OPERATION0 プロローグ
2034年5月 寺藩倶共和国にて原因不明の変電所爆発事件が起こった。どうやら変電所付近の電柱の先端にも爆発物が仕掛けられており、これによって約40万世帯で停電し、電車も運行を見合わせるかなりの大惨事になった。結局犯人は捕まらなかったが、実はならず者海軍の「大罪艦隊マリンギャング」に7つある小隊のうちの一つ「怠惰小隊」による犯行であった。どうやら小隊長である「怠惰小隊長ニト」がかなりの無気力怪人であり拠点に居ながら大量の人々を苦しめる方法を模索した結果、これに行き着いたのである。
2140年、マリンギャングの拠点艦「ギルティベース」では「申し上げますニト小隊長、2034年変電所爆破作戦は成功しました。」と部下が成果の報告をする。そして「そうかー、良くやったなー。」と気だるそうな返事が返ってきた。部下はそんな上司に対して「あの人で本当にうちの小隊やっていけるのか?」「さあ・・・」とかいう陰口を言い始めた。正直言って不安の一言に尽きる。
2029年2月、女性ばかりを狙った通り魔事件が別の町で起こった。これは小隊の一つである「嫉妬小隊」によるものだった。よくまとめサイトで旦那の元カノに刺される女性がいるがこの事件はこれに似ても似つかない。部下が自分たちの上司にあたる「嫉妬小隊長ジェラシア」に成果の報告をしようと小隊長室に入るととても話しかけられない状況に置かれていた。それは殺気を纏ったジェラシアが居たからだった。部下たちは思わず部屋から逃げるように出ていった。
こうして、「大罪艦隊マリンギャング」の侵略計画は進行しているが、時を同じくして「時空保安庁」も動き出した。時空保安庁の総司令官であるツカサ・アマミヤは科学部門のエリートであるレイコ・トウノを2034年3月に送り込み、その時代で隊員を集め、一緒に時空を守るようにという指示を送った。
そして、2034年11月30日に普通の少年の日常生活を揺るがす事件が起こるのだった・・・
初めまして、作者の湊です。ヒーローものの小説を書きたかったので本作の執筆に至りました。次回から本編に入ります。
ちなみに本編では名前が漢字表記だが今回では片仮名表記のキャラが居ます。