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絶望

ゼファーの住む家の地下にボルトはいた。やっと、体から麻薬が抜けたところだ。

ボルトはうなされていた。夢の中で身動き取れない目の前でアマリリスの首が切り落とされる光景を見た。血が滴る剣を持つその男の顔は・・・「ジェロニモ!!」

ボルトは自分の声で目が覚めた。


朧げな意識が次第に覚醒していく。それと共に、たまらない嘔吐感と焼けつくような右腕の痛みが急激に襲ってきた。

俺は生きているのか。今どこにいる。体はどうなっている。剣はどこだ。ジェロニモ!!・・・アマリリス!!!!


ゼファーが地下に降りてきた。燭台に火をともすとボルトを見た。

「よお、意識が戻ったようだな。」

ボルトの上半身をベッドにもたれ掛けさせた。水差しで湯を口に注ぎ込み桶に吐かせる。ボルトは1度吐いた後は、そのまま湯を浴びるように何度も飲み干す。

やっと、人心地が着いたボルトはかすれた声で尋ねた。「ここはどこだ。」


「まず俺はゼファーだ。ここは俺のうちの地下だ。目の前には[死の森]が広がっている。俺はアモス王の命令で[死の森]の監視と隣国の調査を請け負っている。」

「王宮ではクーデターが起きたらしいな。お前も巻き込まれたのだろう。これからのことをいろいろ考えたくもなるだろうが、今は体をしっかり治せ。すべてはそれからだ。」


ボルトは自然と左手で右腕の切断箇所に触れていた。熱く痺れているその先にあるはずのない右腕が見える。左手で触ろうとしたが空を切るだけだった。

本当に右腕は無くなった。騎士団ナンバーワンの実力が完全に失われてしまった。

これでは、ジェロニモや取り巻きのナンバーズの誰にも勝てないだろう。俺の人生もこれで終わりか・・・。絶望しかない現実がボルトの精神を叩き潰した。




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