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【第4部】勇者参上!!~勇者マストダイ! 不適格勇者を直ちに排除せよ!!~  作者: Bonzaebon
第1章 勇者マストダイ!! 【勇者なのに……〇〇されました。】
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第29話 慰問? お花畑? タワシ……??


「慰問かぁ……。まあ、どのみち最後だから、少しは気が紛れるか。」



 刑がいつ執行されるのかわからないまま、2、3日が経過した。その間に他の受刑者からある噂を聞きつけた。何か旅芸人の一座が慰問にやって来るのだと言う。しかも、滅多にそういう催しが行われないこの場所では異例の事態であるらしく、受刑者達も心が弾んでいる様だ。そして、とうとうその当日がやってきたのである。



「まあ、見てな。それなりに面白い事が起きるぜ。」


「えぇ? なんでさ? なんか旅芸人の一座に心当たりがあるのか?」



 俺達囚人一同はこの刑務所の野外集会場のような所に集められていた。なにかイベント事などが行われる場合に使われる場所であるらしい。俺達は何列かに連なって規則正しく整列されるような形で全て同じ向きで座らされている。その先には舞台のように一段高くなったところがある。おそらくそこで芸などの興行が行われるのだろう。



「あるっちゃあ、ある。詳しいことは言えないがな。」


「何それ?」



 周りは浮かれているが、俺達、”洗濯不要”トリオは特にテンション自体は普段と変わりなかった。俺はげんなりしていたし、名無し男も相変わらず謎の単語を呟いているだけだった。


 しかし、イツキだけはふてぶてしさが一段と増しているような気が……? なんか、慰問の話を聞いたときから不適な笑みを浮かべるようになったのだ。そんな態度取ってるけど、実は……楽しみで仕方ないんじゃないか? だとしたら以外とかわいい一面を持ってるんだなと思うが、果たして?



『皆さん、こんにちは!! 皆さんの元へエンターテイメントをお届けしに来た、”テッパン芸雑技団”でーす!』


「おっ? とうとう始まったな?」



 イツキのリアクションについて考察している間に講演が始まったようだ。進行役なのかどうかわからないが、一人の東洋人風の女の子が出てきた。白色の上着と朱色の下履きといった如何にも東洋風の着物を着ている。アレって侍の国では聖職者の衣装なのでは? なんかタニシがそういう話をしていたので知っているのだが、どうなのだろう?



「ヒュー、ヒュー! いいぜ、ねえちゃん!」


「服でも脱いでストリップ・ショーとかしてくれんの?」


『しません!! 絶対にそんなことやりませんよ!! そんなこと言うんなら、セクハラの罪で処刑隊の方々に言いつけて、その場で処刑してもらいますよ!!』


「固ぇこと言うなよ~!」



 なんか服を脱げとか要求する囚人がいた! 欲求不満が溜まっているからってあんまりな要求である。旅芸人を名乗ってるのにそんなセクシーな催しが行われるわけないだろ! ホントに刑務所だからなんでも無法に行えると思ってるのが怖い。そりゃ、あの娘もキレるわ。というか、むしろそのまま処しちゃってもいいと思うんです。



『セクハラの罪を犯した人はもれなくお花畑になってもらいます! それっ!!』


「どぅわ!?」



 白赤着物の女の子はどこからともなく竹で出来ていると思われるホウキを取り出し、気合いの声を出しつつ観客席の囚人達をなぎ払うような仕草をした。すると、どうだろう……一斉に花が出現した! しかも囚人達の頭の上にだ! 完全に席の前の連中は頭がお花畑になってしまったのである!



「うえへへ! お花がいっぱい~!」


「チョウチョが飛んでいる~!」



 なんか囚人の頭の中までお花畑になってしまった様だ。お花畑にされた連中はもれなく酔っ払ったみたいな感じで奇行とか奇声を上げたりし始めた! これは何だ? 魔法なのか? あの女の子は魔法を使えるというのだろうか? 植物とか草木を操る属性の魔法があると聞いたことがある。確か、エルのお友達のローラがその使い手だったな? こうやって実際に見たのは初めてかもしれない。



「なにやってんだ……。あのバカ……。」


「ん? どうした?」


「いや、なんでもない。アイツらのことさ。つまんねえこと言うから、あんな目に遭うんだよ。」



 なんだろう? イツキが妙なリアクションをしているな? 今のは誰に向けて言ったんだろう? あの娘に向けて言ったように見えたが、前の方でお花畑にされた連中に言ったのだと弁明している。ホントにそうなんだろうか? 実はあの娘のファンだったりして? 照れ隠しでごまかしたに違いない。



『さーて、お痛はこれくらいにして、お待ちかねのショーが始まりますよ!』


『みなしゅわ~ん! 1番手はこの、たにし回し……じゃなくてタワシ回しのタワシが勤めるでヤーンすぅ!!』



 白赤着物の女の子が改めて開始宣言をすると、茶髪の少年が出てきた。少年って言っても背が低めなので、若々しく見えるだけなのかもしれない。俺も低めな方だし人のことは言えない。それよりもともかく、この人を見ていると誰か別の人を思い出さずにはいられない。しかも語尾がヤンス……? いや、他人のそら似だろう。だってあの人、普通に人間だしな……。

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