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ダンジョンマスター始めました。  作者: 長谷川 勉
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二十三話

巨人族がこちらの村に移動し牧場や建築作業などの力仕事にて食料収入の糧を得て

向こうの巨人族エリアまでの配下の生活圏が増えて行き各地に移動する為に大型船

も改良されより大きくなったり荷馬車なども開発されていった。

安定した生活は巨人族にも余裕をもらたし、その数を増やしていくことになった。


各地に移住し安全地帯を得た配下達は徐々にその外に広がり新しい生物や植物を

を発見しより食生活の向上を見せ、一部の無謀な若者は名声や新たな資源を求め

巨人族エリアの先にも探検していったらしい。




そんなある日の事だった・・・


その日、俺は山の中の鉱山エリアに来ていた。

金属の需要が増えた為、巨人族で採掘・鍛冶に通じてる人を招き現状を見てもらう

為だった。



「俺らには鍛冶師や採掘技術が無いので大して量が作れませんが此処で金属性の

 斧や工具などを作っています。」


「フム・・・まだ山を深く掘ってないんだな?」


「そうですね表面にあるコボルトが掘れるところまでですね~」


「なるほど・・・巨人族でも採掘や鍛冶に詳しい者が居るだろうし探してみよう」


「蒸留も造船も増やせるようになるので是非ともお願いします。うちらは人数は

 居ますが技術は無いんですよね~。」



オオオオオオオオ~~~~


急に何者かの雄たけびが周りに響いた。


「がう」(大変ですオークが攻めてきました。死人は居ませんが怪我人が出始めて

     ます!!)


!!!


「ゴブ」(すぐにカラスを飛ばして応援を呼べ!敵は何人だ!!)


「がう」(今は門と柵で抑えてますが門の前に150名ぐらい来てますです!)


「よし!案内しろ!」



鉱山エリアは山の獣が急に紛れ込むと危ないので木の柵壁を作り門から出入りする

様になっていた。

俺達が門の前に行くとそこには木や石から削りだした棍棒を持つゴブリン2倍の

大きさを持つオークが集まりこちらに威嚇しているところだった。



「フゴ」(小さきゴブリン共!門を開けてオレ様に跪け!オレ様はこの山の北を支

     配しているブルゴニ様だ~~我が配下になれば命だけは助けてやる。

     さっさと門を開けやがれ!!! 降伏して俺様の支配を受け入れろ!」



他のオークは薄いピンクだが一匹だけ色が濃くなり赤みが増しているオークが

前に出て怒鳴り声をあげていた。


 

「お~オークだ・・・まるっきり立って歩くブタだな。イノシシタイプじゃないん

 だね~~」


「ガウ」(マスターのんびり感想を述べてる場合ですか!)


「ハジメ殿 わし等が打って出ようか?」


「ウーン・・・・先ずは話してみますか~」


俺は門側にある見張り櫓に登りオークのブルゴニに話しかけてみた。


「や~こんにちは君達は何をしに此処へ? オークは始めてみたんだけどやっぱり

 居たんだね~結構繁栄してるのかい? 」


「フゴ」(ニンゲンが居やがったか! オレ様ブルゴニ!世界の王になるものだ!

     こんなチッポケな集落しか築けないお前らには考えられないだろうが、

     俺には500を数える部下が居る!こんな小さな村は何時でも潰せるぞ

     ! サ~門を開けて跪け!食い物と女を寄越しやがれ!降伏してオレ様

     の支配を受け入れろ!)


「へ~500も居るんだ~でもこの辺には居なかったよね?遠くからきたの?」


「フゴ」(俺らはこの岩山の北を支配している!伝令も出して援軍も呼んでいる。

     逃がす気も無いが逃げることも出来ないぞ!)


「北か~北は人族が居たんじゃないの?」


「フゴ」(やつらは俺たちとの戦争で滅びやがった!!

     早く門を開けろ!!お前らも滅ぼすぞ!!!)


「うーん・・・ちょっと待っててね~」



俺たちが知らない情報を持ってるようなので、しゃがんで警備隊のゴブリンや巨人

族たちと相談する。



「ヤツら人族の行く末を知っているみたいだな。ハジメ殿どうする何名か捕らえる

 か?」


「ゴブ」(此処に戦えるものが200、もうすぐ援軍も来るでしょう)


「そうだね~殲滅も出来るけど出来るだけ話を聞きたいね~もうちょっと話してみ

 るから合図するまでは攻め出ていかないでね~」



「オーイ、ブルゴニ君世界の王になってどうするつもり?」


「フゴ」(そんなものは王になってから考えることだ!それよりニンゲン!数は居

     るのか?女は居るのか?女を差し出せばお前だけは優遇してやるぞ!)


「ニンゲン・ニンゲンって言うけど俺はダンジョンマスターだから人間なのかな?

 独り不老で生きてるから微妙なところなんだよね~」


「フゴ」(何!ダンジョンだと!?よ~しダンジョンを明け渡せ俺が使ってやる)


「マスターって渡せる物なの?やり方は?」


「フゴ」(そんなものはお前を殺せば良いだろが!よし!突き破るぞ皆殺しだ!)


「それを君達は出きるかな~~」



俺の言葉と共に南からカラス達が飛んできて、ダチョウや牛の鳴き声が聞こえる。

そして、たくさんの足音が周りに響き森から次々と飛び出してきた。

その数は100を越えダチョウの上にはゴブリンが槍を構え、コボルトは物陰から

走り寄り背負っていた槍を構え始め、オークを囲むように展開し まだまだ騎乗を

してないゴブリンやリザードマン、そして牛に跨りやってくる巨人族と増える一方

だった。

オーク達はダチョウの声に慄き、展開し始めたコボルト達に動揺し、

増え続ける戦力に怯え始めていた。



「フゴ」(な・何人居やがる・・・)


「うーん・・・とりあえずは1000ぐらいかな?」


「フゴ」(とりあえずだと?)


「そう~戦が始まるならすぐ集められるのが3万ぐらいかな?

 総戦力なら10万越えだね。」


「フゴ」(バ・バカな・・・)



ブルゴニはそう呟くと徐に膝を付き・・・



「フゴ」(あ・これは失礼しました。大規模ダンジョンの方でしたか?

     わたくしは、此処より北に住むオークを率いるブルゴニってケチな

     オークでございます。)


と、土下座をし始めた。



「フゴ」(いや~マスター様もお人が悪い、これだけの勢力を集めるなら

     是非、わたくし達にもお声を掛けて頂きたかったです。」


「う~~ん・・・全員捕縛して~」


「フゴ」(イヤ・わたくし達は逆らいませんよ・・・ほ・ほんと・・縛らなくても

     あ・・・大丈夫ですって・・・・アーー)



その後、オークたちを尋問した結果、追加の援軍ってのは張ったりで総数で300

を下回り、残っているのは女子供や年老いた弱いもの達だけらしかった。

戦闘ができる全ての者がここに来てたらしい。


俺たちはブルゴニを皆で囲い改めて話を聞いた。



「ゴブ」(お前らは何をしにここに来た?)


「フゴ」(いや~食料を狩りに村の南側に来てたんですが先行してたものが

     此処をたまたま見つけまして・・・)


「ガウ」(んで突発的に攻め込んだと・・・)


「フゴ」(そんな気は無かったんですが若いヤツラの手前引けなくなりまして・・

     ちょっと気が大きくなっちゃったんですかね~申し訳ありません。)


「ところでお前らの集落だけしかいないのか?それと人族との戦争ってなんだ?」


「そうそう~戦争のこと聞きたいね~人族はどうしたの?」


「フゴ」(わたくしは当時、小さくて後から長老に聞いたんですが・・・

     昔、此処より北の地で海に近い森と平原を治める人族と山に近い森を

     治めてたオークが土地について争い、当時のオークキングが人族の町

     まで攻め込んだって事が分かってます。その戦争はオークのほとんど

     全てが戦い、残ってたのは生まれたばかりの子と妊娠してた親ぐらい

     だったらしいです。)


「ゴブ」(お前はその時の子供たちの一人か?)


「フゴ」(そうです。んで戦争は力の強い俺たちオークが押していて城まで攻め

     周りを囲んだらしいのですが、ある日、光が全てを飲み込み生き残っ

     て戻ってきたものは殆ど居なかったらしいです。

     その後、俺たちは偶々帰還する為にこちらに向かっていた数名のケガ人

     と、残った僅かなものたちで森の中で暮らしてました。

     最近、やっと300名ぐらいまで増えたところです。)


「なるほどね~北の荒地見た?人族が魔法を失敗でもしたのかな?」


「フゴ」(わたくしは見たことがありますが、集落で近づく事は禁止されてます。)


「ハジメ殿こいつ等どうします?」


「どうしようかね~~寝首かかれるのも嫌だしね~~とりあえずダンジョンの中に

 連れて行って閉じ込めておこう。皆を集めるようカラス君達に手紙を持たして

 飛ばしてくれる?」


「ゴブ」(わかりました・・・・。では出発させますね。)



俺たちは捕虜にしたオーク約150名を連れダンジョンに戻ったのだった。


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