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ダンジョンマスター始めました。  作者: 長谷川 勉
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三十三話

「どうぞお召し上がりください。」


笑顔のキースさんが食事をご馳走してくれた。

メニューは・・・・・・

・木の器に載せられた何かの葉っぱの盛り合わせ。

・固めの葉っぱの上に乗った何かの木の実

・木の湯のみに入った何かのお茶     

以上の3種だった。


笑顔のまま勧められたので恐る恐る口に入れると木の実は渋く、葉っぱは青臭く

飲み込むのにも苦労し、お茶で流し込もうと口に含むとお茶の苦味と葉っぱの

青臭さが口いっぱいに広がるようだった。

他の皆は気になってないのか?と思い、隣を覗き見るとみんな同じような顔をして

顔をしかめていた。


俺達の前には葉っぱを2・3枚纏めて掴むとまとめて口に入れ、口に入りきらなか

った葉っぱをワッシャワッシャと平気な顔をして食べているキースさんがいる。



「おや?口に合いませんでしたか?」


「いや~俺たちは基本的に肉なので、植物の葉っぱや木の実はあまり食べられない

 んですよ~~」


「そうなのですか?わたしの種族は基本的に草食なんですよ~これは失礼しました

 。」



言い訳をしていると隣に並んでたダントさんがブタの乾燥肉を取り出し、焼酎を

お茶に入れて飲みはじめた。



「お? これはなかなか良いな~」


「そうなのか?ダントわしにも焼酎をくれ」


「おや?それはなんですか?イモから作ったお酒?ほう~わたしにも少し・・・

 おお~これは、これで美味しいですね~」



そしてお茶焼酎を飲みながら俺たちは手持ちの肉の燻製やドライフルーツを食べて

食事をしながらの情報交換をし始めた。



「ほう~荒野の先はそんな風になってるのですか・・・」


「ところで、キースさんは此処に一人で住んでるのですか?」


「そうですね。わたし達の種族は森に散らばって少人数で住んでいますので

 ここら辺に住んでるのはわたしだけになりますね~」


「そうなのですか・・・俺たちは見ての通り色々な種族が協力して暮らしてまして

 今回の探索は協力・交流できる新しい種族を見つけるってのも目的になってるん

 ですよね~。そこのダントさんなんかは遠い西の地で土と共に暮らしてる所を見

 かけ交流によりうちの町で暮らすようになりましたし。」


「ほう~土と共にですか~素晴らしいですね、土が良くなければ木は育ちませんか

 らね~」


「お、土の良さが判るか!」



ダントさんがニコニコしながら話を聞いてる。



「それでエントさん何処か近いところに集落はありませんかね?」


「う~~ん、近いところですか・・・この辺りにはありませんね~わたしは森から

 出ませんので詳しくは判りませんが・・・」


「木は人と獣に恵みを与えてくれる。木を育ててる樹人達なら別種族も見かける

 かもしれんのう」


「木のことを知ってますね~樹人を見かけたらキースの知り合いだって事を伝えれ

 ば協力して貰えるでしょう。伝えてみてください。」



更に雑談を交え追加の酒と肴をコウタとジャスに運ばせ、酒宴を始めた。

話は今までの冒険の話から今までの出会いや、樹人達の生活環境や趣向など多岐に

渡り、4人で夜が更けてくるまで飲み続けた。

そして俺がちょっと転寝をしていた時いきなり衝撃がきて慌てて周りを確認すると

グラントさんは俺と同じように酔い潰れてイビキをかいており

ダントさんとキースさんは・・・・








殴り合っていた。



「ちょっと! 何してるんですか!!まってまって!落ち着いて!!」


「この耳まで長いヒョロ長が!」


「何をこの!短足のチビの ヒゲだるまが!!」



二人が掴み合い揉みあいになってる間に入って止めてみたが 止まる様子が無い。

と、いうより俺も殴られそうになった。



「葉っぱばっかり食わせやがって青臭いんだよ!!」


「お前らは本当はモグラの獣人だろ!体の体毛だけ無くなって頭部だけ毛むくじ

 ゃらって、どんな進化だよ!!」


「俺達の自慢のヒゲをバカにしやがって!もう許せねえ!この葉っぱばかり食って

 る青虫みたいな癖しやがって!!叩き潰してやる!」


「虫とはなんだ 虫とは!!!」


「ちょっとグラントさん!起きて!喧嘩を止めるのを手伝ってよ!!」


「んあ?」



俺一人では止められそうも無かったので寝ているグラントさんを揺り起こすと

起きだして喧嘩をしている二人の下に向かい徐に二人の頭を掴むとお互いの頭同士

をぶつけた。

その一撃で二人は気絶して縺れるように倒れてしまい、倒れたのを確認したグラン

トさんはその近くで寝始めてしまった。



「あ~あ~・・・どうすんだコレ・・・・まぁいいや、寝よ。」



俺は気絶してる二人を少し離した所に転がしてから、皆と一緒に雑魚寝することに

した。


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