The fourth day【C】
「…なぁなんで俺達こんなことになってると思う?誰か解が判るなら教えてくれ」
レイスが半笑いで問いかけた。
「判りませんねー…」
ウェクセルも聞きたいくらいだと顔で問いかける。
「唯一いえるのなら…いきなり場面が展開したってことですかね。まぁ、起承転結で言うと今は承と転の間ですが…」
ホーリィも苦笑しながら答えた。
何故、三人が訳のわからないことになっているのか…。
それは、今、現実がおかしくなっているからだ。
「セシルが居なくなってから…二日だけど…さ。これは…あまりにも……おかしいだろう?」
「そうですね。何かテーブルとかがかなり大きく見えます。」
「向こうに小さいドアがあるねー」
あははははは…
「笑い事じゃない…ここってさ…あのかの有名な映画の世界だろ?確実に。テーブルの上の二つの薬とかまさにアレじゃん。」
レイス達は何故か…ア●スの国の△ン×ーランドに場面転換していた。
「おーい…作者。伏せるとこ変じゃねぇか?」
大丈夫。(作者の声)
ところで、もちろんこの世界に来たということは、その世界のキャラになるわけでして…
レイスは何故かウサ耳に紳士的な服。そして時計。ウェクセルはあの変な猫のきぐるみ。ホーリィは何故かア●ス。
「ホーリィ…お前……実はでしたッ!ってか?!やめてくれ!!」
軽く引いているレイスにホーリィは腹を立てる。
「貴方だって似たようなものじゃないですかッ!大体それ擬人化でしょう!?一歩間違えたらあの有名な●●ゲームのきゃんき…」
「わーーーーーッ!!!!言うな!!勘違いされるッ!!読者様に勘違いされるッ!!!」
とりあえず…混乱しているのでした。
「とりあえずさぁ、おもしろそうだから行ってみようよ!」
ウェクセルは困惑を楽しみに変えてドアへ向かって行った。
ここにいつまでいても仕方ないので二人も先へ進むことにした。
ウェクセルがドアノブを回すと、ドアノブが喋り出した。
「君達は裁判に来たのかい?今は裁判はあっていないよ。」
「いえ、僕達はこの先に行ってみたいのですが」
「裁判じゃないのなら、左の壁に穴があいているだろう?そこから行きたまえ」
左側の壁には穴が開いていた。
覗いてみるが、先は見えない。
「ふーん…とりあえず行ってみようか?」
「そうだね。」
少々気が進まないが、三人は穴の奥へと足を進めた。
何も見えない暗闇の中、ただまっすぐに歩き続けた。
そのとき、レイスに足元の床が抜けるような感覚が走った。
「え?」
何が起きたのか判らなかった。
ただレイスはそのまま、まっさかさまに落ちていった気がした。
とても静かで、何か宙に浮いている感覚。
なんだ…ここは……俺は、どうしてここにいるんだ?
――結局お前も魔物かなんかなんだろう?――
子供の声…?
――化け物が来たぜ!!皆逃げろーッ!!――
化け物?一体何の話をしているんだ?
暗闇の中、レイスは足からゆっくり降りた。
不思議。暗闇なのに自分が見えてる。
――お前は私の指示に従って動けばいい。ただ、それだけだ――
――やめてよ父さんッ!――
なんだろう…この叫んでる子供の声…何処かで…
とたんに足元から外側へ明るくなっていった。
なんだ…これ…。
気がつけば、先ほどとは違う場所に居た。
なんだか…結構昔の風景のような…なんだろう。
訳もわからず、ただ立ち尽くしているレイスの前で、子供達が集まって何かしている。
何をやっているんだ…?
レイスはそっと近づいてみた。
「お前気味が悪いんだよ」
「そうだ。この街から出て行けよ。」
複数の子供に一人の子がいじめられていた。
それを見ていて、レイスは止めようと声をあげるが…
(おいッ!おま…)
え…なんだ声が出ない。
…と…兎に角、止めるのが先だ。
そう思い、子供達の肩を掴もうとするが…
スカッ。と腕がすり抜けてしまった。
(何でだーーーーーーッ?!俺が一体何をしたと?!)
声をえげても無意味。
その時、子供達はいじめをやめて帰って行った。
どうやら、レイスの存在に気がついてはいないようだ。
それを見送ってるレイスの眉間には皺が…
(もし触れてたら…殴る)
声が出ないのと、触れないのと、存在に気がつかない3つのダメージが大きすぎたようで、レイスはイライラしていた。
(お前大丈夫か?…って…聞こえるわけねぇよなぁ…)
あれ…この子…
「……汚れちゃった…」
水色のズボンを叩いて砂を落とすと、落としていたらしい分厚い本を拾って歩き出した。
そのまま見送ろうとしたが、何だか気になってレイスはついて行った。
子供はずっと俯いたまま早足で何処かへ足を進める。
(何処行くんだ?)
しばらく歩くと歩みを止めて、建物の中へ入っていった。
そこは、教会だった。
(孤児なのかな…)
子供が中に入ると、シスターが「お帰りなさい」といってきてくれた。
こうゆうのをみると何だか暖かい気持ちになる。
「只今戻りました…」
子供はそう言うとシスターの横を通りさっさと地下へ降りていった。
(なんだか可愛げのない子だ…)
ちょっとイライラし始めているが、それでもやはりついて行くのだが…。
子供が地下室の戸を開いた。
(…え…?)