The ninth day【C】
振り返った視線の先にいたのはホーリィが生きているならば消そうと考えていた王だった
「ウィルのコントローラーは俺が握ってるようなものなんだよ。さて、ホーリィ。
君には死んでもらう。【歴史再生】のためにも」
「歴史・・・再生・・・?」
「そう、お前とその仲間がセシルに出会ったから!!」
「つっ・・・前王、貴方が何故・・・セシルを知って・・・いる?!」
消えそうな声を振り絞ってホーリィは怒鳴った
「ふん、王?そんな奴もうこの世にはいないさ、俺は【世界そのもの】。
世界の始まりから今までを見てきた者」
「何を・・・言ってッ・・・クッ・・・!!」
王の姿をした【世界そのもの】はゆっくりと近づいてきた
「歴史は変わってしまった・・・変えてはいけない過去と未来を・・・」
「過去と・・・未来?」
「そうさ、全て奴の出現により。かかわったお前達により・・・そして死ぬがいい」
室内に備え付けられていた防犯用のシステムが起動しだして、壁からセキュリティーパネルが無数出現した
「セキュリティーパネル!!!」
「いけない!ホーリィ!!」
ウィルは呪縛を解いてホーリィを担ぐとセキュリティーパネルからの攻撃をかわした
流石は【ソロ】という通り名を貰ったほどはある
体全体の機能もすぐに回復したようで、すばやくかわした
しかし、やはり完全には解けていないのだろう
動きが一旦止まりかけたりしている
「F.O.S.!!!」
ウィルがそう叫ぶと透明半球のシールドが二人の周りに張られた
「すごい・・・これがソロの力・・・」
「D.D.K.!!ジャッチメントッ!!」
さらにまた叫ぶと、光の槍が上から降ってきて、王の姿をした【世界そのもの】に向かって落ちていった
「ちっ!!小賢しい!!AIの分際でッ!!!」
王の姿をした【世界そのもの】はAIの持つ力と同等の力で最も強力といわれている術を使ってきた
「「それは?!」」
魔力を持つ魔法使いでも、超能力者でも、AIでもない王が魔法を使った
これはおかしいと、ホーリィはここで気がついた
「アルティメット!!」
「なんでこんなことになったんだ・・・」
後から屋敷に来たエリーが見たものは
砂と事切れたホーリィと赤毛の青年
見るも無残な姿で二人は横たわってたが、しっかりと手を握っていた
AC 0126 02 23 Holly and Will Death....