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ダンジョンマスター始めました。  作者: 長谷川 勉
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三十四話


翌日、起きてみると部屋の真ん中辺りにグラントさんが困った顔をして居てキース

さんとダントさんは背を向けて顔を合わせない様にしている。



「おはようハジメ殿、二人をどうにかしてくれ・・・」


「おはようございます。あちゃ~まだ喧嘩してるんですか・・・んで原因は何なの

 ですか?昨日は転寝から起きたらもう殴り合ってて俺も知らないんですよ」


「それがだな、キースさんはダントさん達が木を燃やして金属を作ってる事が

 気に入らないらしい。」


「あ~今や鍛冶はドワーフのライフワークですからね~そこを否定されてダントさ

 んが怒ったってところですか~」


「木を大量に燃やすなんてありえん!育つまでどれだけ掛かると思ってるんだ!」


「発展には金属加工物は欠かせない。わしらは獣じゃなく人だからな。獣のような

 生活もうはできん!」


「フン!姿形は毛だらけの獣人みたいなものだろ」


「なにをこの青虫が!」


「あ~まてまて喧嘩を始めるな!・・・起きてからこの調子でな・・・」


「あちゃ~~ キースさん鍛冶で燃やす木は資源として重要です。重要だからこそ

 森を全て切り開いて使うわけじゃなく、木の成長を阻害するような密集してる所

 とか、増えすぎてる枝とかを払って使ってます。そして木が少なくなってる所は

 植林をして木が無くならないようにもしてます。」


「伐らなければ植える必要は無いのではないですか?木の成長には時間が掛かるん

 ですよ?」


「それでも俺達が生活する為には燃料が必要です。生きていく為に木を材料にする

 しか無いんです。そして木が無くなると生活が出来なくもなるんです。」



俺の話を聞いてキースさんは考え始めた。

森と共に生きている彼は思うところがあったのだろう。



「気が向いたら村に見学に行ってみてください。俺の名前を出せば警戒されず案内

 もしてもらえるかもしれません・・・。

 キースさん招待ありがとう御座いました。また何処かでお会いしましょう。」


「・・・道中、御気をつけて。良い旅を」



俺達は野営をしている皆の所に向かい朝食を取ってから先に進むことにした。


新しい出会いは個人だったので交流だけで終わってしまったが、この地には他にも

意思を交わせる生物がいるみたいだし、今度こそ村との交流できるだけの集団が居

たら・・・俺と個人的な交流できる女性を持つ種族が居たらいいのに・・・



「ハジメ殿この先はどうする?森を西に内陸に向かっていくのか?」


「いや・・・このまま荒野沿いを北に進みましょう。荒野の北端あたりを確認して

 その先を目指します。」


「北には何があると?」


「さぁ~?でも北の基本的に涼しい所にしか育たない植物や動物も居るんじゃない

 かと・・・」


「なるほどな~」





荒野を時計とした時8時の辺りから入り10時半あたりでキースさんと出会い

1時ぐらいの所から北に向けて森に入っていく。

森は思ったより木がまばらで雑草や藪のほうが多かった。

もっと東に行けば森が切れて草原になっていたかもしれないが諦めて藪を切り倒し

て進んでいく。虫やヘビが多いようだが皆のオヤツになっていたようだ。

草を切っているゴブリンの口からヘビの尻尾が垂れていた。

ヘビはまだしも虫を勧めるのは止めて欲しい・・・



「ゴブ」(マスター本当に食べないんですか?美味いですよ?)


「いらんいらん・・・俺は種族的に虫は食べられないんだよ。)


「がう」(へ~朽木に入っている虫なんかすっごく美味しいのに残念ですね~」


「わたしもウネウネしてる虫は、生ではダメ~~」


「がう」(んじゃ何匹か後で焼いて食べる用に残しておくね。」


「うん、ありがと~」



うわ~ 焼いてればジャスも食えるんだ・・・

皆の食生活にゲンナリしながらも確実に先に進む。



「ゴブ」(この先で森が終わってます。藪が多い草原になりはじめてます)


「遂に森を抜けたか・・・動植物が変わってくるから良いものがあるといいな~」


「ガウ」(狼が多くなってるみたいなので 注意してください)


「狼は肉が硬くて美味しくないんだよね~あたしは熊のほうがまだ好きかな~」


「皮は共に使えるんだけどね~なめしてる時間が無いけど・・・」


「ゴブ」(傷が少ないものだけ残すようにします。)


「集落があれば皮と交換できるかも知れないんだけどね~」







今回の探索で1年ぐらい『死の大地』の北側を探索したが結局集落は見つからなか

ったが湖や川以外にもトナカイを見つけた。ソリを引けるぐらいだから馬の代わり

に荷台を引くのに有用だろう。数頭捕らえることができて荷台を引かせてみたり、

ジャスが乗ってみたりした。三国志で有名なセキトバは実はトナカイだったって説

もあったはず。騎乗動物としても有用だろう。


その後、北に住むトナカイの確保の為に新しい港や村の整備を進め少しずつ保有数

を増やし、大きい雄のトナカイはオークや巨人族の騎獣としても使われるように

なっていき皆の行動範囲が大きく広がり、ダンジョンのある山脈より東側全体が

開発されていった。


樹人との再会は無くキースさんも別のところに行ったらしい。

山脈の東側で見かけてないので西側に行ったのだろう。



それにしても・・・

人族は滅んでしまったのだろうか・・・

それとも山脈の西になら俺の嫁は居るんだろうか・・・・・・



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