The seventh day【F】
カレンとエイトは超能力を解放状態にして最大限の力で黒服集団を倒していく。
魔法と違い、どちらかと言うと物理系攻撃。
そして存在する形をそのままぶつけるのだから魔法より痛い。
黒服集団は全員足場を崩されて全滅していった。
「カレン・・・君は何でこんな奴らと?」
エイトは一息ついてカレンに聞いた。
カレンも呼吸を整えてからエイトの方へ向き直り、答えた。
「僕の能力は知ってるよね?ツェリのアンティーク社でナビゲーターのしてたときなんだけどね、
たまたま敵のコンピューター内でキャッチしたんだ『ホーリィと言う人物の
ノートが狙われている』って。だから、この組織内に潜り込んで、先回りしていたんだ。」
「で、予知能力で僕がここに来ることが分かっていて、落合ついでにここをバトルフィールドにしたんだね?」
「そうゆう事。」
クスクスと二人で笑っていると、そこにセシルとレイスがやってきた。
「大丈夫ですか?!」
「!ホーリィッ!!」
完全に腰を抜かしている状態のホーリィをレイスは抱き起こす。
「大丈夫か?」
「・・・はい・・・二人が助けてくれました・・・」
「エイトとその子が?」
「わぁ!二人とも強いのですね?・・・えと、そちらの方は?」
「彼はカレン。僕とおんな宇宙人だよ。」
カレンはエイトに紹介されて、セシルたちに向かって頭を下げる。
つられるようにセシルも頭を下げる。
「さぁ、皆さん、一旦ここを引きますよ。倒れている彼らが目覚めたら面倒です。」
セシルの指示に従い、全員はセシルの店に戻った。
「ところで先ほど倒れていた彼らは?」
セシルがエイトとカレンにたずねた。
「うん、あの人たちはね、ホーリィさんのもっている『ノート』を奪おうとした悪い人たちなんです。
ホーリィさんの持つノートには特別な・・・不思議な力があるんです」
「不思議な力?」
「はい、そのノートは、『人の時を操る』ノートなんです。つまり、人生を書き換えることが出来る。
他人の人生を己の手で地獄へ導くこともできるし、天国へと導くことも出来る・・・。
使い方ひとつで、『救い、滅びどちらにでもなる』ほどすごいものなのです。」
セシルは納得したように「なるほどね・・・」といい、ホーリィのノートを開いてみる。
しかし、ノートはまっさら。
「なにも書かれていない・・・なるほど」
「なにがなるほどなんですか?」
不思議そうに今度はエイトとカレンが尋ねてくる。
「ノートがまっさらと言うことは、『私はこのノートを使いません』と、言うことでしょう?」
その言葉を聞いて二人は「あッ!!」と声を漏らす。
「心配していたけど・・・ホーリィさんは・・・」
「うん。ホーリィはこのノートを誰にも渡す気もないし、使う気もないよ」
セシルがそう言うと、二人は笑顔にさらに花を咲かせたようにして笑うと二階で既に寝てしまっているホーリィの元へ向かう。
「あ、ホーリィ寝ちゃってるんだから静かにね?」
「うん、今日はホーリィさんと寝るーッ!」
「あの、僕もよろしいですか?」
階段を上りかけていたカレンもセシルに許可を求める。
もちろんセシルからの返事はOK。
それを確認してカレンもエイトに続いてホーリィの眠る部屋へ向かう。
「まだまだ二人も子供だな」
レイスが紅茶をセシルに差し出す。
セシルはそれを受け取りうれしそうに笑う。
「ふふふ、まだ今はソレくらいがいいんですって。・・・それより、ホーリィさんが目覚めたらさぞびっくりするでしょうね?」
「起きたら餓鬼の顔が両脇にあったりしてな。」
その夜、エイトとカレンはホーリィを挟むようにして、寝ていたとか。
タダミツメテイルダケデ
タダキミノトノヤクソクヲマモリツヅケ
ボクハタイセツナオモイヲミウシナッテイタ
デモ
イマ ミツケタンダ タイセツナモノ
コレカラハ コノヒトタチモ マモッテイクヨ