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The third day

レイスは結局そのままの姿で郵便配達の本社へ通勤したのだが、本社の社長さんと社員がドアを開けて入ってきたレイスを見て固まるのに時間は要らなかった。

仕事が出来るか社長に聞いてみたら、社長は「大丈夫だ」といって、今日も手紙の入ったクリアケースを手渡してきてくれた。

ああ…なんて優しい社長なんだ。俺ここにバイトに来てよかったよ…

でも、レイスはこの髪の毛は普通で構わないのだがこの瞳の色が気に入らない。

レイスは手紙を配り終えると、セシルの元へ行った。

「おはようございます」

薄暗い地下通路の中に立てられた店の前に植木鉢を幾つか置いて、花を植え、水を与えているところに丁度レイスは来た。

「花?こんなところで育つのか?日の光浴びないと背ぇ高くならねぇぞ?」

「大丈夫ですよ。この花は暗い場所ででも育つように改良した花なんです。綺麗に咲きますよ。」

「魔法で?」

「いえ、遺伝子改造で。」

「お前何気にすげぇな。」

レイスは感心するしかなかった。

「ところでセシル、この店何の店にするの?」

店の中に入って冷蔵庫に食材を詰め込みながらレイスは聞いてみた。

しかし、返事は返ってこない。

なぜ言葉を返してこないんだろうか…不思議に思い、店の外を覗いてみた。

「…え…」

先ほどセシルのいた場所には如雨露がさびしく一人、座り込んでいた。

薄暗い地下通路には明かりが灯してないため、辺りにセシルがいるか確認できず、ただ、水道管から流れ行く水の音がするだけだった。

「セシルー?」

「はい?何ですか?」

「うぉッ?!」

呼びかけると、セシルは屋根の上から逆さになって顔を出してきた。

「何してるのさ。びっくりした…。」

「キノコの育成してるんです。出来ましたよ、食用。」

「食用って…何?まだ他にあるの?」

「えぇ。薬用、実験用、遺伝子組み換えキノコ…あ、危険な毒のあるキノコもありますねー。」

「あぁ。とりあえず毒キノコは捨てろ。一刻も早く。」

セシルはしぶしぶ毒キノコを抜いてゴミ箱に捨てた。

後からレイスはゴミ箱の中を覗いたのだが、キノコは紫の体に赤と緑の斑点の化粧をして、キノコのチャームポイントでもある傘を5cmくらいに大きくし、ふやけたような姿をしていた。

うわぁ…気持ち悪ッ。

それがレイスの率直な感想。

一刻も早くこのキノコはごみ出しに出したほうがよさそうだ。

そしてレイスはゴミ箱から離れてお茶を入れているセシルを見て驚いた。

「せ…セシル」

「何ですか?」

「あ…頭の上に…き…キノコが…」

先ほどはセシルがフードを被っていたため、気がつかなかったが、フードを被っていない今、やっと気がついた。

レイスの指差すセシルの頭の上にはなんと…橙色の衣に黄色い斑点の化粧をしたなんとも可愛らしい丸型キノコがちょこんと、セシルの頭の上に座っていた。

「…なんで?」

「…さぁ…?」

なぜ人間の頭の上で育っているのか…謎だ。

とりあえずどうすればいいのかわからない。

もし分かったとしてもどうすればいいのだろう。

病院にいくべきなのだろうか。それとも記念写真を撮るべきなのだろうか。引っこ抜いてみるべきなのだろうか。そのまま育ててみるべきなのだろうか。

「…と…とりあえず抜いてみる?」

レイスはそっとセシルのキノコに触れてみた。

「うわッ。ちょ…やばいって!今感覚的なものが走ったって!!」

驚きすぎて、セシルの綺麗な言葉が一気に汚くなった。

レイスもセシルの驚きようにびっくりする。

どうやらこのキノコにはセシルの感覚器官が通っているらしい。

つまりこのキノコはセシルの体の一部になるというわけで…。

結論…抜いたら危険なのではないのか?

やばい…どうしようもない!!!

二人の頭はもうパニック状態である。

とりあえず落ち着け俺。まず冷静になれ。

とにかく、セシルを医者に見せよう。

「セシル、街にでるよ。医者に行こう。」

「街にですか?」

「そう。眼帯してるから大丈夫だろ?それにお前の服フードついてるから深く被れば日の光防げるだろ?」

「わかりました。」


さあ、不思議なことにセシルの頭にキノコが生えました。

一体このキノコの正体は?

3日目のお話。

長いです。

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