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ダンジョンマスター始めました。  作者: 長谷川 勉
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二十一話

巨人族の女性は洗濯物をその場に残し逃げ出して行った。





パーーーーーーン!



「がう」(いきなり何してるんですか!後をつけて集落を確認するはずでしょ!)


「いや・・だってさ久々に女性見てテンパっちゃったんだよ・・・」



俺はサンハチベイに肩を叩かれたらしい。



「いやサ~俺も女性を見るのは17年ぶりでサ~ここで別れたら次は何年掛かるか

 分からないと思ったらサ~つい緊張してきちゃってサ~~」


「がう」(それで逃げられてちゃ意味無いでしょ!あ~あ~作戦が台無し・・・)


「ゴブ」(一応襲ってくるかもしれないから警戒態勢をとれ~~)


「がう」(だいたい、旦那さんが居るかもしれないじゃないですか・・・

     あ~あ~洗濯物も置いて慌てて逃げちゃって~~)



サンハチベエ君に小言を言われてると対岸が騒がしくなってきた。



「ゴブ」(何か来ます! 対岸を警戒!!)



「どいつじゃ~~うちの娘を誑かそうとしてるヤツは~~~」



それは対岸から飛び出し河原の上に落ちてきた。


その姿はゴブリンの2・5倍ぐらいある3mを越える身長で

横幅も広くゴブリンの身長ぐらいあり革でできた服を着て

丸太のような手に丸太をグリップだけ削って持ち易くした棍棒を持ち、

丸太のように太い足で腰を落として大地にたって居た。

頭部は、頭には毛が無いかわりに濃い髭が生え口元と首が見えなく、

太い眉に怒っているのか目が大きく開かれていた。



「なんじゃ~~ニンゲンか~~~踏み潰すぞ!コラー」



「がう」(ヤバイっすよ怒ってるじゃないですか・・・)


「う・うん・・・・・すいませ~~ん。始めまして~~」


「なんじゃコラーやるんか~~」


「すいません、俺達は東の山の反対側から来たんですが 

 ここらに来るのも巨人族に会うのも初めてで、そのうえ娘さんも美人で

 緊張しちゃったんですよ~~言い間違えて誤解させちゃったら申し訳ありません

 でした~~」


「なんじゃ?東から来たのか?お前の周りに居るのは調教したゴブリンたちか?」


「違います。実は俺、ニンゲンですが東の山にあるダンジョンのマスターを

 してまして、周りに居るのは配下の者です~」


「ダンジョンマスター?」


「少しお話お聞きしてもよろしいですか?」


「娘を襲ったわけじゃないんだな?」


「はい!それは只の誤解です~~」


「フン!」



巨人族のオヤジさんをリザードマンに此方に運んでもらい俺達は川のこちら側に

野営地を作り持ち込んだ酒と肉でオヤジさんをもてなした。



「お前はダンジョンマスターと言っていたが此処に来た目的は何だ?ここらに

 攻め込むつもりか?」


「イヤ、俺は17年前ダンジョンを開放したんですが一切の侵入者も居ずダンジョ

 ンの周りにも敵が居なかったんですよ。」


「山の東側には人族の国があったはずだが?」


「ダンジョンの周りを調査した結果、仲間になったリザードマン達が居ただけで

 周囲は平和そのものでしたね。んで北の調査をしたら森が途切れ荒野になってい

 て、荒野の中に大地がえぐられて無くなってる場所を発見したんですよね。」


「荒野? 荒野なんか無かったはずだぞ?」


「いや・・荒野になってました。それも植物も動物も住んでなく虫すりゃいなかっ

 たですよ。水場も無くおかげで調査が大変でした。」


「フム・・・それで?」


「んでそれ以上、北に向かうには荒野を進むのが大変だったので諦め 誰か情報を

 持っている生物を探して船で陸沿いを進んできたら此処に来たってわけです。

 今までリザードマン以外誰も見なかったので誰も居ないのかと思いましたよ~」


「おれら巨人族の集落は小さいけどそれなりに点在して在るぞ。

 他に人族や鬼族も居るはずだ。しかし荒野の中に大地がえぐられた場所か・・」

 

「はい、海までえぐられてて今では海水が入ってますね~でも生物は寄り付いて

 ませんけどね・・・うちらはその辺りを『死の大地』『死の海』って呼んでます

 ね~見に行ってみますか?」


「直ぐには答えられんな・・・お前らはまだこの辺にいるのか?」


「そうですね~ここらは良い所なんで此処より下流でもうちょっと採取している

 つもりです。その後は・・・もしオヤジさんたちが此処に思いいれが無ければ

 うちの村に来ませんか?うちの村なら狩りをするより安全に食料が手に入ります

 よ?畑や牛ブタの放牧をしね~」


「それも直ぐには答えられん。ちと相談してみる。」



今までの旅の話やこの辺りの話など情報交換をしてから

オヤジさんは帰っていった。


その後、船に戻り配下と今後の事を話し合ったり、巨人族の水場に行って交流した

り、巨人族の集落に招待されたりして、皆は打ち解けていった。



「よ~ハジメ殿、ちと話があるんだが・・・」


「どうしました?」


「俺らがそっちの村に行くってのは決められないが『死の海』も気になるし一旦

 見に行こうと思う。俺と娘のふたりだな。連れて行ってもらえんだろうか?」


「そうですね~荷物はどのくらいになります?」


「着替えぐらいな物だからそれ程多くはならないだろう。」


「それでも食器なんかも必要でしょうしゴブリン15名を此処に残していきますね

 巨人族の集落の近くに住まわせてあげてください。」


「わかった。後、塩があったら分けてくれって言ってたぞ。」


「塩ならいくらでも作れるので任せてください~食料と交換していただけると

 助かります。」


「わかった伝えておく。んじゃよろしく頼む」



そして塩を作りに行ってる間に食料を捕りに行ったり燻製にしてもらったり、

配下の希望を募り リザードマン3名ゴブリン16名が此処に残ることになったり

巨人族の若者が一人追加で乗っていく事になったりして

俺達は船に乗り込み川を下っていった。

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