表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【第4部】勇者参上!!~勇者マストダイ! 不適格勇者を直ちに排除せよ!!~  作者: Bonzaebon
第1章 勇者マストダイ!! 【勇者なのに……〇〇されました。】
19/21

第19話 I want to get truth!!


「考える時間は十分にあったとおっしゃるのですね? そうだとすれば我が国に関する情報はどこから得たのでしょうか?」



 そうなんよね。レオポルドさんの言う通りやわ! うまいこと考えてはるわ! そんなね、追放された人間がね、行く先の情報なんて仕入れてるわけがないんですよ。実際、行き当たりばったりの旅路でしたよ!


 追放されたショックでなんも考えられない状態で行き着く途中でいつかは野垂れ死んで、人生を終えるものとばかり考えてました! 人生ノープランな私に計略なんか立てられるはずがないんですよ!



「我が国の情報などありふれている物ではないですか。教団の威信や騎士団(クルセイダーズ)の名声など異国にも轟いていると言いますしね? ましてや勇者の伝説など伝播しやすい話は一般市民なら尚更求めているような情報なのではないでしょうか?」


「多少なりとも情報は知っていたと考えられるでしょう。その程度の話であれば話のタネとなりましょうから。しかし、”勇者の額冠”の力についてはどうでしょうか? それこそ我々教団関係者や知識人の間では半ば常識となっておりますが、世間一般では秘匿されている情報など耳に入るはずもありません。」



 勇者の額冠なんて俺は全く知らなかった。勇者という英雄が存在することは知っていたが、額冠の事なんて知る由もない。被っただけで歴代の人々のスキルが共有出来るなんて思いもしなかった。


 それどころか翻訳機能までもが付いていた事にはビックリした。カレルに母国語で話しかけられたことには驚いたもんだが、俺も額冠を着けた瞬間からこの国の言語をペラペラしゃべれるようになったんだからな。異国語なんて1ミリも勉強しなかった俺がだよ? そういう知能的な壁も乗り越えるのが額冠の力だと思い知ったのは言うまでもない。



「そのような情報がないにも関わらず、彼が勇者の額冠を奪っただけで勇者になれると思うはずもありません。例え、カレル殿から事前に説明があったのだとしても、信じがたい話には変わりないでしょうな。」


「フフ、でも瀕死であったカレルにその様な説明が出来る猶予はあったのでしょうか? 彼は知っていたからこそ、カレルにとどめを刺し奪ったのではないでしょうか?」



 うん、まあ確かにカレルは命の灯火が消える直前だったし、そんな説明の時間はなかったと思う。でも俺は目の前の男が必死に懇願する姿を見て、その行為には偽りはないと感じたからこそ、何も考えずに額冠を着けたのだ。


 信じずに放っておいたら、いけないような気がしたから俺はそうしたんだと思う。後悔するのは後からでもいいと思ったんだ。これが真相だが、法廷で論争を続ける二人に伝わるかどうかは別の問題だった……。



「瀕死? あなたは今カレル殿が瀕死であったとおっしゃいましたな?」


「ええ。確かに言いましたたが、それが何か……?」


「では、どうしてそのことを知っておいでなのでしょう? 密室的状況下で、何が起きていたのかもわからないというのに、何故知り得たのですか?」


「……!」



 法廷がざわめく! 俺は当事者だから違和感を感じなかったが、あの日何が起きていたのかわかっていない以上、誰も知り得ない情報なのは確かだ。あの時点でカレルが瀕死だった事を知らせたのは俺。そして、あの日に何が起きていたのかを知らない上で、俺がカレルに手をかけたと疑うシャルルと異端審問会。


 俺が無実なのを疑うクセに”カレルが瀕死だった”事を鵜呑みにするのは確かにおかしい。もっと違う状況で殺害されたと証言すべきなのは確かだろう。しかも、それを指摘されたときのシャルルの様子がおかしかった。それまで冷静に表情を大して変えなかった彼が、焦りにも似た表情を一瞬だけ見せたのを俺は見逃さなかった。



(カンカン!!)


「皆さん静粛に!」


「それは……ロア殿が証言していた情報から取った物ですが?」


「ほう? 彼の証言は偽りであると断じているのに、その点だけは信じるのですか? いえ、それ以前にあなたは”カレル殿が瀕死だった”事実を知っていたのではないですか?」


「何をおっしゃいますか。私がその様な事……、」


「あなたはその日の真実を知っておいでなのでしょう? それどころか、カレル殿の真の殺害犯の事もご存じなのではないですかな?」



 えぇーっ! こりゃまたとんでもない発言が飛び出てきた! 法廷も今まで以上に大騒ぎな事態になった! 俺に疑いをかけるのは……「あなたが犯人側の勢力なのでは?」という反証で返してきたのだから、ビックリもするよ! こうなると、カレルが散り際に語っていた陰謀説が真実味を帯びてきたという事になるが……果たして?



(カンカン!!)


「皆さん静粛に!!」


「面白いことを言う方ですね? この法廷はロア殿の殺人疑惑を問う場であるというのに。」


「それに反証するならば、真犯人を暴くことが一番の解決に繋がると思うのですがね?」



 この法廷はまもなく決着が付きそうな気配が漂い始めた。明らかにシャルル側の旗向きが悪くなり始めたのは誰が見ても明らかだった。シャルル側には何か秘匿している情報があると見られるので、隠し続ければレオポルドさんの追求からは逃れられないだろう。しっかし、あの人、凄すぎない? 俺に絶対不利な状況下でここまでひっくり返してしまうとは恐ろしい手腕の持ち主だな……。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ