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【第4部】勇者参上!!~勇者マストダイ! 不適格勇者を直ちに排除せよ!!~  作者: Bonzaebon
第1章 勇者マストダイ!! 【勇者なのに……〇〇されました。】
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第41話 竜巻撃《夏の悲劇》!! (※空耳です。)


「ふんぬぅ~!」


「引き絞られてパンになっちまいな!」



 組技から脱出する手段……”蛇身寧行”があるじゃないか! と思ったが、この状態では体を捻ったり捩ったり出来ないことに気付く。アレは自ら捻ったり捩ったりしながら体を柔軟にして技の拘束から逃れるという技だ。今のような身動きがろくに取れない状況下では使えない! 両手は広げられ、足を閉じた状態の直立姿勢で拘束されているのだから、その様な行為なんてとても出来なかった。



「スミス、もっと絞っていけ! 一番搾りだ!!」


「そうは言いますが……処刑台のお陰で思うように絞れません……。」



 脱出する手立てすら封じられた今、次なる方法を考えている中で、スミスも苦戦しているのだということがわかる。これはチャンス……のはずだが、これ以上どうすればいいというのか? と思っていたら、やけにガタ、ガタと重々しい音が鳴り響いている。 それは振動と共に俺の体に伝わってきていた。処刑台がスミスや俺の動きに反応して振動している?



(ガタッ、ガタッ!)


「何でぇ……? 処刑台がガタついてやがるのか?」


「ワープしてきた先で小石でも噛んでしまったのでしょう。転移魔術故の不都合とも言えますな。」



 何らかの原因で処刑台の地盤がグラついているのだろう。スミスの言うように転移してきたこの場所でたまたま小石が下にあったのだろう。さすがに魔術ではコントロールしようのない事だったのだろう。これを利用しない手はない!


「ふんぬ! ふん、ふん!!」


「あっ!? コラ! 暴れるな! 処刑台が倒れるだろうが!」


「まさか、それを狙って……ああっ!?」


(ガタッ!! ドッターーーーン!!!)



 俺が渾身の力で暴れた末に処刑台はバランスを崩して倒れてしまった! 俺はこれを狙って暴れたのだ。動きが取り辛いとはいえ、多少は動いて振動を起こすことくらいは出来た。その結果がこれ! そのまま後ろに倒れる事に繋がったのだ!



「ぐ!? ぐるじいっ!! 隊長代理、早くお助けなさい!!」


「だから代理って言うな! ああ、畜生! こんなこと言ってる間に勇者が勝っちまうじゃないか! ジャック! 処刑台を持ち上げろ!!」


「グオゴゴゴ!!!」



 倒れた拍子で苦しむ羽目になったのはスミスの方だった。俺もノーダメージではないが相手は地面と処刑台に挟まれる形になったのである! 下手に俺を体を巻き付けて攻撃していたために発生した悲劇(?)なのである。だが、さすがにこれはレフェリーストップがかかり、カボチャ兜によって抱き起こされる結果になった。



「ぐふう! た、助かりました! ホントに死ぬかと思いましたよ!」


「そのまま、死ねばよかったのによ! 処刑し損ねて死ぬたぁ、処刑人の恥さらしになったろうに!」


「アナタは黙ってなさい。でないと、アナタも私に処される事になりますよ?」


「しかし、もうコレは逆に不利だな? ジャック、そいつの拘束をほどけ!」


「なんだ? 俺の拘束を解くのかよ? 俺は一向に構わんのだが?」


「うるさい! でも、お前には例の手枷は付けた状態で戦ってもらうぜ!」



 処刑台に縛り付けたままで戦わせるという嫌がらせは思わぬ形で終了となった。まさか誰もあんな事故が起こるなんて思わないからな。最初からそうしておけば良かったのにね? でも、結局例の”神の縛鎖シャクルズオブグレイプニル”をはめさせられるのだった。引き続き額冠と剣の使用は不可能なのは変わりない。



「もう許しませんよ! こうなったからには春夏秋冬・地獄巡りをフルコースでお見舞いするまでです!」


「許すも何もあの状態でも構わないとか言い出したのはお前の方じゃないか!」


「しゃらーっぷ!! 春の次は夏の恐ろしさを味わってもらいますよ! ああ~夏休み、なんて悲鳴を上げながら苦しむことになるでしょう!」


(……ヒュッ!)


「えっ……!?」



 突然、スミスの姿が消えた! 見失ったとかそういうレベルじゃない。マジでいなくなったのだ! 魔法で消えたのかとも思ったが、アイツらが魔法を使えるわけではない。戦闘技術を頼りに生きる連中がそんなものに頼るはずがないのだ! と思っていたら、急に足に衝撃を感じ、それと同時に仰向けで転倒していた!



「ぐわっ!?」


「ハハ、足元がお留守ですよ?」


「出たぜ! 絞首刑地獄巡りNo.2、”|夏の悲劇《竜巻撃(たつまきげき~)》”! これでお前も終わらない夏休み(エンドレス・エイト)を味わうことになるぞ! ありもしない32日目の悪夢を味わうことにな!」



 俺すら察知できないほどに気配を消した所からの足元を狙ったタックルだったのだ! 転倒したときには既に右足首を捉えられていた。さらに左足で俺の右太股を押さえつけて固定していた……。まさかこのまま足首を極めようというのでは……!



「そ~れ、32日! 33日!」


「ぐおあーっ!?」



 足首に痛みが走る! それも日付のカウント毎にスミスが回転しながら、俺の足首を捻り上げているスピニングトーホールドのだ! まずいぞ、このままでは足首が死んでしまう! それどころかその先には本当の死が待ち受けている。これが終わらない夏休み(エンドレス・エイト)というヤツか! 俺が死を迎えるまでずっと続くのだろうか?


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