第三話:プレシーズンマッチ
キャンプも終わり、シーズンまで残りわずか。
ユナイテッドも開幕へ向けての準備を、着々と進めていた。
そして今日は、プレシーズンマッチ。一部所属の大宮アウローラとアウェイで対戦する。
同じ県にあるチーム同士ながら、ユナイテッド側はあまり観客が入っておらず。アウローラサポーターの歌声が響いている。
「うわぁ…これが一部の応援か。」
「緊張してんのか。」
「カズさん。」
片桐が緊張するのには訳があった。
30分前…
「今日のメンバーを発表する。」
皆本監督の声がロッカーに響き渡る。
選手の間に緊張感が漂う…。
「キーパーは手塚」
「センターバックは右に椎名、左にトーレス」「右のバックに鈴木、左は佐藤」
「ボランチはドイスボランチ。右に成田、左に河野」
「右ハーフに片桐、左ハーフにヨルン。」
「ツートップは右にパク、左にカズ。」
スタメンは以上だ。
「俺がスタメン…。」
「やったな。ルーキーでスタメンなんて、凄いじゃねぇか。」
「鈴木さん…ありがとうございます。」
「まぁ、気持はわかるけど、あんまり緊張するなよ。」
「ハ、ハイ。」
そして戦術について話があったあと、主将の椎名が
「よっしゃ、格上だろうがなんだろうが、走り負けんな。勝つのは俺達だ。行くぞ。」
と激を飛ばす。
『オ〜』
こうしてユナイテッドのイレブンが、大宮サッカー場のピッチへと散って行った。
いよいよユナイテッドのシーズンが始まる…。




