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The eighth day【B】

「関係のない方々まで巻き込むつもりで?」

困ったような表情でヴェクセルは笑った。

しかし、声は怒ったような声で、ヴェクセルの魔力が上昇し、付近の空気に威圧感が走り出す。

「巻きこまねぇよ、安心しな。さ、来いよッ!!」

そう言い、バニッシュは空高く飛び上がった。

少し遅れてヴェクセルも飛び上がった。

「教えてやるよ、力の差を」

「ひゃー。恐いねぇ、ネーゼの息子は」

「・・・ハガル!!!」

ヴェクセルがルーンを叫ぶと、近くにあった建物の一部が分裂して、バニッシュに飛んできた。

バニッシュは軽くそちらを見ると、さらりとかわした。

まるで、蝶のように軽々と身を宙に舞わせて。

「あははっ♪そんなんじゃ駄目だよっ。」

そう言ってバニッシュは宙で身を翻し、すばやく銃を手にしてトリガーを引いた。

銃は二弾型の銃で、破壊力のある弾丸。

それが、ヴェクセルの心臓を貫いた。

宙に飛び散る赤い花びらは雨のようにセシルの顔に落ちてきた。

ヴェクセルは体を支えることが出来ないまま落下してレンガの地面に落ちた。

「ヴェ・・・クセル。」

そこにある肉体は奇妙な方向へ腕が曲がっていたり、多量出血してりしていた。

「・・・駄目だ。事切れている。」

レイスがヴェクセルの脈や呼吸などを確認してそう言った。

そっと持っていたハンカチを顔の上に乗せてあげた。

エイトは「せめて綺麗にしてあげないと」と言ってカレンと一緒に反魔法で傷を消していく。

魔法で呼び戻せる魂は、命の鎖がすぐに切れていない人の魂だけで、即死だったヴェクセルをセシルのときのように助けることは出来なかった。

「バニッシュ・・・貴方、何て事を・・・!!」

セシルは怒った。

胸倉を掴んでレンガの地面に叩きつけてやった。

「歴史を変えたのはお前だ・・・作られし生人形・・・・・・次だ。」

「次?」

「そう、次。」

そう言うとバニッシュは砂のように消えていった。

サラサラと風に乗って。

「・・・なっ・・・バニッシュ・・・?」

『バニッシュはこの街にいた掃除屋だが、30年前に死んでいる。彼は屍兵として使わせてもらった。』

突如、空から声が降って来た。

『次だ。次は誰かな・・・?』

甲高い声で笑う声は徐々に消えていった。

「・・・ヴェクセル・・・」



AC 0126 02 22 Vexel Death....


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