三話
「よしこれから 開放するコボルトエー小隊は前、ビー小隊は後ろに散開、敵が居ないか索敵
しろ。ゴブリンイチ中隊はその後出口周辺にて警戒ニ中隊は出口までの通路の草原エリア側
で待機合図するまで待て!」
俺はドキドキしながら出口を開放した。
それと同時にコボルトが飛び出して行き続くようにゴブリン達が出て行く。
5分ほどの長い沈黙、耳を澄ましても戦闘音も聞こえなかったので護衛を引き連れて20mほど
の通路を歩き、出口から出て行く。
そこは眩い世界だった。
出口は岩壁に口を開けていて、全方向警戒する必要がなさそうだった。
前には種類のわからない木々が生えていて根元にはやっぱり種類のわからない草が生えていた。
耳を澄ましても、配下達の動き回る喧騒しか聞こえず・・・
いや、遠くで鳴く鳥の声が聞こえる。
「よしゴブリンイチ中隊イチ小隊は前方、イチ中隊ニ小隊は右方向、イチ中隊サン小隊は左に
警戒しながら30歩ほど進んで待機、コボルトビー小隊エー班は前方、ビー小隊ビー班は右、
ビー小隊シー班は左にてゴブリン隊と共に行って警戒索敵しろ。何かあったらすぐコボルト
一名を連絡によこせ! では行け!」
森の中には大型肉食獣も、敵となるもののとりあえず見つからなかった。とりあえずは安心し
たが、まだ安心できないだろう。その後ゴブリンニ中隊も呼び全部隊で100mぐらいまで索敵
させたがとりあえず敵は居なかった。
「大丈夫そうだな」
「ゴブ」(そうですね・・・・)
「とりあえず武器を持ってないやつが多いから棍棒や槍替わりになりそうな木の枝や石でも
探させるか・・・後、食えそうな物も探させろ」
「ガウ ガウガウ」(へい、 よい皆に伝えに行くぞ)
「それにしても開けて無いから畑を作るには向いてなさそうだな・・・開墾するにも木を倒せ
ないし・・・・まぁ後で考えるか・・・」
「クギャ」(スライムが食べてくれないすっかね?)
「いや、そりゃ無理だろ~松明を近づけても生木じゃ燃えないだろうし・・・」
森を駆け抜けコボルト達が何匹か戻ってくる。
「ガウ」(ネズミやヘビなんかは居るみたいですが特に敵は居ません。どうしますか?)
「そうだな~ではコボルトビー小隊は組ごとに散開して常時警戒エー小隊は戻ってきて休憩
ゴブリンニ中隊は班ごとに散開し警戒 イチ隊は出口周辺で待機休憩しろ」
「がう」(わかりました~)
「護衛してた皆はここの周辺で燃えそうな枝、投げられそうな石を集めろ」
((((はい)))))
その後は交代で狩をしたり、果実を集めたり、出口周りにゴブリンの集落を作ったり石槍を
作ったりで 瞬く間に日々が過ぎていった・・・・
「カー、カッカカカー」(鹿が居ました~それ以外は異常ありませ~ん)
「ゴブ」(肉だ 狩にいくぞ~)
「ゴブゴブ」(よしコボルトにも手伝ってもらうか~呼んでくるぜ)
「ごぶごぶ」(やったね父ちゃん、今夜は焼肉だね)
「ゴブゴブ」(あはは、任せとけって父ちゃん達がんばってくるからな~)
「ゴブ」(お前そんなこと言ってこの前、鳥に逃げられてたな~)
「ゴブブ ゴブゴブゴブ」(ありゃしょうがないって~ やつら飛んで行っちゃうんだから~)
((((あはははは~))))
カーカー言ってるのはポイントを集めて呼んだ闇カラスだ。
やっぱり空からの索敵は必要だからがんばって呼んだ配下だ。
たまに 遠くに熊を見つけたって報告があるだけだ。此方から離れていったので命拾いした。
湧き水が見つかったからスライムの一部をそこで繁殖させたり、
狩をして逃げられたりしてただけだ。
平和だ・・・平和だけど・・・・なんか違くない?