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【第4部】勇者参上!!~勇者マストダイ! 不適格勇者を直ちに排除せよ!!~  作者: Bonzaebon
第1章 勇者マストダイ!! 【勇者なのに……〇〇されました。】
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第14話 まさかの先々代!?


「おやおや? 私の出番ですか? オードリー、貴女の手腕なら問題ないと踏んでいたのですが……。」


「あなたは……!?」


「シャルル・アバンテです。ヘイゼル・グランデさん。」



 やっぱりシャルル様だった。5年ほど前、あの女が屋敷からいなくなってしばらくした後に母を尋ねてやってきたことがあった。そのときが初対面。5年ぶりの再会ということになる。まさか、こんなところで再会することになるとは思わなかった。



「5年ぶりですか。大きく、そして美しくなられましたね。」


「あ、はい、ありがとうございます。まだまだ未熟者ではありますが……。」


「だいぶ印象が変わられたようだ。とても辛い経験をされたのでしょう。実家が焼け落ちてしまったとお聞きしましたが?」


「はい。あれから色々なことがあり、失ったものも多かったですがその分、心が強くなったと思います。」



 私は義手となった右腕をさすりながら言った。今は戦闘用のフェイタル・ギアから普段の生活用の通常型の義手を付けている。実家である屋敷を失った私は復讐を遂げるための実力を身に付けるために魔術学院に入学した。そこで偶然、あの女と再会した。神様が与えてくれたチャンスだと思い、実習のタイミングを見計らって襲撃したけれど失敗に終わった。



「あなたは……右腕を……?」


「復讐に失敗した代償として右腕を失いました。でもそれが皮肉なことにオードリーおば様の元を訪れる切っ掛けになったのです。」



 代償として右腕を失う羽目になった。でも、それは新たな出会いをもたらす事になった。タルカスおじ様との出会いは右腕を失ったところから始まった。おじ様も人間への復讐を目的としているという事で私たちの間には奇妙な連帯感が生まれた。


 その後、おじ様の計画に協力したものの、あの女やニセ勇者一味に阻まれ再び辛酸を嘗めさせられる結果になった。私は悔しい思いをしただけで済んだものの、おじ様は体を失う羽目になったのだからまだ良かったと思う。



「義手の製造元とおば様に繋がりがあると知り、教団への入門を決意しました。私の復讐を遂げるために異端審問会のお力を借りる必要がありましたし、おじ様の体を再生するにはどうしても工房(ミダス・ファクトリー)に協力を得なければいけなかったのです。」


「なるほど。そういうことだったのですね。」



 実は学院の内情を探るためにタルカスおじ様と異端審問会は協力関係にあった。それはテンプル騎士団に対抗するためだったと聞いた。昔から学長とテンプル騎士団は協力関係にあるという噂があったためだ。異端審問会は学院との因縁が深い工房(ミダス・ファクトリー)と協定を結ぶことになったのだという。


 工房とは、かつて存在していた錬金術師協会の残党組織であるらしい。昔にテンプル騎士団や学院から強く避難され壊滅に追いやられた事が切っ掛けとして、極秘裏に活動を行いながら再起を窺っていたのだ。その繋がりがあるため隊長の義手や武器、処刑具などの提供を行っているのだと聞いた。



「事情はわかりました。あなたが復讐のために全てを擲っているという気持ちもわかります。その事実だけでもあなたは勇者として戦う意義があると言えるでしょう。」


「ですが、私には少々荷が重すぎるような気がするのです。」


「そう思えるかもしれませんが、私たちが全力でカバー致しますよ。歴代の勇者、そして先々代に勇者を勤めあげた私もそうだったのですから、遠慮することなど、自らの未熟を恥じることなどないのですよ。人は使命を持ってこそ、大きく成長するものなのです。」



 おば様に説得されても、心の中に引っ掛かりがあった。私ごときが勇者になっていいものか疑問はあった。実力だけでなく持っている使命はおば様やブレンダン隊長の方が立派だと思う。もし私が勇者となれば、二人と並ぶような事になってしまうのでは、と考えてしまう。共に並ぶには十年も二十年も早い気がしてならないのだ。



「あなたには若さという立派な武器があるじゃないですか? 我々、大人が失ってしまったものを持っている。いえ、私たちもかつてはあなたと同じだった。若さというのはある意味伸び代、未来の可能性とも言えるのです。それを生かすには使命感や夢というものが必要不可欠だと私は考えています。」


「その伸び代や可能性を生かすために使命を持て、とおっしゃるのですね?」


「その通り。あなたの可能性は未知数だと言えます。今のお歳で勇者となれば磨かれる時間も多い。あなたが年を経て気付いた頃には偉大な勇者となっているでしょう。」



 使命を成し遂げるためには力が必要なのは今までの失敗で学んでいる。もし、勇者の力を得たのならば……それもいずれは成し遂げられるほどの実力を得ている……のかもしれない。でも、私に出来るんだろうか? 世界を救うという様な立派な使命に比べれば、浅ましい情念なのではとさえ思えてしまう。



「少なくとも、今の勇者がそのままのさばっている事が正しいとは思えないのですよ。ただ破門をされて彷徨っていたような男に立派な使命があると言えるのでしょうか? 簒奪者などに正義があるとは思えないのですよ。」


「それは……どういう……?」


「これから私たちが暴いて見せます。簒奪の勇者の本性をね。」



 言葉の意味は知れない。あの勇者の真実は知らないけれど、先代のカレル様が息の絶える直前に通りすがった、あの男に使命を託したのだと聞いた。シャルル様はそれが偽りであると言いたいの? あの男にその様な疑惑があると思っている……?


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