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The fifth day【B】

二人はマザー・エンジェルの研究所へ入って見学を始めた

案内人のお姉さんの後ろをひよこのようについていき、しばらくするとガラスの壁の部屋へ来た

「ここからは第1〜19研究室です。一本道なので迷いませんよ。それから二階からは研究員の個人的な研究室ですが、勇気があるならどうぞ。」

「勇気があるなら・・・あはは・・・」

ちょっと見たくないなぁ・・・と二人は思った。

なんだか恐ろしいものを想像してしまったから。

とりあえず、二人はザッと一階の第1〜19研究室を見ていった。

DNAだとか遺伝子がどうのこうの・・・クローン実験理論がどうこう

「なぁ、セシルはここに入れるんじゃなにのか?キノコで」

「馬鹿を言わないでくださいよ・・・無理ですって」

俺は入れると思うぞ、セシルよ(作者の声)

一通り見終えて、二階へ行こうとしたとき、二人は地下への階段を見つけた。

行ってもいいのか・・・少々迷ったが好奇心には勝てないもので・・・


ふたりは地下へと降りていった


地下には誰の姿も見えず

ただ長い長い廊下が続くだけであった

歩いても歩いても先がなかなか見えてこなかった

それから数十メートルくらい進んだ頃、やっとひとつの扉が見えてきた

その扉には『E I TO』と書かれているだけで、他には変わったところはない

ただ、上で見てきた扉とは違って白くてシンプルなものだ

「・・・なんだろう、EITOって?」

二人は疑問に思いながらもその扉をそっと開いた

するとそこには・・・

「人?」

色々とコードにつながれて立ったまま寝ている・・・いや、静止している青年がいた。

水色か銀髪か・・・不思議に輝く髪の毛は彼自身の魅力を引き出すようで。

二人はその青年に近づいていった

「・・・寝てる・・・のかな?」

寝ているとすれば凄い。立ったままで寝るなど、大抵の人間は出来るはずがない。

「血行がいいようですから、生きているのでしょうね」

そうセシルが言って、青年の目の前に立ったとき


ぱちっ


「・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・」

目の前の現実に一瞬硬直して、セシルとレイスは顔を見合わせてから

もう一度青年の方へ目を向けなおした

なぜなら

「・・・・・・?」

迷いも無いような目で青年が目覚めて、こちらを凝視しているから

((どうしよう・・・なんて言い訳をすれば・・・))

内心二人は焦っていて、何も言い出せず、ただこちらも見ているだけ

青年はずっと何も喋らないでこちらを凝視し続けている

「・・・せ・・・セシル・・・」

「な・・・なななんですか?れれ・・レイス??」

パニック状態にある二人は、もう噛み噛み。

その様子をみていた青年は急に明るい表情をして口を開きだした。

「セシルさん・・・と、レイスさんですか?」

「「え?!あ、はい!」」

二人は意気投合。

「初めまして、エイトです。」

「えいと・・・?え、じゃあ・・・扉の『E I TO』って・・・君の事?」

レイスがそうといかけるとエイトは微笑んでうなずいた

「はい、おそらく。」

「おそらく?」

「だって僕外は見たことないので」

「へ?」

その言葉の意味がわからずにいる二人の後ろで扉が開いた。

振り返った二人は硬直。

そこに居たのは恐そうな表情をした職員。

「お客さん、見学範囲に地下は存在しません。出ていってください。」

「・・・すみません。」

二人は職員に押し出されてその部屋から出て行った。

「・・・あれ、あの人は?」

部屋からまだこちらを見ているエイトを見ながらレイスは職員に問いかけた。

「あの子は実験サンプルです。」

――サンプル・・・――

その言葉にセシルの表情が悲しそうな・・・怒っているような

なんともいえない表情になった


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