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ダンジョンマスター始めました。  作者: 長谷川 勉
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二十二話

巨人族の力は凄まじく船がグイグイ進んでいった。




バーーン!!


「すまん!八十ハチベエ!サンハチベエを旅で鍛えたらこんなになっちまった!」


「只今とおちゃん!! 今帰ったよ!」


俺は隣に居るオヤジさんを指し乗ってきた親父さんが声を掛ける。


「がう」(サ・サンパチヘイ・・・昔の面影もない・・・・苦労したんだな・・・

     マスターに預けたばかりに・・こ・こんな・・・・・)


八十ハチベエが涙汲んでオヤジさんに近づいていく、


「がう」(マスター 何、馬鹿な事言ってるんですか。とおちゃんでも騙されませ

     んよ~・・・とおちゃん?)


旅の間親の昔話を散々聞いたサンハチベエが白い目をして俺と八十ハチベエを

見てる。気まずそうな俺らが改めて話し始めた。



「え~と・・・船で山の反対側まで進んだ先で住んでいた巨人族のオヤジさんだ。

 今回は移住や『死の大地』の調査の為、同行してもらった。」


「巨人族のグランドだ。よろしく頼む。」


「がう」(そうですか~南部地区長をしています、八十ハチベエです。)


「とりあえず南地区の視察をさせてくれ、この後各地区に移動しながら

 一旦前村に帰る。」


「がう」(わかりました。それでは・・・・)



視察を終えた俺達はその後、リザードマン湿原村や川池村などを回り牧場や魚・

スライム養殖所などを配下の生活を確認しつつ前村まで戻った。

前村ではダンジョン内の食料生産所や酒造倉なども見て行きオヤジさんたちの

腹と喉を満たしていった。



「なかなか良い所ですな~何より酒の種類も多い。イモ焼酎っていうんですか?

 独特の香りですがうまいですな~」


「ゴブ」(今ではダンジョンは酒用に作物を育ててるんで収穫サイクルが早く酒が

     多く作れるんですよ。ここ前村から全地域に出荷してます。)


「旅に持っていく酒は焼酎から作った酒精が強いやつで水で割って飲む物だからね

 此処の酒がダンジョンのスタンダードだよ。とりあえず、部屋・・・のサイズは

 合わないだろうしダンジョン中に寝床を作るからゆっくり旅の疲れを癒してよ」


((ありがとうございます))



ダンジョンの中に専用のスペースを作り一時的に使ってもらうことにして、

前村をグランドさん達には自由に見て回ってもらい。

その間に巨人サイズの住居を川池村につくるよう指示を出し、船の増加、旅の情報

移住計画など地域代表者と話し合って進めてもらった。


そして、旅の疲れが癒えた頃、

「死の海」に近いところに野営所を作り、そこに新しく出来た大型船や海村から

物資や乗り物を運び探索することを決め「死の大地」の確認に向かった。



「これは・・・ひどい・・・・・」


「そうですね・・・生きるものが居ない『死の大地』です。原因はわかりませんし

 『死の海』より北側も同じぐらいの大きさで何者も住んでません。」


「北は調査したのかい?」


「いえ・・・陸の移動でこの『死の大地』の荒地を越えることはできないんでやり

 ませんでした。向こうに移住するとイザって時に逃げ場がありませんからね。」


「なるほど・・・」



川池村まで戻り今後について話し始めた。



「ハジメ殿、皆の暮らしは見せてもらった。種族間で争わず協力してることが

 わかる良い所だと思う。」


「草原は広いので放牧にも農地にもできるのでまとまって移住もできますよ。」


「しかし、全員が移動を希望するとは思えないんだ・・・今後帰ってから相談して

 希望者から移住って事にしたいんだが、どうだろう?」


「良いんじゃないですか?船が出来てきてるので行き来が始まるので好きな時に

 移動したら良いですよ。他の集落に募集を広げてもかまいません。」


「ハジメ殿はこれほど眷属を増やして何をするつもりで?」


「目標はありませんね。死にたくはありませんがダンジョンマスターは不老不死の

 ようで不死ってのは実感ありませんが老けることはないみたいです。ですが、

 永遠に生きても意味があるとも思えません。虚しいばかりだと思います。」


「なるほど・・・」


「とりあえずこの世界を見ていき、見かけた種族と交流していくのが目標ですかね

 まぁ、ずっと独り寝なんで嫁も探してますがね。」


「!!  やはりうちの娘を・・・・」


「違いますって! 確かに娘さんは美しいですがあの時のは誤解ですって~」






グランドさん達はその後土産を持って集落に帰っていった。

その時は、あの船を停留した場所に港を作る為にむかったこちらからの移住者を

含め 三艘の大型船が一緒に旅立った。

これからは大型船を使った移住や輸送が新たに始まり配下の生活圏も広がって

行くことだろう。

地域原産の作物を輸送する為の港も作られていくだろう。


外敵の居ないゴブリンはどんどん増えていく。

食料の安定入手の為リザードマンやコボルトの出生率もどんどん増えている。

大型船の増加により新たな食材・家畜を求めて探索されるだろう。




是非!皆には俺の嫁を探してきてもらいたいものだ。



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