表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【第4部】勇者参上!!~勇者マストダイ! 不適格勇者を直ちに排除せよ!!~  作者: Bonzaebon
第1章 勇者マストダイ!! 【勇者なのに……〇〇されました。】
23/27

第23話 正しい事に使ったからと言ってもね?


「異議あり! 彼は責務を放棄したとは言えません。」


「おおっ! 待ってました、枢機卿!」



 出た! レオポルドさんが満を持して登場した! いや、登場したと言っても、最初からそこにいたんだけどね。出番が来ましたって意味である。シャルルが俺の罪状の経緯を軽く説明し終えたところでの反証のターンがやってきたと見ての登場だろう。今回ばかりは無理かも……と思っていたら、ちゃんと出てきてくれたので安心した。



「いえ、私は枢機卿ではありませんよ。司教です。」


「え!? ウソ!? 間違えてました! すいません!」



 あれ? 違ってたの? 枢機卿じゃなかったっけ? レオポルドさんの肩書きって司教だったんだ? ぶっちゃけ、両者の違いについてもよくわかってないのが本音である。どっちも教団のえらいさんという認識しかない。将軍とか大将軍みたいにわかりやすくしといてもらった方がわかりやすいと思うんです?



「シャルル殿、あなたはロア殿が罪人を匿っているという罪があるとおっしゃいましたな? それは甚だ教団側の勘違いと言わざるを得ません。」


「勘違い? あなたの方こそ何をおっしゃっているのですか? 私はただ事実を述べたのです。彼が罪人を匿ったと言う事実に何の勘違いが生じると言うのです?」


「エレオノーラ殿が罪人であるという前提自体が間違っていると言いたいのですよ。彼女が罪人であるという前提、即ち体内にデーモン・コアを内包していると言いたいのでしょう? それは今、彼女の体内には存在していません。」



 体内にはない。それは俺が霽月八刃で斬ったからだ。彼女を魔族に転じさせる程の力を持ったデーモン・コアを破壊さえすれば元に戻るかもしれないと、あの時の俺は思った。しかし、体内にそれが存在するということは本人を斬らないと普通は壊せないし、取り出すことも出来ない。


 彼女が生まれてから二十年以上もかけて肥大化し続け、最早体の一部となっていたそれを取り除くのはほぼ不可能な事だと思われていた。しかし、八刃なら? 斬りたい対象にだけ絞って攻撃できる奥義ならどうなのかと、俺は考えるに至ったわけだ。



「コアは失われたとあなたはおっしゃるのですね? 消え去った証拠など何処にもないではありませんか。それを裏付ける事実として、件の女性は魔族達が使う闇術を行使していたという目撃談はいくらでもあるのですよ? 少なくとも罪状の根源である闇の力は失われていないという何よりの証拠なのではないでしょうか?」



 俺の奥義は間違いなくデーモン・コアを破壊した。その影響で暴走した闇の力からエルは解放され、魔族化していた体もウソのように元に戻った。これで完全に闇の力から解放されたかに見えたが、現実はそう甘くはなかった。依然としてエルは闇の力の影響を受けている。


 長い間、闇の力に晒された事によって体の属性が偏り、闇の力しか使えないようになってしまっていたのだ。後からサヨちゃんから聞かされたんだが、どうやら闇の力は精霊を寄せ付けない体質にしてしまうらしい。これは魔術師にとって致命的な体質であるらしい。精霊を寄せ付けないイコール属性魔法は一切使えないということになるのだそうだ。


 魔族はそういう理由から属性魔法は使えないらしい。中には属性魔法に見える物を使う者もいるそうだが、基本的には幻術の原理を使ってそう錯覚させているのだという。アイローネの下僕となり魔族と化したアンネ先生や魔術師ファイヤー・バードがそれっぽい攻撃をしてきたのはよく覚えている。



「確かに彼女は闇術を行使しているものと見られます。ですが、それを用いて人々に害を成している訳ではありません。彼女は私利私欲の為に力を用いているのではなく、ロア殿と共に人々を守るために行使しているのです。」


「それが例え本当の話だとしても、闇術の使用は否定できませんよね? 闇術は全般的に”禁呪”指定を受けています。それは使用だけに限らず、研究・解析も禁じられているのは誰もが知っているはず。使用目的が正しければ許されるという物ではないのですよ。」



 ヴァルが使った”血の呪法”、ハリスの”人造人間(ホムンクルス)”や”複製人間(クローン)”の技術などが”禁呪”指定されているものの代表例だ。これらの使用が禁じられている理由は生命倫理に反しており、何よりも”神”の領域に踏み込む行為として教団から強く禁止されているのだそうだ。


 他人の能力・特性を取り込んだり、生命を作り出したりコピーしたりするのは人間が手を出していい物ではないとされているからだ。じゃあ闇術は? アレは神への反逆を企てた”魔王”達が行使する術だとして全面的に禁止されているのだそうだ。闇術は”魔王”達が生み出した神への対抗手段だと言われているので存在自体が”悪”だと指定されているのだ。要するに”あってはならない物”としたいのだろう。



「闇の力はこの世に存在を許されていない者達が行使する非合法の力なのです。有効利用されたからといって、その行為が許されるわけではないのですよ。ましてや聖職者であり、司教を務められるあなたの口から語られる様な事柄ではないと思うのですが、レオポルド司教殿?」



 そうなんだよな……。彼に弁護されている俺がこう思うのもなんだけど、教団の要職に就いているレオポルドさんが闇術を肯定するのはどうかと思う。これ以上、エルを弁護するような事をしたら、彼自身の立場が危うくなるのではないかと心配してしまう。このまま覆せるような弁護が出来るとは思えないので、ここは下がってもらうしかないんじゃないだろうか……?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ