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ダンジョンマスター始めました。  作者: 長谷川 勉
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二十話

俺達は南端を越えてダンジョン西の山の裏側を船で進み、山脈から流れ込む川

の調査をしつつ北上を続けた。

山さえ迂回するか越えられれば、此処らにも移住できそうだ。

こちら側の山には、柑橘系の植物が生えていて酸味が美味い物もあったり

甘みのある果実も見つけられたからそれを餌にする獣もいるだろう。



「がう」(マスターそろそろ3ヶ月ですが、何処までいくんですか?)


「嫁が見つかるまで!」


「がう」(あーそれじゃ陸地一周しないと帰れないってことですね・・・)


「それって嫁は見つからないって事?そこまでダメなの?」


「がう」(だって他の種族が居るかどうかも分からないのに無謀もいい所じゃない

     ですか・・・それに内陸に居たら気付かないし・・・)


「あー確かに・・・でも水も塩も食料も心配ないし行ける所まで行ってみようよ。

 新しい移住地や美味しい作物が見つかるかもしれないしね。」


「がう」(移住地って言っても今でも場所が余ってますがね・・・)


「ゴブ」(ところで魚以外の食料が減ってきましたし陸で少し探索しませんか?)


「んじゃ上陸しやすそうな所が見つかったらそこで野営しようか」


「ゴブ」(わかりました。久々に生肉を調理したものを食べたいですね~)



結局、良さそうな場所を見つけ野営を始めたのは四日後のことだった。

大きめなを河口広げている河を遡った先に見つけたその場所は小さな湖の畔で

船を止め、俺らは狩りをしながら自生植物を調べキノコや山菜を採集していった。



「ゴブ」(獣も自生植物も多く肉食獣も強くない、なかなか良い所ですね。)


「がう」(そうですね~僕はあのキノコが見つかったのが嬉しいですよ~

     あの香りがたまりません!)


「ぐう」(毒のある虫が居るかもしれませんから注意は必要ですがね)


「ゴブ」(昨日見つけた蜂の巣はどうします?)


「蜂は煙で燻せば気絶するはずだから煙が出やすい草を見つけたら採取しよう」


「がう」(ところでマスター此処に何時までいるんですか?)


「うーん、此処はかなりよい所だし、もう少し探索して纏まった量を採取してから

 進もうよ~それにここなら移住地にも最適だしある程度調べといたほうがいい」


「ぐう」(湿地も狭く感じるようになってきてますし、ここは魚も多い川で移住す

     るには良い所ですね~)



次の日からも、日持ちのしそうな植物や塩漬食品を作りながら探索を続けていた。

そんなある日のこと・・・



「初めて食べたけど蜂の子って結構美味しいんだね~」


「ゴブ」(本当は生で踊り食いのほうが美味いんですがマスターはやっぱり焼かな

     いと駄目ですか?)


「生はムリムリ。 成虫の姿焼きも俺は苦手かな~」


「がう」(蜜も美味しかったですね~)


「ガウ」(マスター大変です!人がいます!!)


「なに!!」


「がう」(リザードマンが川の上流に探索に出てらしいんですが、その上流で女の

     人が水浴びしていたらしいです!)


「わかった!行くぞ案内しろ!」



俺は逸る気持ちを抑え、全員を集合させ船の見張りにリザードマンとゴブリンを

10名ずつ残し、野営地から上流に10kmぐらい行った発見現場に向かった。

現場は川幅17m弱の川の反対側で向こう側は河原が5mと狭く水浴び場として

使われてるのか水の中に入りやすいようになっていた。



「グウ」(警戒されないように遠目で発見したのですが女性はここに居ました。)


「集落があるかもはずだからここに現れるのを待ち、後を追跡しよう。一旦河から

 離れたところで野営しコボルトは二人ずつ交代で見張りをしてくれ。」


(((わかりました)))



翌日の朝、朝食をとっていると見張りのコボルトが戻ってきて皆に緊張が走る。



「ガウ」(女性が現れました。現在、洗濯をしています。)


「よし、いくぞ・・・皆、慌てるなよ。」



現場を藪の中から覗くと、河の反対側に女性が居た。

女性は茶色い髪で浅黒い肌。目元は彫が深くどちらかというとインド人の女性の

ような感じの人だった。服装は獣の皮で作ったトップスと腰巻スカートのような

ものだった。



「ゴブ」(女性が一人ですね・・・他に気配はありません。)



俺は17年ぶりに見る女性に目が釘付けだった・・・



「がう」(集落は近いんですかね?一応リザードマンは上流と下流に配置してます

     囲んで捕らえる事もできます。)


「・・・・・」 


「ごぶ?」(マスター?)



俺は徐に立ち上がり河に向かって歩き始めた。

いきなりの行動だったため皆は付いてきていない。

そして、女性に声をかけた。



「こんにちは~」



女性は此方に気付き警戒をしている。顔を上げたことでわかったが美人だった。

俺は改めて声をかける。



「こんにちは、美しい人。一目ぼれしました。付き合ってください!」



俺のいきなりの発言に警戒のいろを濃くし、彼女は立ち上がり逃げる素振りをする



「もう一度言います!わたしと付き合ってください。!!!」



立ち上がった彼女はスラッとした姿で

胸は大きいとは言わないが小さくもなく・・・

ウエストが女性らしく括れ・・・

膨らんだ腰からは裸足だったが脚が長い脚が伸びた・・・







身長が3m近い巨人族の女性だった。

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