表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【第4部】勇者参上!!~勇者マストダイ! 不適格勇者を直ちに排除せよ!!~  作者: Bonzaebon
第2章 勇者マストダイ!!【誕生、勇者2号! ……逃亡中だけど。】
126/126

第126話 サーキットの狼、シジミちゃん!


「毎日、毎日、精が出るなぁ。日中も仕事して疲れてるはずなのに……。」



 勇者2号ことウィンダムは練習後の休憩中に呟いた。レース本番に向けてひたすら走行の練習をするシジミちゃんのことを言っている。彼女は朝からアイスクリンの販売を行っているが、大体昼過ぎぐらいに売り切れる。


 そうなると時間が大分余るのだが、その時間を練習に当てている。とにかく日が暮れるまでは可能なので、親方の工場に帰ってきたらひたすら練習に励んでいるのだ。時にはイツキとの模擬レースをして感覚を掴むようなこともしている。



「でも、とにかく走るのが好きなんじゃないかな。乗ってるときの彼女は凄く生き生きしている気がする。おいらにはそう思えるよ。」


「生き生きしているというか……別人みたいになってるよね。もうなんか犬から狼になっちゃってる様な感じで。」



 相変わらず彼女の変わりっぷりは激しく、アイスクリンを売っている時とは別人みたいにロコツに変化するのだ! なんというか、スピードの鬼、スピード狂というべき性格になる。だんだん慣れるにしたがって、激しさは増す一方。一人称が”オレ”になっているときがあるので性別すら変わっているのでは、と思えるときもある。



「あのレース、場合によっちゃあ、運転を他メンバーに交代してもいいそうだけど、俺らはシジミちゃん一択だよな。」


「ん? ああ、もしかしたら、おいらもやらなきゃいけないのかなと思ったよ。」


「なんで? お前、馬とかに乘れるんか? そういう経験がないと出来ないじゃないか? 俺はなんにも乘れないけど。」



 以外とウィンダムは運転の機会があるものと思っていたらしい。なんでそういう発想になるのだろう? ただでさえ記憶喪失で自分が何者かさえも判明してないのに? 割りと責任感とかが強いタイプのようだ。勇者のように人のために戦いたいとか、戦闘訓練を受けていた様な感じではあるから、何らかの乗り物の訓練も受けていたのかもしれない。



「馬……ではないと思うけど、なにかこう、あんな感じの乗り物に乗ったことがあるような記憶があるんだ。シジミの運転で車体に同乗していた時にそういうのがふと頭に浮かんだんだ。」


「えぇ!? 車体の運転経験があるって言うのか?」


「なんだろう? 全く同じのではなかったのは確かなんだ……。」



 ウィンダムの記憶が蘇り始めている? 車体に乗っているときの感覚が何かを呼び覚ましたのだろうか? それなら積極的に乗せて更に記憶を刺激した方がいいかもしれない! もしかしたら、運転すればもっと、という可能性もある! もっと詳細を聞いてみよう。今の段階でも何か思い出せるかもしれないし……、



「同じじゃないって、どんなのに乗ってたんだ? 俺には想像がつかないんだが?」


「うう~ん? なにか車輪を回して走っているのは同じ、だったと思う。ただ……、」


「ただ……? 車輪が横向きに回ってるとか、回る方向が逆とかだったりするのか?」


「いや、そうじゃなくて、車輪は合計で二つだったと思うんだ。」


「何ぃ!? 二つだと……!?」



 車輪が二つ? てことはチャリオットの荷台部分みたいなのか? あれは左右に付いていているし、インペラトール号やオリッツォンテ号を半分の長さにしたようなものと考えていいのだろうか?


 しかし、それはバランスを取れる構造なんだろうか? チャリオットってのはあくまで馬に繋いで使うからこそ荷台が平行になるのであって、単体では成り立たない気がするんだが? 無しだと遊具のシーソーみたいにギッタンバッコンするしか能のない車体となるが……?



「左右に一つずつ車輪が付いてるようなヤツか? それとも、それ以外の形態?」


「違うんだ。前後に一個ずつ付いていたと思う。それが縦一直線に並んでる感じで……、」


「前後に二つぅ!? それだと余計にバランスが取れないじゃないか!? 横に倒れるじゃん!」


「それこそ馬みたいに跨がって乗り込むタイプなんだ。走っていない時は倒れるかもしれないけど、走行中は不思議と倒れないんだな、コレが!」



 前後二つだと倒れるではないか! それとも倒れないようにバランスをとって走るとかいうのではあるまいな? ヤジロベーじゃあるまいし、走行以外にバランスも考えないといけないとか無理がありすぎるだろ! 馬みたいに跨がったからってバランスが取れるような門じゃないだろう。足を地面につけたまま走るわけにもイカンし……。ますます謎めいた乗り物だなそれは!



「それを乗りこなしてたって言うのか? 信じられない話だな……。」


「乗っていた……と思う。なんだか懐かしい感じがするし、乗りながら戦闘もした憶えがあるんだ。当然、相手も何らかの乗り物に乗っていたと思うよ。」


「乗りながら戦闘だとぉ!? まるでこれからやるレース競技みたいじゃないか!?」



 乗りながらの戦闘ってことは、戦車戦や馬上戦闘みたいなもんじゃないか! 今度やる競技も走行だけでなく、相手への妨害、戦闘行為も許されていると聞く。そういう意味でもサバイバルなのだそうだ。だとしたら、ウィンダムはかなりの戦力になることも期待できそうだな。記憶を取り戻すチャンスもありそうだし、一石二鳥だ!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ