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【第4部】勇者参上!!~勇者マストダイ! 不適格勇者を直ちに排除せよ!!~  作者: Bonzaebon
第1章 勇者マストダイ!! 【勇者なのに……〇〇されました。】
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第31話 みんな、お花畑!?


『怪我人が出ましたので、少々お待ちください。』



 公演中に労災が発生したので、しばらく中断される事になった。茶髪の兄ヤンは股間を押さえた状態で固まり、失神してしまっている。他の共演者が担架を持ってきてそそくさと退場していった。


 なんか見てるだけでこっちまで恥ずかしくなってきた。とても他人とは思えないむず痒さがある。ポジション的に似たようなヤツを知っているから既視感が生まれてしまうのだろう。



「おいこら! いい加減にしろ!!」


「股間強打で失神なんて誰も見たくねーよ!!」


「やっぱ、そこの姉ちゃんがはだか踊りでもしないと気が済まねー!!」


「そうだ、そうだ! やれ、やれ!!」



 意味不明な大道芸、寒いダジャレに続いて、男の急所をセルフ直撃するという誰得な展開に囚人たちのブーイングはますます止まらなくなった。こういう公演では致命的なミスをやらかしたんでは……? ここから巻き返すのが難しい状況になってきたのではないだろうか? 



『はいはい、皆さん、お静かに! 加えてセクハラ的な発言も止めてください!!』


「なになに? やらしい芸でも見せてくれんの?」


『むーっ!! 言ったそばから! こうなったら、悪い子は全部お花畑になっちゃえ!!』


(しゅぽぽぽぽぽぽーーーーん!!!!!)



 出た必殺問答無用の”お花畑の術”が発動してしまった。例のごとく竹のホウキを振りかざした途端に囚人たちがお花まみれになったのだ! むさ苦しい集団が一瞬にして見渡す限りのお花畑に! これは最初の一発とは比べ物にならない効果範囲だ。まだあの時は本気を出していなかったようだ。



「お~はな~!!」


「勘違いも花*花しぃ!! お花畑で良かったんや!!」


「ブンブンブン、ハチが飛ぶぅ~!!」


「あへへ、うへ!!」



 相変わらず見た目以外の効果も絶大だ! ついさっきまでブーイングを飛ばしていた連中が脳内までお花畑になってしまっている! ”洗濯場”の洗浄・洗脳プログラムも真っ青な強力ぶりと言えた。下手に洗浄・洗脳するよりあの娘に術を使わせた方が世界が平和になるんでねーの?



『ハイ! 皆さんがおりこうさんになったところで、次に行ってみましょ~!!』



 全員お花畑になったところで、着物娘の進行が再開した。強引に術で黙らせて進行させるとは中々の豪腕ぶりである。将来大物になりそうな予感だ。それはさておき、今度は背の高い金髪男とずんぐりむっくりした胴着姿の東洋人風の二人組が登場した。さっき茶髪兄ヤンを担架で運んでいった連中だ。この二人も結構若い。この一座にはベテランは不在なんだろうか?



『私、エリンギと……、』


『僕、オカキが”食いしん坊バンザイ・チャレンジ”をやりま~っす!!』


「いいぞ~、やれやれ!!」


「よっ! 花咲か爺さん!!」



 エリンギとおかき? キノコと極東のお菓子? キノコはともかく、エラいマニアックなネーミングだな? 侍が好物と言っていたお米を加工したお菓子だと聞いたことがある。それがセンベイとオカキというヤツである。あの男、東洋人風だし、極東の出身なんだろうか? 着物娘もそんな感じだし、彼らは異国を回って公演でもしているんだろうか? ……というか花咲か爺さんって何だ!



『では、このアッツアツのたこ焼きを口で連続キャッチします!!』


『食うぞー! 食い尽くすぞー! 一つも取りこぼさずに全部食べちゃうぞ~!!』



 着物娘が何やらほかほか湯気の立っているキツネ色で丸い団子のような物体を皿に乗せて、のっぽ男の側にやって来た。その間にデブ胴着の男が反対側の離れた場所に行きスタンバイをしている。口をモゴモゴさせてヨダレを垂らして、今か今かと待ち構えている。ホントにやる気か? 離れた場所から見てても湯気が確認できる程アッツアツのモノをキャッチしようというのか? 無茶が過ぎるだろう……。



『さあ、いくぞ! それ!』


『あ~ん……、』


(パフッ!!)


『うんまい! ハイ次!』


『それ! ホレ! あ、ソレ!!』


(パフッ、ペフッ、ポフッ……、)



 デブ胴着は一個目を物の見事にキャッチ成功させ、味わった上で早くも次を催促していた。その後もいつ噛んでいるのか、と疑問に感じずにはいられないペースで連続キャッチしている。そんなことを気にしている内に皿の上の物はあっという間になくなっていた。



『ぱへ、はふっ!』


『見事チャレンジ成功です!! 皆さん、拍手をお願いします!!』


(パチパチパチパチパチ!!!!!)


「なにやってんだ、アイツら……。見てられねぇ……。」



 チャレンジ成功で拍手喝采となり見事トラブルで発生した険悪な雰囲気を払拭した。……まあ、これもみんなお花畑になったお陰だと思うけどね。その一方で手で目を覆って、呆れた末にお手上げ感を醸し出しているイツキの姿があった。何が不服なのだろう? そういや、俺たち、お花畑の影響を受けていないような気が……。



『さて次は、私、アンコちゃんがビックリどっきりマジックショーをお送りします!!』



 デブ胴着が横で口をモグモグさせている間に、着物娘が次の演目をやると宣言した。どうやら手品ショーのようだが、もう十分にお花畑を目の当たりにしてしまったので、これ以上のものが出てくるとは思えない。いったいどうするというのか?

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