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【第4部】勇者参上!!~勇者マストダイ! 不適格勇者を直ちに排除せよ!!~  作者: Bonzaebon
第1章 勇者マストダイ!! 【勇者なのに……〇〇されました。】
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第6話 貴方を逮捕します!


「おば様、隊長はどうなるのですか? まさか、処刑されるわけはありませんよね?」



 俺が自身がこれから捕縛されることについて覚悟を決めていたとき、ヘイゼルは自分の上司の処遇についてオードリーに確認しようとしていた。たった今、隊長の任を解くことを宣言した訳だが、それだけでは済まされないことを悟り、刑の軽減を懇願するかのようだった。



「この男はあくまで反逆を犯したというだけ。闇に力を委ねた訳ではありませんからね。少なくとも極刑には至りません。」


「では、命は助かるのですね?」


「命は取りませんよ。ただし、謹慎処分などでは済まされないのです。心と体を”洗浄”した上で、再教育及び再強化の処置を施すことになるでしょうね。」


「再教育……再強化……、」



 その言葉の意味することはわからない。言葉通りの意味合いでないことは直前の”洗浄”というワードからして、一般的な意味合いでは済まされないことを暗示しているような気がする。その処置が終わったときには元のブレンダンとは別の人間に変わり果てているかもしれないのだ……。



「まさか、隊長は”神の洗濯場”に送られるのでは……。」


「その通りよ。闇の者達や反逆者を”洗濯”するためには必要不可欠な、あの場所に収容されることになります。そこにいる勇者と共にね。」


「俺もそんな物騒な場所に送られるのか……。」


「まあ! 物騒だなんて、人聞きの悪い。神の信徒へと生まれ変わる場なのですよ。即刻の極刑を免れただけでもありがたいと思いなさいな。」



 どうやら死刑になるというわけではないらしい。洗濯された上でブレンダンと同じような目に合わされるのだろう。じゃあ結局勇者は解任されるのだろうか? でも額冠が認めない限り、そういうことは出来ないはずでは? これを取り外すことすら出来ないからそのままということになるのか? いや、でも、フェルディナンドの時の様に魔法で無理矢理外されてしまうのかもしれない。



「貴方はブレンダンと違い更なる特別コースでの処置が施されることになるでしょう。」


「でも、この額冠はどうするつもりだ? これの加護でそっちの思いどおりにならないかもしれないぞ?」


「ご心配なく。だからこその特別コースなのですよ。法王聖下から秘策を頂いているのです。」



 オードリーはそう言い、一定のリズムで手を叩いた。何をしたのかと思いきや、その合図と共に剣十字の形を象った矛を持った集団がぞろぞろと押し寄せてきた。異端審問会の一般構成員達、俗に言う処刑隊、正確には”十字の刎首鎌”と呼ばれる者達がやってきたのだ!



「これより貴方、勇者ロアを拘束、捕縛します。おとなしく従わなければ、どうなるかわかっていますわよね?」


「ああ。おとなしく従うさ。」


「駄目! あなたが捕まるくらいなら私が代わりに捕まります! 元は私が助けられた事に起因するんですから!」


「良い覚悟ですね、エレオノーラ・グランデ。本来ならば貴女を先に捕縛するべきなのでしょうけど、そういうわけにはいきませんのよ。この勇者が存在する限りは貴女を救助する恐れがあるので、まずは貴女の守護騎士(ナイト)から排除せよとの命が下っているのです。」


「そんな……、」



 どうにもコイツらの行動に違和感があると思ったら、そういう理由だったのか! ”闇の力を絶対滅ぼす”マンな処刑隊が真っ先にエルを狙いに来なかったのは俺を先に排除したかったからなんだな。確かに俺はエルを何がなんでも守り抜くだろうし、奴らも事前情報でそれを警戒していたんだろう。


 特にオードリーはエルの叔母、ナドラと親交があるので、俺に警戒するように進言していたのかもしれない。俺がいたからこそあの時のオバサンの企みは失敗に終わったんだ。いなかったら、今ごろエルがどうなっていたかわからない。



「私も異議を唱えます! 何故、あの女を先に捕縛し処刑しないのですか?」


「ヘイゼル、貴女とそのお母様がこの二人に酷い仕打ちを受けたのは聞き及んでいます。この勇者こそが災いの種であるために色々と大切な物を失ったと。この魔の忌み子はその後じっくりと浄化するつもりですから、心配はしないで良いのです。」


「でも……、」


「ヘイゼル、時にはその苦しみ、屈辱に耐え抜かなければならないこともあるのです。これは神が貴女に与えたもうた試練なのです。それを乗り越えた暁には、必ずや貴女に祝福がもたらされる事でしょう。」



 なんだろう? すごく真っ当な事を言っているのはわかるが物凄い違和感を感じてしまうのは気のせいかな? 聖職者としては当然の物の考え方だと思うが、異端審問会みたいにお手々が血みどろに汚れきった連中がそんなことを言うからおかしくなるのだ。その正しさが狂気に満ちたものであると理解しない限りは延々と恐ろしいことが繰り返されるんだろうな。



「さあ、勇者ロア、貴方のその両腕を前に差し出すのです。」


「え? あ、ああ。」


(ガシャン!!!)


「は、はひ!?」



 両腕を差し出した瞬間、黒神官服の連中に腕や体を捕まれ、何やら手枷のような物を付けられてしまった! なるほど、手枷か! 確かに俺の腕を封じてしまうのは得策だろうな。俺の右腕は武器も同然だから。武器を奪おうにもこの義手を封じないことには剣を封じることが出来ないからだ。

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