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【第4部】勇者参上!!~勇者マストダイ! 不適格勇者を直ちに排除せよ!!~  作者: Bonzaebon
第1章 勇者マストダイ!! 【勇者なのに……〇〇されました。】
35/55

第35話 助けに来たけど、どうすんの?


(ズゥゥゥゥゥゥン!!!!!!!)



 頭上に現れた謎の黒い影は手にした巨大な武器を思い切り振り下ろしつつ落下してきた! ちょうど着物少女の目の前、ギリーがいた辺りを狙って強襲してきたのだ。ギリギリ、少女には触れない範囲の攻撃でありながら、振り下ろした武器によって地面は崩壊し、大きく窪みが出来るほどの威力だった。



「ちぃぃぃっ!!?? とんだ邪魔が入りやがった!!」


「避けたか? 流石にバッタはよく跳ねるもんだな!」


「ダンチョーさん!!」



 乱入してきた黒い影の正体は犬の魔王タンブルだった。ここに来たということはイツキを助けるためなのか? その前に着物少女の危機を救う為に現れたようにも見えるので……流石に見ず知らずの人間を巻き込むわけにはいかないと考えたのだろうか? こうなるとますます、どちらが悪の陣営なのかわからなくなってくる。これじゃ完全に処刑隊が悪のムーブをしている様にしか見えないな。



「ケッ! お楽しみはこれからだったのによ! 邪魔しやがって!」


「その割には嬉しそうじゃないか? 俺がやって来るのを待ってたんだろう?」


「おうよ。ついつい顔に出してしまってたぜ!」



 着物少女に襲いかかるのを阻止された割にはギリーは悔しがっていない。口にした言葉だけで実際にはしてやったりな態度を取っているのだ。これも奴らの罠の一環だったのだろうか? タンブルをおびき寄せる為の罠? イツキを囮にして”神の洗濯場”を壊滅させる作戦を立てていたタンブル達を逆に罠にはめるつもりだったのか?



「アナタ達はワタシ達の仕掛けた罠にかかったのですヨ。うまく潜り込んできたつもりでしょーがバレバレだったのデス。ワタシの鼻は誤魔化せません。そこを逆に利用させて頂きマシタ!」



 てことは旅芸人達の正体はもしかして……タンブルやイツキの仲間なのか! 魔法か何かで人間に変身してきたのだろうか? ということはタニシに似た感じの人は本当にタニシだったということになる!


 ここまで俺でもわからなかったのに、スミスには匂いで察知されていたのだろう。慰問に訪れた旅芸人を装ってイツキと連携して騒ぎをおこすつもりだったのだろう。これがあったから、敢えてイツキは俺に真実を伏せていたのだろう。



「チクショウ! 俺が臭い飯に耐えてまで侵入してたってのにバレバレで台無しかよ! とんだくそったれ共だぜ、お前らは!!」


「しゅーん! 私の魔術が通用しないなんて!」


「見た目は完全に誤魔化せても、匂いまでは隠しきれなかったというわけさ!」



 正体がバレたところで、旅芸人のメンバーは真の姿を見せた。術を解きコボルトとしての姿を現したのだ。着物少女は小柄な黒っぽい犬のような姿に変わり、他の二人も体格大きめなコボルトの姿になった。同じコボルトとはいえここまで体格差があるとは……。タニシも元に戻ったと思われるが、途中で退場してしまったので今は姿が見えない。



「いったいつからだ? テメエら、処刑隊はそもそもこの場所にはいなかったはず!」


「ハハ、それはごもっともだ。メンバーが減った後とはいえ、俺らは別の任務に赴いていた。だが昨日になって洗濯場に急遽招集がかかっちまったのよ。司祭殿の指令でな。」


「あのババアに感付かれてたのかよ!」


「いいや、司祭殿もテメエがわざわざ捕まりに来たこと自体には気にしてなかったそうだぜ? あの元勇者殿が犬の魔王が現れるだろうと鎌をかけて一網打尽にしようと提案してきたそうだ。」


「シャルル! 元勇者に嵌められたのか!」



 オードリーは特にイツキを警戒してなかったというワケか。これは気付いていないって言うよりは何が起きようと叩き潰す自信があったから放置していたのかもしれない。あのオバさんは最終的に力尽くで解決するようなところがあるみたいだから、余裕をかましていたのだろう。


 だが、シャルルは違ったと。アイツも多分、タンブルを警戒というよりは俺と連携された時の事を恐れているのかもしれない。俺の力を念入りに封じて取り上げようとしているくらいだ。自身も元勇者で額冠の力をよく知っているからこそのムーブだと言えた。



「罠に嵌めたからといって、オレを容易く倒せると思うなよ? 魔王の力を舐めるな。」


「ハハ、心配すんなって! 俺ら処刑隊だけじゃ魔王に敵わないことくらいはキチンとわきまえてるぜ! 対策してないと思ったか?」


「犬の魔王、タンブル。お目にかかれて光栄です。」


「ワタクシ達のテリトリーに土足で入ってきておいてただで済むと思ってますの? ここは”神の洗濯場”相手が魔王であろうと洗浄して見せますわよ。」


「クッ! 随分と豪華な顔ぶれだな。良いのかい? 下手すりゃ、一気に教団は戦力ダウンだ。どうなっても知らないよ?」



 噂をすればなんとやら……ついにシャルルとオードリーまでもがこの場に姿を現した。これで異端審問会の主力はほとんど出揃った事になる。ブレンダンやヘイゼルはいないが、審問会トップと元勇者がいるだけでも十分脅威だといえる。それに……俺やイツキはまだ身動きが取れない状況にある。タンブルだって相当強いだろうが、戦力的には異端審問会の方が優位である。せめて……俺が動ける様になれば形勢逆転も狙えるはずだが……。

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