかもしれないからだ。「おい手前、よくも俺の存在に関わる事しやがって。そんなやつ俺らが始末してやる!!」といかにも「おまえを倒す」って言ってるような台詞を相手に向かって吐き、剣を向けた。まずは20人ほどの戦闘兵を次々と薙ぎ倒していき、とうとう怪人一人になった。そして、「人様の存在に関わる事をした罪は重い。あの世で詫びろ!はぁぁぁぁぁ!!」と怪人に止めの一撃を刺す。すると、昨日みたいに怪人が断末魔を挙げた。
そして元の時代に帰ろうとした時、謎の音が聞こえた。どこから聞こえてるのか分からないでいると、四葉が「ここを押せばいいんですよ。」と、フューチャーギアの黒電話が描かれたボタンを指し示した。言われたとおりにすると、零子さんの声が聞こえた。「玖城、2回目の戦闘、よくやってくれた。さて、帰る方法だが、フューチャーギアのCと書かれた黄色いボタンを押せ。そしたらお前がどこに居ようと時空艦がお前のもとへ自動運転でやって来る。なお、格納庫へは舵のRボタンを押せば行き先に設定されるぞ。」と言い、俺は黄色いボタンを押した。すると、外に俺の時空艦「フブキ・ホワイト・09」が現れた。俺はそれに乗り、元の時代へ帰った。他のメンバーも俺に続いて自分の時空艦を呼び出して元の時代へ帰った。
作者の湊です。OPERATION2はOPERATION1を前編だとすると後篇に当たります。次回は駿八の一人称視点です。
ちなみに白斗は翌日、噂されませんでした。理由は通学用のスポーツバッグを肩に掛けていたため、帰宅するのだと思われていたためです。