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訓練

ボルトは剣の技にこだわることを止めた。華麗な剣技に頼るのではなく、生を勝ち取るために、泥臭くても見た目が悪くても一切構わない野性の戦い方を身に着けることにした。


現在の装備は、柄の部分に磁石を纏わせた七分丈剣、義手は手の平に磁石を装備、手首から腕にかけては着脱可能なカートリッジ方式を採用。

カートリッジには網、ナイフ、爆弾、砂、鎖分銅を用意した。

網は捕獲、ナイフは5射可能、爆弾は一撃必殺、砂は目潰し、鎖分銅は拘束攻撃用として。


これらを駆使して、日々、実践に使えるように訓練していた。

網で鹿や兎を捕獲し剣にてとどめを刺す。

腕の振りで投げるナイフの威力が増してきた頃に、網を使わずに鹿や兎を仕留めることが出来るようになった。

爆弾はゼファーと同じものを装備した。“特殊工作員”の中にはゼファーと同じように任務で腕を失うものもいるため、装備としての義手が研究し開発されていたのだ。

砂と鎖分銅はボルトが自分専用で開発した。


鎖分銅は、過去にゼファーが[死の森]で出会った隣国の諜報員が使用していた武器であり、独特の使い方をするようだ。引き分けた諜報員が残していったものを野獣との闘いに使えないかゼファーがいろいろ研究していたのだ。


食用になる動物が狩れるようになった為、対戦相手のレベルを上げることにする。


最初のターゲットはフレキシブルスパイダーだ。

森に生息するが数は多くない。大きさは人間の大人ぐらいだ。口から動物の神経を痺れさせる毒糸を吐いてくる。動きは特別早くない。

旅人の目撃が少なかったのは、生息数が少ないこと、および目撃したが最後、ほとんどの場合が捕食されてしまうからだ。見た目が不気味であり気分が悪くなることこのうえない。全身が黒と黄色のまだら模様であり鋼の棘が纏ったようにびっしり生えている。普通の人間ならば、遭遇しただけで腰が抜けてしまうだろう。

強い気持ち、信念、執念がなければ・・・


ボルトはフレキシブルスパイダーに遭遇する機会を得た。

獲物だと認識したフレキシブルスパイダーが草むらを走り近づいてくる。射程距離に入ったフレキシブルスパイダーにボルトは義手を大きく振りかぶり網を投げつける。捕獲した後は毒糸攻撃をかわしながら切り刻むだけだ。闘い自体はそれほど難しくなかった。

脚の関節部分を狙いすべて切断、複眼を突き刺し、最後に脳天を断ち割った。


次のターゲットはワイルドウルフだ。集団戦が得意であり非常に頭が良い。

ボルトは3頭のワイルドウルフと遭遇した。義手のカートリッジはナイフを選ぶ。

ボスであろうワイルドウルフが跳びかかってきた。剣を一閃、ワイルドウルフは距離を取る。現在のボルトの剣の腕前は騎士団所属の頃には及ばないものの訓練の成果は現れている。剣の柄と手の平の磁石により右腕3割、左腕7割の力で剣技が出来るようになった。ただし剣は通常の重さでは取り廻しが難しいため、特注で7分丈の仕様である。


左から別のワイルドウルフが跳びかかる。が、義手を一閃、ナイフが眉間に食い込む。他の1頭は背後から隙を伺っているようだ。またもや正面からボスが跳びかかってくるが、同時に背後の1匹が右側から回り込み義手に食いつく。引きちぎるつもりだ。

義手を剣から離し噛みついてくる口に突っ込む。左腕で掴む剣でボスの攻撃をギリギリ受けて躱したが、左ほおを牙が切り裂いた。

咄嗟に右肘の突起にかじり付き引き絞る。義手に内蔵されている2本目のナイフが射出された。口内から脳髄へ突き刺さったナイフにより2頭目も痙攣して倒れた。義手のナイフは腕の振り加減で発射するのが通常であるが、カートリッジの突起部分をかじり引き絞ることによる射出も可能である。ちなみに爆弾も同じ構造だ。

残るボスであるが勝ち目がないことを悟り、逃げ去った。


最後のターゲットはアンガーベアだ。

ボルトは苦慮していた。アンガーベアを確実に倒す方法は、以前ゼファーが行った直接義手を口の中に入れた状態で爆発させることだ。しかし、一歩間違えればこちらが死ぬ。リスクが大きすぎる。どう対応すればよいか思案している時に‘その時’は来た。

戦い方は決まっていなかったが、覚悟は出来ていた。現在使える武器をすべて使ってでも必ず倒す。


最初のカートリッジは網だ。アンガーベアが突っ込んできたので射程距離に入った瞬間に投げつける。一時的に拘束が成功したが、すぐに破られるだろう。

すかさず、カートリッジをナイフに交換。ナイフ5連射、1本目は片目を潰し、4本は体に突き刺さる。しかし、相手は怒りが倍増したようだ。網を破りナイフを全て叩き落とし片目で睨んで突進してくる。

「落ち着け。」カートリッジを砂に交換。迫り来る頭に照準を合わせて義手を振り抜く。両目が見えなくなったアンガーベアはその場に立ち上がり、怒りで吠えまくりながら腕を無茶苦茶振り回す。

カートリッジを鎖分銅に交換。アンガーベアの両足目掛け投げつけ絡めとる。アンガーベアはその場に倒れ込む。

カートリッジを爆弾に交換し至近距離から胴体に向けて発射。盛大に内臓をぶちまけながらアンガーベアは絶叫後、息絶えた。

用意していた砂と鎖分銅が思った以上に役立った。

これらの戦いにより、ボルトは新たな戦い方に自信を持つことが出来た。


稀少ジャイアントスパイダーとの戦い

フレキシブルスパイダーの親玉だろうか。家屋一戸分の大きさのフレキシブルスパイダーと遭遇した。ジャイアントスパイダーと呼ぶことにする。

全く想定外の敵であるが、すべての武器を使って必ず倒してやる。この強い意志こそが大切なのだ。




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