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【第4部】勇者参上!!~勇者マストダイ! 不適格勇者を直ちに排除せよ!!~  作者: Bonzaebon
第1章 勇者マストダイ!! 【勇者なのに……〇〇されました。】
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第40話 私は一向に構いませんよ?


「これで隊長代理とイツキさんはカップル成立ですな。私は勇者殿と戦うということで……。」


「何がカップルだ! 気持ち悪ィ!」


「だから。代理と呼ぶなと言っただろうがッ!!」



 何だかんだで、俺らの首のかかったデスマッチ三連戦の対戦カードが決定した。この組み合わせにはまだ不安を感じるものの、希望を信じて勝ち抜くしかない。俺が先陣を切って味方を鼓舞するしかないのだ。覚悟を決めたところで、一向に拘束が解かれない事に疑問を感じ始めた。その一方でスミスはファイティングポーズを取っているのだ。



「な、なあ? やるんなら処刑台から解放してくれよ。これじゃ、なにも出来んのだが……?」


「私は一向に構いませんが?」


「……は? 何言ってんの? 俺、動けないんだけど?」


「私は一向に構いませんよ? ハンデとして受け入れる覚悟です!」


「いやいや、逆じゃん! これじゃ逆ハンデだよ!」



 スミスは俺の拘束を解くこともなく、ファイティングポーズを取りながら、甘んじて受け入れるみたいな事を言い始めた。それどころかシュッシュッと声を出しながら、パンチの素振りをし始める始末……。ハンデって俺だけにハンデ背負わせるつもりか、この男? これじゃ完全に俺はサンドバッグじゃん!



「では敢えて……私も素手で戦いましょう。ハンデにはハンデで対抗するまでです!」


「いやいや、ハンデとして機能してないだろ! 俺は動けないんですけど?」


「”動かざる事、山のごとし”と、どこぞの古の兵法家も申しておりましたな。ただそれだけでも、アナタは戦術的行動を取っているのですよ。これを驚異と呼ばずして何とするのです!」


「それ意味履き違えてるから! 拘束されて動けないって、戦う前から負けてる行動だから!」



 素手で戦うのはまだしも、結局サンドバッグ的な状況に変わりがないではないか! しかも素手だから余計にサンドバッグに徹しないといけないじゃないか! おまけに素手程度じゃ、すぐには死ねないし痛みも長引くだろうから実質、拷問と一緒だろうが! こんなの最早戦いとはいえない……。



「手強いですね……。私は先制を取られたにも等しい状況! ならば、私の体術をお見せするしかございませんな!」


「おっ! 出るか久しぶりの”死のコース”が!」


「素手で死のコースってあり得るのかよ?」


「甘いな! スミスの本来の武器は体術! 別名”歩く処刑具”と呼ばれてるのを知らないんだな、お前は?」



 なにもしてないのに、先制をとった事にされている俺! おまけにスミスの闘志に火が着いた模様。必殺の”死のコース”とやらが発動してしまったようだ。スミスは摺り足で俺の近くまで移動しながら、殴りかかる……のかと思いきや体に組付いてきた! 死のコースとは打撃ではないのか?



「組技? 関節技、絞め技の類いかよ!」


「忘れたのか? スミスのコードネームをよ? 」


「忘れたよ、そんなこと! ブレンダンが断頭台ってことしか覚えてないよ!」


「そいつのコードネームは絞首台(ギャロウズ)だ! 絞め技に気を付けろ、勇者!」



 イツキの一言でようやく思い出した! 確か、ギリーが恥の仮面(シェイム・マスク)でカボチャ兜が車輪轢きブレイキング・ホイールだったな。まさか得意の攻撃方法もしくは必殺技がコードネームになってるとは思わなかった。てっきりノリで割り振っただけかと思っていた。思い出しているその間にスミスは細長い体を伸ばして俺に巻き付いてきていた!



「ぐっ!? シンプルに巻き付いて絞めてくるとは!」


「出たぜ! スミスの十八番がよ! 絞首刑地獄巡りNo.1、”春のパン祭り”!!」


「パン祭り、ってふざけてんのか、お前らは!」


「決してふざけてるんじゃないぜ? まるでパンを捏ねるようにスミスに体を引き絞られ、まるで春の夢を見るかの如く穏やかにお亡くなりにする技だぜ! 大抵のヤツはこれだけで根を上げてイッちまうのさ!」


「ぎゅ、ぎゅううーっ!!」



 く、苦しい! まるで荒縄を巻き付けられてぎゅーっと絞られている様な感覚だ! 処刑台に拘束されているから直接的ではないものの、圧迫感は相当なものに感じる! これで直接体に纏わり付かれていたら、一瞬にして絞め落とされるのは確実だったろう。そう考えただけでもゾッとする! この技だけで終わる相手が多かったと言うギリーの話にも納得がいった。



「クソッ! なんとかしないとやられちまうぞ!」


「そんなこと……言ったって……、」


「むむう! 処刑台のお陰でいつもより絞まり具合が甘くなってますな! これは持久戦の予感……。」


「ハッハ! いいぜ、スミス! 一瞬で終わるよりかは楽しめるぜ! 勇者が絞め落とされるなんて屈辱的な負け方が見れるかもしれないんだからな! その過程をじっくりと拝めるのもまた一興よ!」



 ああ……そうか。このままだと絞め落とされるのか。確かにそんな負け方した勇者なんて今までいなかったろうにな。前代未聞の屈辱的な終わり方になってしまうのだろう……。何か手立てはないのか? そう言えば……組技から脱出する技って何かなかったっけ……?

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