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ダンジョンマスター始めました。  作者: 長谷川 勉
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9話

「がぅ~~」(マスター大変だ大変だ~)



今、俺達は森から海に出た場所から3日南下した所に河口を見つけ其処から上流にさかのぼり

始めてから五日の所に着ていた。

その間たくさんの水棲生物や使えそうな植物を見つけたが交流できそうな魔物や人は、

まだ見つかっていない。



「どうしたんだいハチベエ、今度は大きな魚でも見つけたのかい?」


「クギャ」(この前はリザードマンだって言ってただのオオトカゲだったしな)


「ごぶ」(その前はシーサーペントだって言ってただの海蛇だったしね)


「がう」(今度は本物!本当にリザードマンなんですって~~)


「まあまあ ハチベエ落ち着きなさい。とりあえず気付かれないようにそっと近づいてみよう

 じゃないか。5名ほど一緒にきなさい。残りは此処で待機しててくれ」


「ゴブ」(マスターお気をつけて・・・)



皆から離れ1kmぐらい迂回して森側から覗くと蛇行した河の膨らんでいる所で今は水が引き

葦のような丈の長い植物が生い茂った河原のような所だった。



「ハチベエ何も居ないじゃないか」


「がう」(葦の中を見ていてくださいよ~。たまに見えるはずっす)



見た感じ何も居ないような感じだ。

耳を澄ましても鳴き声も聞こえない。



「ゴブ!」(あ!あそこ!)


「ごぶ?」(ん?どこだ?)


「ゴブ!」(ほらあそこにチラッと見える。あぁ~隠れちゃった。」


「何処何処? あそこら辺?」



言われた場所をじっと見ていると 爬虫類のような鱗がチラッっと見えた。



「お?何か居るね~でも鱗があるからってリザードマンとは限らないんじゃない?」


「ゴブ」(そうですね。向こうの数も解りませんし、このまま接触するのは危ないんじゃ?)


「そうだね~ ハチベエちょっと行って皆を呼んできてくれ。こちらに来る時は森を抜けて

 くるようにね。当然、近くまで着たら音を立てない様に気を付けてくれ」


「がう」(解りました~ひとっ走り行ってきますゼ~)



そのまま葦の中に居る爬虫類の観察を続けるとグレーの鱗で大きさはゴブリンと同じぐらい。

リザードマンとしては小柄だから子供かもしれない。

数は多くなく認識できるのは2匹ぐらいだ。初リザードマンだから個体の区別がつかない。



「ゴブ」(皆が着たら仕掛けますか?)


「クギャ」(囲んで逃がさないようにしましょうか?)


「そうだね~少し大きく囲んで逃がさないようにして、ゴブ五十七郎くんとハチベエと俺で

 近づき対話を試みてみよう。初の知的生物かもしれないし。敵対するのは何時でもできる

 からね~」


「ゴブ」(そうですね~この土地の話を聞けるかも知れないですからね~)


「がう」(マスターお待たせしました~)


「はいお疲れ~んじゃゴブリン一斑は右、二班は左、三班は俺らの後ろに展開して囲んでって

 コボルトは一組は右、二組は左に展開して後ろに回りこむように動いてね~」


((((了解です))))


「んじゃ合図したら作戦開始ね~」



俺達は慎重に葦を掻き分け歩いていく。

足元は思ったより柔らかく場所によってはぬかるんでいる。

俺が走ると足を捕られて転びそうで心配だ。

と、考えていると不意に周りのゴブリン達が走り始めた。

慌てて俺もそれに続いて走り始めるとゴブリン達が大きく囲んでる中央に三匹のリザードマン

が銛を構えて震えているのが見えてきた。体の細さからして子供なのかな?

俺は追いつくと囲みより少し前に出て会話を試みた。



「今日は、言葉は解りますか?」



リザードマンは震えるばかりで応えない。



「こんにちわ~俺達は貴方達を攻撃するつもりはありません。言葉がわかるなら応えてくださ

 い。」


「ぐう」(な・なんだ、お前達・・・ 俺達をどうするつもりだ・・・)


「お?言葉が通じるね~俺達は森に住むゴブリンとコボルトだ。」


「ぐう」(そんな事言ってお前は人間じゃないか・・・・)


「あ~確かにそうなんだけどね~ここに居るのは君達だけかい?他には居ないのかい?」


「ぐう」(村の場所を聞いてどうするつもりだ。攻め込むのか?・・・)


「あ、村もあるんだ。んじゃ俺達は森に住んでるんだが話し合いをしたい。森の近くに野営し

 てるから話をできる大人を連れてきてくれないかな?」


「ぐう」(俺達だけで行っていいのか?解ったつれてきてやる)


「んじゃお願いね~村まで遠いのかな?二・三日なら居るけどそれ以上遅くなるならまた今度

 くるからよろしくね~んじゃみんな道を開けてあげて~」



子リザードマン達は震えながら河のほうに歩き始め、囲みから離れると駆け出して行った。


「がう」(マスター行かしちゃって良かったんですか?大勢連れて来られちゃうかもしれませ

     んゼ?数来られたらこの人数じゃやばいですゼ?)


「ゴブ」(そうだな。警戒は必要だな。河方面に一斑毎に交代で見張りを置いて警戒させよう)


「がう」(んじゃコボルトも組毎に協力させますね。)


「よろしく~。来るのにどのくらい掛かるかね~」


「ガウ」(戻ってくる時間で村までの距離も予想できますね。)


「とりあえず野営して待ちますか。二・三日は狩りをしなくても食料は足りそう?」


「ゴブ」(五・六日はいけますがそれ以上は・・・)


「んじゃ4日目の朝までは待ちますか。」






俺達は4日の昼まで待ったが結局リザードマン達は来てくれなかった・・・・


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