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【第4部】勇者参上!!~勇者マストダイ! 不適格勇者を直ちに排除せよ!!~  作者: Bonzaebon
第1章 勇者マストダイ!! 【勇者なのに……〇〇されました。】
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第42話 長い物には巻かれろ!


「そーれ、34日!!」


「ぐぐう!?」



 俺はスミスの超低空タックルを食らい、転倒した拍子に足首を取られ捻り上げられている。スミスは自分の足を軸に回転しながら捻り上げてくるのだが、コレが堪らない! その度に足首へのダメージが来る。こんな技は初めて見た。関節技や組み技で何度も攻撃をするタイプの技は今まで見たことがない。



「生きてるって、なんだろ♪」


「生きてるって、なぁ~に♬ ……35日!!」


「うぐぐ!? なんだその歌みたいなのはっ?」


「これは夏の悲劇の歌だ! 一回転毎にしに近付いていく人生の無常を輪廻転生的な思想と共に垂れ流してやってんのさ! これを聴いたら、ああ夏休み、と叫ばずにはいられない!」



 ギリーがやたら楽しそうにおかしな歌の解説をした。流石に処刑技とはいえ、足首を破壊するのみの行為な為か、軽いノリで脱出出来ない俺を徹底的に煽ってきている! 何が輪廻転生だ! 違う宗教の思想が入ってきてるじゃないか! なんか他の宗教を馬鹿にしているのが腹立たしい。というか、待てよ? 輪廻転生? 回る? そうか! その手があった!



「それ、最後ですぞ! ……36……!?」


(ズリリッ!!)


「なっ!? 勢いでずれたか? スミス、ちゃんとヤツを固定しろ!」


「むむ! 相は言いましても……。」


「どうぞどうぞ! 更にお回りください! 長いものには巻かれる気持ちでいますので!」


「36……!? ぬっ!? 今一度、……36……!? またしても!?」



 そう回転……長いものには巻かれろ、の精神。スミスの回転と共に俺も同じ方向へ回転する! たったそれだけで技を封じることが出来たのだ。これも”蛇身寧行”の精神を生かした防御方法なのだ。(ホァン)ジィから技を教わったときに聞いた心得を生かしている。


 「積極的に技をかけられに行く」精神で技を外しにかかるのが重要なのだと教わった。無理矢理脱出するよりも相手の狙いに沿って動いた方がほころびが生じやすいのだ。かける側からすれば、逃れようとする相手を想定して力の加減をしているのだから、”引こう”としている相手に対して”押せば”どうなるのか、ということだ。スミスの技も回転するのに合わせて自分も動けば回転の意味がなくなってしまうのだ!



「そうらっ!!」


(ドカッ!!)



 俺は地面で更に回転し技の拘束から逃れた。そして起き上がると共にスミスを蹴り倒してやった。相手は俺よりも小柄だったため、容易に転倒させることが出来たのだ。相手の体格がそこにいるカボチャ兜ほどあったなら、俺は確実にあのままやられていただろう。流石に腕力・体格が不利だったら勝ち目はない。



「ちくしょー!? まさか夏の悲劇が返されるとは! スミスの処刑技の中では一番盛り上がるところだっていうのに!」


「盛り上がるなんて余裕をかましてるから、返されるんだよ!」


「こうなったら、季節一個飛ばしで”冬のカマクラ”をお見舞いするしかなさそうですね!」


「とうとう出るか! 冬将軍! ”春のパン祭り”と並ぶ、地獄の処刑技を!!」



 春夏秋冬、季節が順序別に繰り出されるのかと思いきや、秋を飛ばして冬の技を繰り出してくるようだ。絞め技()関節技()と続いて次は何が来るというのだろうか? しかも冬ということは最後を締めくくる技には違いないので、今度こそ本当に息の根を止めに来るかもしれない。



「行きますぞ! とりゃー!!」


(シュババババッ!!)


「始まったぜ! ”冬のカマクラ”の始動技”冬のソナタ”がっ!」



 またしても、スミスの姿が見えない! さっきと違って、動いている気配は感じる。だがあまりにも動きが速いためか、周囲全体から感じられる! 即ち、スミスが俺の周りを高速で走り回っているのだと考えられる! 腕力に関しては勝つことが出来たが、スピードにおいては全く敵わない。俺ではあんな速く動き回れない。相手の動きを捉えられない以上はこちらから手を出しようがないのだ!



「とうっ!!」


「ぬわっ!?」


「捕らえた! こっからだぜ真の地獄は! 地獄のカマクラ絞りをお見舞いしてやれ、スミス!!」



 突然、俺の視界を遮る物が飛来した! 感触からしてスミスに違いない。と判明した時には既に遅く、ヤツが俺の頭にギュルギュルと巻き付いていく感触が伝わってきたのだ! 飛びかかってくる方向を悟らせないように動き回った上で頭部を狙っての攻撃を仕掛けてくるとは! まさかこの状態で繰り出されるのは……、



「春夏秋冬地獄巡りNo.4! ”冬のカマクラ地獄絞り”!!」


(ギュウウウウウウッ!!)


「うわーっ! うわーっ!!」


「決まった! これで勇者の頭は地面に落ちてグシャグシャに潰れたパーシィモンみたいになるぜぇ!!」



 苦しい! 体を頭部に巻き付けた上での絞め技! 視界も奪われた上に息をするのも困難になり、閉塞感が半端ない! 最初の”春”の技は処刑台ごと巻き付いていたので威力が抑えられていたが、今度は局所的に頭部のみを狙っているので締める力が強まっている。このままでは窒息の恐れもあるし、頭部自体も砕けてしまうかもしれない!

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