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The fourth day【F】

「研究者達の実験のせいです。まぁ、ドッペルでも作ってみたかったんでしょう。天才は時に何を考えているのかわからない。彼らは自分の理論を通し、それを正解と思い込み、勝手に物事を進める。

でも、そのせいで苦しむレプリカが居るということを考えてもらいたかった。」

「じゃあ幼い頃のセシルはなんで生きようとしていたんだ?」

「・・・・・・死ぬことは簡単です。でも、生きることの方が難しい。と、いいますが、私たちレプリカにとって、生きるのは簡単ですが、死ぬことが難しいのです。」

「?」

意味がさっぱりわからない生きるのは簡単じゃない。死ぬことは難しくない。

これは理解できる。

でも生きるのは簡単で死ぬことは難しい。

これは理解できない・・・。

「私たちは別に何もしなくても生きていけます。ただ、人間とは違い悪魔であって化け物です。

人より生命力もあり、寿命も長い。蘇生能力もある。だから、簡単には死ねない。」

「・・・それは、間違ってるよ。セシルは悪魔・・・なのかもしれない。でも、化け物じゃないし、俺は少なくともセシルは人間だと信じている。ウェクセルとホーリィも。ホーリィはまだあったばかりだけどそうじゃない?」

「・・・本当にそうでしょうか・・・?」

「え・・」

いつもとは違う何かがセシルから感じられた

それはとてつもなく冷たく重いもの

レイスはその威圧感にそれ以上近づけなかった

ただ、判ったのはセシルが必死に震えを止めようとしていること

だけど、セシルは抑えきれずにいた

「セシル・・・なぁ、ここって俺達がさっきまでいた街とは違う空間なんだろ?帰ろう。皆まってるよ。」

「わ・・・たし・・・は・・・あ・・・ああああっ!!!!??!!」

急に苦しみだし、セシルは自分を抱くような形になってそのまま倒れ、呻いた。

「ちょ?!セシル!!」

その時、魔法回路とは違う魔法陣が大理石の床に浮かび上がり、四方から電流が流れて中央に集まった。

その電流はダイレクトにもセシルに当たって。

それがおわっても、まだ魔法陣は浮かびあがっている。

そして、最終的にはセシルの動きを取れなくさせる。

「セシル?!」

「結局は呪われている。ならいっそ、このまま・・・」

続きを言う前にセシルは意識を手放した。

「セシル?え・・・や・・・やだよ・・・嘘だろ、セシル・・・」

「無駄だ、そいつはもう死んだ。自ら死の魔法を使ったんだからな」

声がする方へ目を向ければセシルに実に良く似た人物。

「・・・自ら・・・?」

「セシルはずっと死にたい死にたいといっていた。」

「何で・・・」

「何故レプリカ達が自分の存在に嫌になるか教えてやろう。本物がいるとな、レプリカは本物の部品か、実験道具にしかならなくて、生きる意味がないからだよ」

生きることに意味がない・・・?

「・・・そんなことない・・・・・・セシルッ!!!!!!俺は現実から逃げるお前を許さねぇッ!!!!!起きろッ!このへタレ野郎!!」

なんだかむかついてきて、俺はセシルを床にぶつけてやった。

「・・・お前、セシルを戻したいか?」

「出来ることならな・・・」

「なら力を貸してやる呼び戻せ。まだそいつは魂が体と繋がっている。しいて言うなら仮死状態だ。セシルの夢の中へ行ってセシルを連れて帰って来い。」

「・・・わかった」

こいついい奴なのか悪い奴なのかわからねぇや・・・

「いいか野郎、制限時間は約20分。20分経過したら戻れなくなるから気をつけろ。」

そう言って本物のセシルは踵を鳴らして不思議な形の魔法陣を出した。

それはセシルの魔法陣とは違って絵のような魔法陣

「乗れ」

魔法陣を示していってきた

俺はセシルを抱えて、魔法陣の上にのった

「闇よ、我を今闇から解き放ち光の輝きを与えよ。」

あれ・・・聞いたことある

確かセシルが言っていたっけ・・・

『属性転換』

魔法使いにはそれぞれ属性がある

『たとえば火の魔法使いがいるとしましょう、で、その魔法使いが水属性の魔法を使いたいとなる。その時属性転換します。だけど、これはやってはいけません。体内にある魔力を全て消費して倒れてしまうと言う報告が多々あります。時には死を・・・』

「!!!!!!!駄目だ!セシルッ!!」

「安心しろ、少し寝たらすぐ回復する。行って来い、そして連れ戻せ…――」

セシルの夢の中へ移動した瞬間、本物のセシルが倒れていくのが見えた


お前は一体何なんだ・・・?

なんで俺に手をかすんだ?


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