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【第4部】勇者参上!!~勇者マストダイ! 不適格勇者を直ちに排除せよ!!~  作者: Bonzaebon
第1章 勇者マストダイ!! 【勇者なのに……〇〇されました。】
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第2話 宗教家には冗談が通じない!


「で、スマッシュ・ポテトさんが何の用ですか?」


「言ってる傍から間違えるなんて、失礼な! しかもほとんど悪口な異名をよくもまあ本人を目の前にして口に出来ますわね!」



 ここまで来たらボケ倒してやろうと思ったら怒られた。よっぽどノリが悪いと見える。どっかの豚の人(※恐らくサンディイさん)なんて懇切丁寧に突っ込んでくれたのにな。やっぱ教団のお偉いさんなだけあって冗談が通じない。つまらんよね。



「貴方のオフザケもここで終わりでしてよ。今回は貴方を捕縛しに来たのですからね。」


「勇者を捕まえるだと? そんな暴挙が許されるのか?」


「暴挙? 冗談はお止めくださいまし。むしろ暴挙を働いたのは勇者の方でしてよ。これまでの活躍は大変目覚ましいものがあると法王庁でも話題になっておりますしね。その過程で行われた行為に問題があるのです。」



 暴挙? そんな大層な事をしたっけ? あるとしたら学院での事やフェルディナンドの件だろうか? 学院には壊滅的な被害が起きたし、俺との戦闘の果てに千年近くの間学院を牛耳っていたフェルディナンドをしに追い込んだ事実もある。でも、あれはフェルディナンドが暴走した結果だし、その他勢力であるタルカスたち反逆ゴーレム達が引き起こしたものでもある。



「まず第一に、貴方は先代勇者から臨時に引き受けただけにも関わらず未だに勇者を続けていること!」


「なんでそれを責められるんだよ! 俺だって最初から巻き込まれただけとはいえ、カレルから直々に勇者の使命を引き受けたんだ! 臨時だなんて一言も言ってなかったぞ、カレルは! 今回の戦いで無理矢理蘇らせられたカレルも俺を臨時の勇者だなんて認識してなかった!」


「先代がどう言った所で、そんな事実は何の保証にもなりません。貴方は異国の人間で、あくまで旅の途中で通りがかっただけの赤の他人ということ!」



 えぇ? 勇者にそんなルールなんてあったっけ? 聞いたことないよ? 別にカレルも言ってなかったし、剣の里ソード・ランで初代の勇者王にも認めてもらったくらいなんだけどな? 歴代の勇者の公認では問題があるんだろうか? こうなったら、勇者王の名前を出してみるしかない!



「勇者の剣を受け取ったときに勇者王にも認めてもらったんだ! 歴史上の偉人の意思を無視するって言うのか?」


「無視? それ以前に故人の意見など無為に等しいですわ。 ここ、現世は生命を持った生きとし生けるものの世界。生者の法・秩序を優先させずとしてどうするというのですか?」


「かつて世界を救った人の意見を聞かないのはおかしいじゃないか? 世界はその人がいなければほろんでたかもしれないのに。」


「歴代の勇者、すなわち、現世の世情とは異なる時代の常識を適用されても困るのです。それに勇者に成られる方々は一介の戦士に過ぎません。全ての勇者が政を心得ているわけでもありませんしね。」


「そうかもしれないけど……。」



 確かに歴代の勇者達は昔の人かもしれない。今の世界の状況を全て知っているとは限らない。額冠から外の世界を今生の勇者と共に見ているとはいえ、その景色に片寄りはあるのかもしれない。しょっちゅう戦いに駆り出されているのだし、その他のことを見ている時間は限られているはず。


 俺だってそうだ。周りからこの国の情勢を聞いたりはしているものの、全てに詳しい訳じゃない。残念ながらまだまだ知らないことの方が多いのだ。目の前のオードリーに反論できないのは確かだが、何か納得しきれないものを感じるのも事実だ。



「この件はここまでにしておきましょう。他にも罪状はありますからね。特に2番目の罪、魔王となりうる存在をこの世から抹消するどころか、それを庇護し、あまつさえ自らの伴侶としている事! これが最も許されざる行為なのです!」


「エルは魔族じゃない! 体内にあったデーモン・コアの欠片だって完全に破壊したんだ! もう普通の人と同じだ。それを誰かに責められるなんておかしいじゃないか!」


「闇の力を行使出来るだけでも罪深いのですよ。聖都ではあり得ないことです。何があろうと徹底排除すべき存在なのです。その存在を積極的に排除する為に結成されたのが”異端審問会”だということをお忘れなく!」



 クルセイダーズはそこまで徹底した方針を取っていないが、異端審問会というか処刑隊は闇の力を持つ者に対して容赦ない、と聞いている。かつては獣人にさえその対象としていた歴史があるらしく、あらゆる場所で殺戮に明け暮れていた時代もあったと聞く。ただ聞いただけでも寒気のする話だ。今では落ち着いたとはいえ情け容赦なく冷酷に排除を続けていると言うのだから恐ろしいという他ない。



「ここにいやがったか、糞ババア! 俺の獲物に手を出すなと言ったろうが!!」


「ブレンダン……。貴方は引っ込んでおいでなさい。貴方が手を小招いているから、ワタクシが先陣を切ってやって来たのですよ?」



 俺がオードリーに糾弾される中、ブレンダンが姿を現した。語調も荒くなっているが、目も血走り、怒りの感情を露にしている。コイツはオードリーの部下のはずだが、上司に対してそんな言動をしていいものなんだろうか? まあ、でも、アイツなら相手が誰だろうと歯向かいそうな気もするが、果たして?

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