表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【第4部】勇者参上!!~勇者マストダイ! 不適格勇者を直ちに排除せよ!!~  作者: Bonzaebon
第1章 勇者マストダイ!! 【勇者なのに……〇〇されました。】
26/28

第26話 ご想像の通り、負けは確定しました……。


「ハッハッハ!! 結局、有罪判決かよ! ざまぁ、ねえな!」


「笑うなよ。看守が見ている……。」



 結局、二回目の公判は俺の有罪判決で幕を閉じた。戻ってきた途端、それを笑いのネタにされているというワケだ。人の不幸を笑い飛ばすのもどうかと思うが、笑っている当人、イツキも立場的には俺と大差ない。それどころかもっと悪いかもしれない。彼のような獣人は教団の間では忌み嫌われる存在だからである。



「でもレオポルド司教もかなり粘ったんだぜ? 俺の無罪を証明するためにな。」


「司教? アンタ、この前は枢機卿とか言ってなかったか?」


「ああ、それは俺の勘違いだったわ……。」


「恩人の肩書きを間違えるたぁ、随分と厚い皮の面してんな。」



 そこを蒸し返すなよ、恥ずかしい! 俺もうっかり司教という単語を発してしまったのもいけないんだが。しかし公の場であんな間違いをしてしまったのはホントに赤っ恥だな。しかも、相手にも恥をかかせてしまったことを忘れてはいけない! なんかもっとエラい人みたいに思ってたのがそこまででもなかったみたいに思われるのはたまったもんんじゃないだろうな。



「今度はアンタが魔王の女を助けた事に対する公判だったよな? そんもの天地がひっくり返ったところで覆せる話じゃないだろう? ”神”ってのが存在する限りはどうしようもない話なのによ。」



 やはり誰もがそう考える常識的な認識らしい。神が良いって言ったら良い、神が悪いって言ったら悪いってのがまかり通っている。宗教が世間に行き渡っている国ではそれが当然であるらしいな? 俺の故郷では宗教もあったがそこまで強くなかったし、昔の哲学者の思想の方が常識として機能しているので、イマイチピンとこない話なのである。そういう意味でも俺は異端者なんだろうな。



「まずは闇術って絶対”悪”認定されていることに疑問を投げかけてたんだ。それは使い方次第なんじゃないか、って所に司教は切り込んだんだ。」


「そこにか? 魔王が使うってだけで十分、”悪”認定されてるようなモンなのによ。そこに敢えて突っ込んだワケか?」


「他の力、例として武力を挙げて説明してたけど、結局はどちらも大差ないじゃないか、って主張したんだ。」


「ハハ、そりゃもっともなご指摘なこった。」



 確かに言われてみれば、そこに誰も疑問を持たなかったがのかという部分について言及したのである。闇術は屍霊術(ネクロマンシー)とか毒みたいなエグい物ばかりのイメージがあるが、。そういう物だけじゃないよね、って事も言ってくれたのが良かった。普段からエルがアクセレイション使ってるのを見てるから、謝った認識の人だけじゃないのがわかって良かった。特に宗教家がである司教が言ってくれたのが大きい。



「でもな、シャルルはそれを認めた上で、”神の名の下に”なんて理屈を持ち出して強引に決着を付けてきたんだ。結局は神が許すか、許さないかどうかで決まる物だってな。」


「そうだろうよ。そうなるに決まってるだろうが。ここが神に守られた土地だって事を忘れるなよ。神より正しい物なんて存在しないんだ。神より正しい物なんて存在を許さないよ、って言うのを地で行くのが教団なんだからな。はじめから勝ち目なんて物はなかったんだよ。何を言おうが負けは確定しているようなもんだぜ。」



 それこそ神のお膝元なんだから、”神は絶対”でないと困るんだろうな。そこに切り込むのは神への反逆と見なされる、ってシャルルも言ってたもんな。あちらが神の側である以上、こっちは絶対的に不利なのである。はじめから勝ち目のなかった戦いで初戦だけでもあなたは持ち込めただけでも良かったと考えるしかないだろうな……。



「アンタは裁判で負けた。だが、安心しな。俺らクロガネ団の計画はこれで実行に移れると言うわけだ。」


「ハハ、人の不幸をタネにしやがって……。」


「まあ、そう言うなよ? アンタにも生還のチャンスがあるって事なんだから。」



 俺が裁判で負けるというのが始動の合図だなんて、どういう計画なんだろうな? コイツも詳細について何も話さないもんだから、全然想像が出来ない。まさか正面から攻め込んでくるなんて事じゃないだろうな? コイツらのボスは魔王なんだから、そんな強引な手段も取れなくはないだろうけど?



「一体どういう作戦なんだよ?」


「その内わかる。明日にもそれがわかるだろうさ。」


「でさ? 俺やお前はともかく、アイツも助けてやるんだろうな? 見捨てるとか言わないでやってくれよ?」


「ああ、大丈夫だ。得体の知れないヤツだが連れて行けば何か役に立つだろうさ。ここにブチ込まれるくらいなんだから、それなりの腕はあるだろうぜ。」



 俺はもう一人の同居人を気にかけていた。始めに来たときみたいにうめき声を延々と上げるのはやらなくなったようだが、依然として意思の疎通は図れていない。なので、何者で何が出来るヤツなのかまだ判明すらしていない。とはいえ、見捨てたくはない。ここにいるって事は何かしら言いがかりとか濡れ衣を着せられた可能性もあるから……。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ