The fourth day【E】
朝目覚めたら
また違う場所に居た
今度は暗い夜のような世界
でも、子供や大人が活発に動いていることから
朝なんだろうと思う
この世界は陽が差さないのだろう
そんな世界にゆっくりと降りて
レイスはひとつの神殿に向かう
別に歩いているわけではないのだけれど、勝手に場面が進んでいくよう
開かれていた扉から中へ吸い込まれていく
そして祭壇のような台がひとつ
その上でレイスはあるものを見つけた
(人・・・?)
黄緑の髪の毛が印象的な青年が瞼を閉じて静かに眠っている
今にも落ちそうな体勢で
(・・・この人・・・まさか・・・)
「・・・セ・・・シル?」
「見たんだ」
台の向こう側にあった大きな像の後ろから一人の人物が出てきた
それは黒いローブを来たセシル
ではなく、セシルに似た人物
「ごきげんよう、この世界以外の住人」
「何?」
「あんたはいつこの街に来たか覚えているか?」
「・・・・・・・・・それ・・・は・・・」
「所詮記憶なんてそんなもんさ。教えてやる、お前をこの街に呼んだのは俺とそこで眠るセシルだ」
「呼んだ・・・?」
「おい、セシル。いい加減に起きたらどうだ?まだ充電できないのか?」
(充電?なんだよ充電って、携帯じゃあるまいし・・・)
不思議におもいながらセシルをみていると、セシルはゆっくり起き上がった
「・・・なっ・・・」
横になって寝ていたのでわからなかったが、セシルの体には多くのコードがついていた
そして今まで隠していた瞳が見えていた
その瞳は恐ろしいものだった
赤い瞳の中に黒い悪魔の模様
つまりその瞳が現す意味は・・・
―――――セシルは悪魔――――――
「私はいままで嘘をついていました・・・レイス。私は悪魔です人間でも天使でも守護神でもなんでもない・・・とても悪い悪魔です」
そして背中に見せた蒼いガラスのような翼
そう、俺は気が付かなかった
あれが悪魔の証であることを
「セシルは俺のコピーなんだ、つまり『レプリカ』」
と、セシルに似た奴が言った
レプリカ?
と、言うことは、奴が本当のセシル?
で、セシルが偽者?
やばい複雑になってきた・・・
「彼が本当のセシル。そして私はセシルのレプリカSN2016。名前なんてない。あるのは製造番号だけ」
「嘘だ。・・・俺は信じない」
「悪い子ですね、レイス。信じてくれないなんて。怒りますよ?」
「SN2016。」
「なんですか、セシル。」
「そろそろこいつの記憶も修復しなおさないか?」
「・・・別に構いませんが、パニックになれても困るのですが・・・」
「ならいいよな。」
そういうと、本物のセシルは俺に近づいてきた
静まり返った建物内にその足音が恐ろしいほど響き渡る
カツン・・・カツン・・・
魔法を掛けられたように俺は動けなくなった
(何だ・・・この威圧感・・・動けない・・・逃げなくちゃいけないようなきがする・・・逃げたい・・・でも、足が動かない・・・)
気が付けば本物のセシルはもう目の前にいて
俺の頭を両手で掴んでいた
「さぁて・・・それじゃあ記憶を返すよ」
近すぎるほど本物のセシルの顔が近い(此処重要。試験に出る)
そして
「うわあああああああああああぁあああぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああ!!!」
何かすごいものが直接脳へ注ぎ込まれているような感覚
『あぁ・・・疲れた・・・』
(アレは俺だ・・・なんで俺はこんなしらない場所に・・・いや、覚えてる記憶にある。この場所。たしか・・・俺の部屋・・・?)
『・・・ふぅ・・・』
(なんだ?俺が少し厚みのある本を開いてる・・・あんな本俺・・・持ってたっけ?)
ゴッ
(え?!俺夢の世界に落ちた?!)
気が付けば場面は初めてあの街に来たとき
「・・・つ・・・」
「思い出したか?」
「思い出した・・・けど、よく分からない・・・」
「つまり、こうゆう事さ、俺達は本の世界のこの中にお前を呼んだ。そしてお前がいた世界での記憶を取り除いていた」
「何のために?」
「さぁ・・・俺は呼び出すのを手伝っただけだ、呼んだ理由はSN2016に聞け。」
そういうと、本物のセシルはさっさと帰ってしまった
「私の力だけじゃ貴方を呼び出せなかったんです。私は本物と比べて力が半分弱くなっていますので」
「・・・で?」
「理由・・・ですか・・・それは貴方があちらの世界に帰るときに教えます。その時まで待ってくださいませんか?」
「・・・いいよ。だけど、教えてもらいたい。」
「・・・なぜ私がレプリカとして生まれたのか、ですか?」
「あぁ」
――――そして今回りだす。本当の運命が――――