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【第4部】勇者参上!!~勇者マストダイ! 不適格勇者を直ちに排除せよ!!~  作者: Bonzaebon
第1章 勇者マストダイ!! 【勇者なのに……〇〇されました。】
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第11話 こんなところに顔見知り……?


「お前には個別で尋問を行う予定がある。お呼びがかかるまでここでおとなしくしている事だ。」


「ええっ!? ちょ、釈明の機会はないんすか?」


「ない!!」


(ガション!!!)



 ”神の洗濯場”に連行され、直行で牢屋に送り込まれた。ブレンダンは別の所に連れていかれたようで、完全に隔離される形になってしまった。これじゃ、ヤツの考えていた脱出の策は実行できなくなるのでは? それとも自分だけ脱出するつもりなんだろうか? 明確な答えが得られないまま、牢屋に入れられる形になったのだ。



「新入りが来たか? しかもどこかで見たことのあるような面をしてやがるな。」



 牢屋には先客がいたようだ。てっきり一人きりで独房とかいうところにぶちこまれるのかと思っていたら、想像とは違う展開になった。というか裁判とか審問とかなしで直接牢屋送りって何? 昔聞いたことがある話と大分違うんだが?


 国によって違うとかそういう問題じゃないよね? それよりも先客は俺の顔を見たことがあるとか言ってるな。それはそこそこ俺は有名人という理由もあるが……先客にも見覚えがあるんだが? 見るからにコボルトであり、細身且つ長身で目付きの悪い男。



「誰、アンタ? どこかで会ったっけ? 名前までは知らんのだけど?」


「忘れたのか? 初めて会ったのは牧場。お前らの聞き込み調査の様子を眺めていた。」


「ん? 牧場?」



 牧場……タニシの友達、ピエール君の家に遊びに行ったときの事を言っているのか? あそこで起きていた怪事件の調査を依頼された俺たちは、謎の黒犬コボルトに会い、事件の犯人が羊の魔王(ハリス)だということを暴いた。黒犬の正体も魔王だった。それがあの事件の顛末だったはず。そういえば犬の魔王が立ち去る時に仲間のコボルト3人と合流していたような……?



「お前、犬の魔王の仲間か?」


「ようやく思い出したようだな。俺はクロガネ団のイツキ、団長の片腕をしている男だ。」


「なっ!? なんでこんなところにいるんだ? この前もハリス退治に参加してたんじゃなかったのか? まさか、あの時全滅して……、」


「んなわけあるかよ! 俺たちは生きて帰った。結果は惨敗だったけどな。」



 前のハリス退治の時にタニシ達が塔に入るところまでは見た。そこからはどうなったのかは知らなかった。それ故に心配にタニシの事が心配になってたんだが、ブレンダンから情報が得られた。アイツらインビジブル・シックルズと犬の魔王パーティーが交戦する事態に発展したのだと聞いた。


 そこでタニシが恐怖のあまり漏らしていたと笑い飛ばしていた。その後、何故かヘイゼルとタヌキ娘の二人にフルボッコにされていたそうだが……。まあ、とにかくいつも通りのタニシっぷりが健在なようだったので安心した。でも、その後はブレンダンもどうなったのかは分からないと言っていた。



「一応、聞いとくけどタニシは無事なんだろうな?」


「当たり前だろ。あのヘタレに死ぬ様な要素は一つもないぞ。」


「それなら良かった。でもアンタがここにいる理由には繋がらないんだが?」


「お前が途中でヘタレなんかに気を取られるからだ。俺は事の顛末を話そうと思っていたのによ。」



 自分がどうこうとかの前に気になっていた事なんだから仕方ない。俺にとってのほぼ唯一と言えるくらいの遊び友達なんだから。祖国にも友達はいなかったから尚更だ。それ以前には……思い出せない。何故か靄がかかったように昔の事が思い出せない。誰か大切な人がいたような……? なぜだか、代わりにグレートの顔が浮かんでくる。何故なんだろう?



「俺らはお前らとは別にハリスの命を狙っていたが、返り討ちにあった。うちのタンブルがこっぴどくやられてしまったからな。ヤツの回復を優先させるために俺らは早急に脱出をした。俺たちが町のアジトに着く頃には塔が崩壊する様を遠目に確認する羽目になった。お前らがハリスを倒したんだろ?」


「いや、正確には俺たちでも倒せなかった。アイツらは仲間割れと自滅で滅んでいったよ。あの筋肉ゴリラが自己中で空気読めないのがネックになったんだろうな。」


「正直だな。お前らの手柄にしておけばよかったのによ」


「あれじゃ、とても倒したとは言えない。アイツがコアの使い方を熟知していれば、死んでいたのは俺たちだったはず。」



 勝てなかった。ハリスが鬼やゲイリーと融合していたときまでは追い詰める所まで行っていた。しかしカレルの活躍により分離が発生して有利になると思いきや、逆に窮地に追い込まれたが、長くは持たず、相手の自滅で幕を閉じる結果になったのだ。



「話を続けるぜ。アジトに戻ってきた俺たちに驚くべき情報がもたらされたんだ。あのマダム・スマッシャーが勇者を捕らえるために行動を始めたとな。」


「情報の察知が早いな! クルセイダーズさえ察知してなかったのにお前らは先にその情報を掴んでたのかよ!」


「俺らの情報網を甘く見るなよ。数で劣る俺たちが教団に対抗するためにはこうするしかないのさ。テンプル騎士団の監視の目を掻い潜るのには必要不可欠ってことだ。」


「じゃあ、なんでその情報網があるのにアンタは捕まってんの?」


「フフ、聞きたいか? 俺たちにはプランがあるんだ。お前を利用し、プランを成功に導く為の囮みたいなもんだ。」



 何? 俺を利用するだと? 何をどうするというのだろう? しかも、一緒に捕まってたら意味ないじゃないか。その内処刑されて命を失ったらどうにもならないのでは? その疑問をよそに、目の前のイケメンコボルトは不敵に笑うばかりだった。

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