〜ハートレスラブ無しコメディ〜 【女医 四之腹佐乃 哀の病院日誌】
【女医 四之腹佐乃 哀の病院日誌】 #6 おしゃまな新キャラ 看護士の苦見ちゃん登場!
【初対面 佐乃っちゃん vs 苦見ちゃん】
佐乃が勤務する小児科病院に新しく参加することになった木村苦見は先輩看護師たちから色々と"レクチャー"を受けていた。
「あのセンセイはヤバイらしいよ。苦見ちゃんの担当でしょ、気をつけたほうがいいよ〜」
「怖いって有名だからね」
そう、この病院の小児科医 佐乃のことだ。
苦見を脅かすかのように皆ウワサを口にした。
ところが、具体的にどこがアブないのか、有名なエピソードは、と聞いても皆うまく答えられないのだ。
「ふ〜ん、そうなの。じゃああたし試しちゃおうかな〜」
名は体を表す。
文字通り、『苦しんでいるのを見るのが好き』なオンナ、苦見ちゃんは面白半分に脅かす先輩たち誘いにあえて乗ってみた。
「センセイ、失礼しま〜す。お荷物届いてました」
苦見は佐乃宛の小包を手に診療室に入っていった。
ああ、とだけ小さく答えた佐乃は小包を受け取った。
苦見は興味深く佐乃をしげしげ観察した。
「背デカ! 確かに見た目変だよね。白衣の下に革ジャン革パン。やたら目ヂカラあるし。
でも、騒ぐほどじゃないじゃない。みんな大げさだな〜」
差出人を確認するや佐乃はロングブーツからなんと山師が愛用してそうな刃渡り20センチ超の鉈を引き抜き、小包の包装を叩き切った。
「ゔぇえ⁈」
驚きのあまり、さすがの苦見も声にならない音を発していた。
佐乃が中身取り出すと出てきたのはカナブン10数匹のカゴ。
「‥‥‥仕方ないな」
カナブンカゴをそのまま自分のデスクに飾った。
「ええっ、受取りオッケーなの⁈」
得体が知れない。侮れない。
初出勤にして苦見は自分よりも上手であることを認めざるを得なかった。
小児科医院に風雲急告げる。