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【第4部】勇者参上!!~勇者マストダイ! 不適格勇者を直ちに排除せよ!!~  作者: Bonzaebon
第1章 勇者マストダイ!! 【勇者なのに……〇〇されました。】
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第18話 Not even justice!


「これでおわかり頂けたでしょう? 勇者ロア殿があなたの言うような謀など企てる人柄ではないと。」



 俺では全く黙らせることの出来なかったシャルルをこのレオポルドさんはあっさりとやってのけた。これでカレル殺害の疑いが晴れた……訳ではないと思う。ここまでの展開ではあくまで俺が権謀術数を企てる人間ではないと証明されたに過ぎない。ここでやっとイーブン、有利不利がフラットになっただけ。本番はこれからだろう。



「フフ、大した物ですね。そこまで被告人の人間性を証明してみせるとは……想定外ですよ。ですが、まだ勝ったとは思わない方がいいですよ。」


「それはわきまえておりますよ。ロア殿の潔白性を証明出来ただけですから。事の真相に関してはここからが本番と言えましょう。」


「彼の性格についてはわかりました。ですが、あの日の事件の容疑を晴らすには至っておりません。レオポルド殿、この日の彼の潔白を証明することは出来ますか?」



 ここからレオポルドさんの腕の見せ所だろう。とにかく情報網が凄いのはわかった。しかし、あの日の密室的状況からどこまで情報を提示できるのかが命運を分けることになってくるだろう。目撃者がいない事件を調べるなら、その現場に残されていた物とかを見るしかないんだろうけど、そんな物残ってたかな? 考える限りでは暗殺者の死体くらいかな?



「まずは彼の行動に計画性がなかったことの証明からさせて頂きましょう。」


「おやおや、またまた彼の性善性の証明が始まるのですか?」


「よくその様なことが言えますな? シャルル殿、あなたの方こそ、状況証拠でしか事件を実証できていないではありませんか。私はその反証を行いたいのですよ。」


「ほう? ではお聞かせ願いましょうか?」


「彼が何故、この国にまでやってきたのか? その説明からさせて頂きましょう。彼は東に存在する大帝国の出身なのは皆さんもご存じでしょう。そして、武芸の名門”流派梁山泊”の門徒であったことも。」



 俺が異国の人間であることは今では周知の事実となっている。それは”大武会”に出場したことが大きく影響している。しかも決勝大会にまで進出し、優勝まで果たしてしまったんだから、目立たないはずがない。


 その決勝戦も宗家との戦いになったので流派梁山泊の評判まで押し上げる結果になった。だけど、あの事件には大して関係がないはずだが、彼はこの事実をどの様に絡めようというのか? 全く予測が付かない。



「もちろん、私も存じていますよ。騎士団(クルセイダーズ)の人間ですら敵わなかったと言う事実は語り草となっておりますからね。ですが、それとあの事件にどの様な関係があるというのです?」


「話を続けましょう。彼がこの国に来る遠因となった事件もご存じでしょう。”流派梁山泊”に身を置く者は一定期間の内に成果を果たせなかった場合、破門後追放処分という掟があるのだそうです。」


「その事実も存じていますよ。彼は不適格者の烙印を押され、身の置く場所のない人間になってしまった。いくらか時の経った現在では皮肉にも似たような境遇に戻ったことを意味しているのです。不適格者はある意味で罪人に近しい存在なのです。追放されるという意味ではね。」



 あれ? なんか風向きが怪しくなってきたような……? 俺が破門されて追放された経緯が逆に、かつて”不適格”判定をうけた人間だという証明になってしまってない? 「そら見たことか、また不適格になりましたよ?」的な揚げ足取りにシャルルが利用し始めた。このままでは巻き返せないまま、有罪判定になってしまう!



「不適格なだけで彼にはやましいところなど一つもないではありませんか。事実、彼の家族とも言うべき人物もそう証言しておられます。ただ、実力が認められなかっただけであると。それだけで犯罪と呼べるのなら、この世は罪人で溢れかえってしまうでしょうな。」


「これは少し私の認識が過ぎてしまったかも知れません。以後は慎むとしましょう。」


「少し話が逸れてしまいましたが、彼には殺人の計画などなかったのだという証明になると思うのです。追放され、行く先も定まらないままで勇者簒奪などという大それた策謀を企むのでしょうか?」


「それはどうでしょうか? 彼には考える時間は多くあったはずなのです。東の国からこの国までの道程がどれほどあるとお思いですか? 一月では足りない距離を有するのですよ? その間に計画の算段をするには十分な期間があったと考えられます。」



 追放された勢いで、他国に行ってその土地の英雄の座を奪っておいしい思いをする……そんなの考えつくはずがないじゃん! そんなだったら、なんか面白い商売でも考えて富豪になるとかいう妄想でもすると思うんです? 実際そうでしたよ!


 でも元手が足りなすぎてなんも出来なかったっていうオチですが。ちょっとした路銀を稼ぐのもしんどかったのにそんな計画立てられるかっつーの! そんなん時間があったとしてもどだい無理な話なんですよ! アホなんかが知恵を絞ってもそんな悪知恵1ミリも発生しないんやで? 怒るでしかし!

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